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ロールプレイングハント  作者: 閃光 眩
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第17話:誕生と進出

ライアスのある村の一つの家に一人の男の子が生まれた。男の子は整った顔立ちでよく眠る子だった。そのせいか、男の子はすくすく育ち、あっという間に一人で立てるようになり、言葉を覚え、どんな子よりも賢くなった。そして狩りもすぐに覚え、どんな子よりも強くなった。

そして6歳の誕生日、強さと賢さを兼ね備えた少年は、親を殺した…

自身の美貌と知能、そして強さに酔い、それらを与えてくれた者を自ら殺してしまった。しかし、狩人は一人前とされる6歳の時に育ててもらった親の記憶をなくすという生態のため、この少年は親のことを他人だと思っていた。記憶がなくともこんなに優しくしてもらえば、普通の6歳の狩人なら好意を寄せる。

しかし、少年は違かった。自身以外の狩人は信じられないという強い自我がすぐに芽生えたために、このライアスで自分の顔を知る者が邪魔だった。自分のことは自分しか知らずにひっそりと暮らしたい。その思いの結果、少年は一晩で村を壊滅させ、村人を皆殺しにした。毒殺・刺殺・撲殺・惨殺…自身の知識をフル稼働し、様々な手口で村人達を襲った。しかし一人だけ、自身が気に入った少女がいたため、無理やり拘束した。そして自身の痕跡を残すこともなく、少女を連れて森の奥深くへと消えた。

次の日、村を訪れた人たちは、血と燻る火で赤く染まる村内をみて驚いた。村の情報が他の村に伝わると、一時は自分の村もこうされるのでは…と阿鼻叫喚の嵐だった。

そんな事とはつゆ知らず、少年は少女とともに誰も入れないような洞窟で暮らしていた。少女は手足を縛られて生活していた。毎日が恐怖の日々でガタガタ震えていた。いっそのこと死にたいと思ったがそんな勇気もなく、結局は少年のいいなりになるしかなかった。しかし、少年は何かするわけでもなく、毎日食事をくれるうえに用足しや睡眠もさせてくれたため、少女の恐怖心は次第に薄れていった。そして、少年の美しさに惹かれ、いつしか恋をするようになった。

少年はというと、最初は狩りなどで獲物を獲得し、簡単な調理をして少女と共に食べていたが、次第に自身の頭の中にある欲望を開放し、いつしか黒いローブに身を包み、一人で森の中などを探索し、色々な女の品定めをしていた。もちろんその事は少女は知らない。

そして、少年は成長し、顔を見れば誰もが振り向くであろう素晴らしい顔の青年となっていた。少女も成長し、立派な女の子となっていた。そんな中、青年は女の子に対して不敵な笑みを浮かべた。そして、女の子は衣服を剥がれ、一糸まとわぬ姿で拘束されることとなった。もちろん女の子は何が起こったかわからずに迷っていた…やがて青年も服を脱ぎ捨て、戸惑う女の子を嘲笑うと、思う存分欲望のままに汚した。

そこで女の子は悟った。あぁ…自分はやはり青年に拘束されていて、この時のために成熟するのを待っていたのかと…自身の抱いた恋は一瞬にして砕け散り、今はただ恥ずかしく喘ぐしかなかった。そして女の子は自身が何をされているか分からないほど弄ばれ、息を引き取った。青年は微動だにしない女の子を見て満足そうに微笑んで頬にキスをすると、自身愛用の刃物を取り出して、女の子の体を強くなぞった。そこからは辺りは真っ赤なシミと液体で汚れ、女の子は目を覆いたくなるほど痛々しい姿にされてしまった。青年は女の子を舐め回すように見ると、静かに刃を置いた。この時点で普通ならば吐き気を催し逃げ出したくなるが、青年は興奮し、そのまま先ほどと同じように欲望のままに汚した。青年の頭はまるでとろけそうなほど快感と興奮、そして凶器に満ちていた。

全てが終わると青年は女の子を洞窟の一番奥に片付け、自身は黒いローブに身を包んだ。そして、自らを村全滅事件の張本人、殺人鬼ノシュトと名乗り、全村を震え上がらせた。

それからというもの、ノシュトは気に入った女を無理やり洞窟に連れ込み、ある者は死ぬほど体を汚され、ある者は刃で傷つけられ、またある者は異常な愛しかたをされた。もちろん、皆洞窟の奥に運ばれ、村では未解決消息不明事件として扱われ、迷宮入りとなっていた。

村にとっては最悪の事態となったが、ノシュトにとってはこれが自身が6歳の時から考えていた理想郷だった。

しかし問題も出てきてしまい、それは洞窟の奥が死体で詰まってきたことであった。どうにかするために、ノシュトはドラゴンの餌にさせようと、女探しの傍ドラゴン探しも行っていた。他の狩人の目にあまり触れないような場所で探しているため、ドラゴンもなかなかいない。

そして満月の夜、遂に自身の理想ともいえるドラゴンが目の前に現れた。そのドラゴンは今まで見たドラゴンの中でも形が全く異なり、まるで自分のような二足歩行だった。鱗は満月の光に照らされて黒光りし、目は相手を凍りつかせるような鋭さ、そして眼球は憎しみと怒りを訴えるような赤と紫で構成されていた。翼はボロボロで、まるで自身が長年愛用しているローブのようにも思えた。そんな自身に似たような部分を持つドラゴンに惹かれ、ノシュトはすぐに手なずけた。ドラゴンのほうもノシュトを気に入ったのかすぐになつき、一人と一匹はその日から生活を共にすることとなった。ノシュトはドラゴンに親しみを込めて砕餓(サイガ)という名前をつけて可愛がった。

それからは、洞窟の奥には砕餓が陣取り、片付けられた狩人は皆、砕餓の餌となった。そのために証拠隠滅は楽になり、ノシュトは自分の活動にますます精を出した。

そしてある日、ノシュトは久しぶりに自身のかなり好みの女を見つけた。その女は透き通る肌とひ弱な感じの表情がとても印象的であった。さらに森から入る光を浴び、神秘的な印象も加わった。いつもはこのあたりは一人の男狩人がよく狩りに来ていたために興味もなく通り過ぎる程度だった。

すぐさまフードを脱ぐと女を誘い始めた。色々と聞き出してみるとどうやら女は、そのいつも訪れる男狩人のツレらしい。まだキス程度しかしたことのないウブで、今夜その男狩人と愛しあうという。しかし、その夢は叶わぬこととなる。ノシュトは話を聞き終えると無理やり女を連れ帰り、洞窟で拘束し、いつも以上に激しく汚した。女は息がつまるような感じで苦しそうに喘いでいたが、ノシュトには関係ない。やがて女は力なくダラリと体を折った。

それに満足したノシュトは、女を強力にマヒさせ片手、片足、片目を奪い取ると、今朝会った場所に女を捨てた。そろそろあの男狩人が来るだろうと思い、陰に隠れてその様子を見ていた。すると少ししてから男がのこのこと現れた。目の前の女を見て駆け寄り、愕然としていた。その様子はとても面白く、心の底から笑いたい気分だった。あの男より先に体を味わい、そしてあの男は今夜は一人ぼっちになり、絶望する。しばらくすると女は体を痙攣させて動かなくなった。マヒの効果が切れたらしい。

ノシュトはその光景に満足し、洞窟へと戻った。

それからしばらくは、いつものように女を探したりと刺激のあまりない日々を送っていた。やがて、殺人鬼は過ちを犯すようになる。ある日、一人の男に顔がばれてしまう。もちろん、指名手配でローブに身を包んだ殺人鬼として出回っているため、男は興奮した様子でそのまま逃げていった。追いかけようとしたが男はちょこまかと逃げ惑い、思うように捕まえられなかった。ダガーを投げて刺し殺そうにも、ダガーを用意したところで男は森の中に入ってしまい、そのまま追跡だけする事にした。しばらく進むと村が見えてきた。なぜか聞き耳を立てても閑散としており、物音ひとつ聞こえない。村の前にいる門番を峰打で気絶させ中に入っても、狩人は見当たらなかった。遠くを見ると、先ほどの男が謎の建物に入っていった。どうやら何かあるらしい。見つからないように外から覗くと、男は番号のついた小さな部屋のようなものに入っていった。あそこなら抵抗されてもたかが知れている。意を決して中に入る。

「あの…」

受付だろうか、女が話しかけてくる。めんどくさいため、フードで目元をしっかり隠すと、女の唇を奪い舌をねじ込ませた。女はいきなりの行為に抵抗もできず、すぐに白目をむいて昇天してしまった。邪魔者がいなくなると、男がいる小部屋をリストから調べて、意を決して向かった。どうやら普通は鍵をかけるらしいが、マヌケなのか鍵は開いていた。中を見るとあの男が目に黒い防具をしたまま無防備に横たわっている。ノシュトはその姿に苦笑すると、ダガーで一気に胸を貫いた。男はうめき声をあげるとすぐに動かなくなった。男が死んだのを確認すると、急いで建物を飛び出し、村の入り口まで走った。後ろを振り向くと、建物から何人かがこちらに走ってくるところだった。その中にいる一人にノシュトはとても驚いた…が、スピードは緩めずに村の外まで突っ切る。ある程度いったところでまた振り返ると、村の入り口にたくさんの人が集まっていた。その中の鎧をまとった狩人に、威嚇のためにダガーを一本飛ばした。ダガーは鎧に弾かれ、想像通りに地面に落ちた。それを見届けると急いで洞窟へと戻った。

まさかあの村にいるとは…そう、気になった一人というのは、惨殺して捨てた女の前で絶望していたあの男狩人だった。あの時とは違うまっすぐで突き刺さるような視線にノシュトは嫌悪感を抱いた。

いつかはあの男狩人と一戦交えるのかもしれない。この手で殺す日を楽しみに、ノシュトは溢れる笑みに快感を感じながら、また新たな女探しの旅に出た。

エイプリルフールではなくちゃんと投稿させていただきましたよ。今回はいつものメンバーはおやすみしてもらい、一人に焦点を当てた作品となっております。ぜひよろしくお願いします。

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