悪の経営
次に必要なのは人だな。いくら何でもうち、屋敷なんだが俺とアサコじゃ広すぎる。人を雇いたいところだがどうすれば。まずは金銭対策をどうにかしても現状は金がないからな。
「金もそうだけど人材だよなぁ。ほしいのは」
「それに関しても私から提案があります。ライ様」
アサコは俺に言うと俺はアサコの提案を聞く。俺の机の上にアサコは地図を広げる。
「ライ様がおさめるこのランドル領には四つ村がありライ様は今住んでいるこの村の領主です。他の三つの村には取り締まり役アルドノア村、コウヂ村、サムル村。そこの三人に協力を、と言いたいんですがもと領主様が酷すぎたせいで二つの村の協力はまず得られませんですが一つ、アルドノア村には応援を要請できると思います」
もと領主様が酷いって父さん達そこまで酷かったのか。まぁ子供の相手をしないあたりけっこう酷いとは思っていたけど。
「何でアルドノア村には応援が頼めるんだ?」
「あそこには奴隷市場があるんです。本来なら奴隷を売るのは王国などから禁止と言われていますが今回はそれを使いましょう。ライ様が完全にファム家の財政を整えた後アルドノア村を変えれば良いだけですから」
そ、そうか?それでいいのか?だが人材がほしいことは事実だからな。仕方ない。見に行ってみるか。それに悪の領主なら奴隷市場破棄しないでそのまま利用しようか。奴隷になって苦しむ奴らもみてみたいしな!
俺はアサコに屋敷にある金を集めさせるとアルドノア村にアサコと共に向かった。
その頃アルドノア村には一人の女性が奴隷市場に運び込まれていた。
「へへ。大将。こいつは上玉だぜぇ」
アルドノア村の奴隷市場の商人の一人マキス・ウルナに男は言う。
「上玉?それは本当だろうな?本当に上玉なら高い値で買い取ってやろう。大盗賊バルストリア・ガイルド」
マキスは女を運んできた男、バルストリアに言う。バルスとリアの見た目は顔中傷だらけで髪の毛はなく、上半身はほぼ半裸のような服で下は短いズボンをはいていた。
「へっへ。あっしの持ってきた上玉女はあの王国、スーサイヤ王国の騎士、マリステリア・リアスだ」
鎖で繋がれていた金髪で顔が美しい白い鎧を着た女性だった。
「このクズが!私を王女様のもとにかえしなさい!」
「バカか。かえすわけないだろ?それに今からその王女様をさらいにいくんだからよぉ」
「は、話が違うわ!私が捕まれば王女様には」
「あぁ?そんな話しらねぇなぁ。あっしはクズらしいからなぁ。クズは綺麗事は覚えてないんだよ。ぎゃはは!」
バルストリアは笑いながら言うとマリステリアはひたすら泣いていた。