脅威
カリューとの試合が終わった後マリアステル、カリュー、アズムルの三人は屋敷の入り口に戻り、俺とアサコ、ミランクは領主の部屋に戻る。
「ふん。この悪人があんなできるとは思わなかったよ。でも可愛い妹ちゃんが鍛えたならそれも当然のことか」
「いえ。これもライ様の努力と才能あってのものです。私もこれほどまで立派にお強くなられるとは思いませんでした」
アサコは俺に嬉しそうにいう。んー。でも四年鍛えてもらったからなぁ。才能があるならもっとすぐ強くなるだろうし。
「剣だけではなく他にも武器は使えますし、それに魔法の腕もかなりのものと私は思います。魔法に関しては私は初級のものと固有魔法しか使えませんのであまり自信はありませんでしたがライ様は中級まではマスターしております」
「この悪人が?中級魔法まで?へ、へぇ。それはすごいじゃないか」
ミランクは顔を若干ひきつりながら俺に言う。珍しく悪態をつかないな。ミランクは魔法が使えない感じなのか?
「ライ様。ミランクは固有魔法は使えますが普通の魔法はからっきしなんです。普通に覚えようと思えば覚えられますがよくわからないですが覚えられないんです」
「当たり前だよ。固有魔法で情報整理しているようなものだし。魔法は、あーゆうなんかちまちましたの無理なんだよ」
魔法は別にちまちましてないと思うが。詠唱のことを言っているのか?
「魔法のちまちまというところはわかりませんが。ライ様。領主の部屋につきましたよ」
アサコが言った後、部屋の扉を開けるとマキスはまだ書類の整理をしており、俺は領主が座る椅子に座る。
「で、これからどうするかだがアサコ。どうする?」
「そうですね。まずはミランクから情報を聞きましょう」
アサコが俺に言った後ミランクは
「妹ちゃんがいうなら仕方ないな。僕的にはコウヂ村をまずせめて拠点にする方がいいと思うよ。コウヂ村の顔役キンケを倒せばサムル村も僕らにひれ伏すだろうからね。サムル村の顔役はめちゃくちゃアホだから」
ミランクが言った瞬間またアイラが勢いよくドアを開ける。今度はなんだ?
「アサコさん!ライ様!村で暴れている人がいます!その人はサムル村から来たと」
わざわざ攻めてきたのか。本格的に俺を殺しにきたわけだ。マクス村の景気は村の人から税金搾りとって今いい感じにまわってきたのによ!
「アサコ。行くぞ。マキスはここにいてくれ」
「了解。ま、がんばれ」
マキスが言った後俺とアサコは領主の部屋から出て急いでアイラに案内させた。