プロローグ
俺の名前は明日葉 由雄。工場で働いている35歳の平社員だ。
「明日葉さん。仕事終わりました?」
工場で働く若い社員が俺に聞く。俺の工場では何かの部品を組み立てている。それは何かはわからない。でも
「い、いえ。まだです」
「はぁ?おっさん何してんの?早く終わらせろよ!つまってんだよ!」
俺は若い社員に蹴られながら仕事を進める。俺の人生どこで間違えたんだろ。俺は今はこんなんだが20代の時は違った。20代前半はバリバリの会社員だったんだ。でも上司に使い捨てにされた挙句最後は会社の金の横領でクビにさせられた。
俺はただ真面目に仕事をしていただけなのに。ほんとどこで間違えたんだろうな。
やっと入った会社でもこんな酷い扱い。何でかわからないけど俺の事をとってくれるまともな会社はなかった。本当にそれについてはわからないけど。
その日、いつも通りクタクタになりながら帰託していると道中、裏路地のような場所で子供が大人に蹴られていた。
「おらぁ!このクズが!我!誰にぶつかってそんな態度とっとるんじゃい!」
「すいませんすいません!すいません」
泣きながら子供は謝っていたのに男性の大人は子供を蹴りまくる。俺はあまりに見ていられず助けに入る。
「やめろ!可哀想だろ!いい大人が子供をいじめんじゃない!」
「は?わってはいってなんだおっさん。ひっこんでろや!」
俺は男に頭を思いっきり殴られ地面に顔を思いっきりぶつけた。
あ、あれ、意識が
「やべ。やりすぎた。俺知らね!」
殴った大人の男性は一目さんに逃げていき俺は意識がもうろうとしていく。
ああ。このまま死ぬのかな俺。学生の時も社会人になってからも楽しいことなんてなくて、彼女もできたことないし、ずっと仕事して家に帰ってアニメとか見るだけの人生だったなぁ。もし、生まれ変われたら好きだった、異世界転生、とかして、みたい、なぁ。
「おじさん。ありがとう。お礼におじさんのお願い叶えてあげる。本当はダメなんだけど私は命の恩人を見捨てるなんてできない。たとえもう助からないとしても」
願い、願いかぁ。そうだなぁ。最後くらいは
「い、せかいに、転生、した、い、なぁ」
「異世界ですね。わかりました」
は、はは。わかりましたってそんなこと、できるわけないじゃないか。
俺の意識は子供の最後の言葉を聞いた後完全に失った。
そして俺は次に起きた瞬間、驚愕する。死んだと思った俺が
「......え?」