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Prologue
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初代・古の魔女は、英雄の手により葬られた。
二代目・古の魔女は、聖女の力によって封印され、
三代目・古の魔女は、魔力を恐れた国民の手によって処刑された。
四代目・古の魔女は、暴走を恐れる王宮魔法騎士団の手によって火炙りにされ、
五代目・古の魔女は、魔女の力に嫉妬する偽魔女の呪いで殺され、
六代目・古の魔女は、魔女の力を欲する魔王軍から逃れるよう自ら命を絶った。
――時は流れ、今世に七代目・古の魔女が誕生する。
彼女の名前はエマ。
前世の記憶を持って生まれた彼女は、幼い頃より切実に願う。
『今世こそは〝古バレ〟することなく、ごく普通の魔力者としての平穏な暮らしを手に入れて、穏やかに終生を過ごしたい――!』
果たして彼女は、すったもんだの末に入門を決めてしまう名門魔法学校【ヴェルモンド・ウィザードカレッジ】にて、超強力魔力保持者である〝古の魔女〟だとバレることなく幸せなエンドを掴み取ることができるのだろうか――?