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第9話 『クオン』

お婆ちゃん、やらかすw

まぁ、ちょこっとだけです。

第9話 『シオン』


 お祖母ちゃんへのお土産のぬいぐるみを空と取った夜、僕は『NLF』に2回目のログインをした。


 お祖母ちゃんは言い付け通り、今日はログインしていない。もしログインしていたら軽く叱りつつ明日ぬいぐるみを持って行く事を伝えようと思っていたのだが、表示はオフラインのまま・・・会えなくて残念だ。


 じゃあ、と僕は一度ログアウトして『NFL』に入り直した。


 戦士クオン。


 バリバリの前衛職だ。こちらが僕のメインキャラで魔法使いシンはお祖母ちゃんに合わせたセカンドキャラなのだ。


 「さてと」


 前回は第七階層の探索を終らせた所でログアウトしたので、採取した素材やアイテムの確認と整理を始めた。


 最初の町の噴水に腰掛、ステータス画面を操作する。

 

 すると、不意に声を掛けられた。


 「お、クオンじゃないか!」


 その声に顔を上げると目の前に見知った2人組みが立っていた。


 「やあこんばんは、マサキ、ソーニャ」


 「こんばんはクオンさん」


 マサキとソーニャは少しの間一緒にPTを組んで遊んだ仲だ。


 「昨日は見掛けなかったけど、風邪でも引いたのか?」


 このゲームはまだベータ版で遊べる時間も短い上に階層は7階しか無いし、完全公開されてるのは第3階層までだが、1階層1階層が広大で、効率厨でもまだこの世界の全てを見るに至ってない。だから毎日インする人が殆で、当然僕も彼等も毎日インしている。


 「いや、後発組みの知り合いと遊ぶのに新キャラを作って遊んでたんだよ」


 「ああ、第二募集で始めた人達は昨日からだもんな、で今日はその人と遊ばないの?」


 赤茶色の毛並みの熊の戦士マサキ。巨大な剣を背負ったバリバリの戦士だ。


 「昨日始めて『ガイア』を使ったから、今日は休んで貰ってるんだよ」


 「ああ~、初日にしんどいって人居たね~」 


 このグレーの狼の女の子がソーニャで魔法使いである。


 「脳に負荷を掛けてるのは確かだからな。俺も少ししんどかったよ」


 2人、和気藹々と話してる。


 「で、今日は『シオン』のアイテムの整理とかやっておこうと思って。あとまだ云ってない七層の観光かな」


 「観光って・・・、まぁ、いいや。だったら途中まで一緒に行かないか?俺たちはクエスト受けて、レベルアップと素材狙いだけど」


 「う~ん・・・」


 僕は少し迷ったが、折角誘ってくれたしクエストにも混ぜて貰う事にした。


 「分かった、行くよ。俺も同じクエスト受けるから教えてくれ」


 結局3人で、バッチリクエストをクリアして楽しんだのだった。




 翌日、朝から僕は空と取ったぬいぐるみを持って、一人お祖母ちゃんの病院にやって来た。


 コンコン!


 ノックをして扉を開けるとビクッ!?と体を強張らせたお祖母ちゃんがゆっくりと此方に振り向いた。


 「コウちゃ~ん・・・」


 大きな涙を浮かべて、まるで悪戯が見付かった子供の様に泣きそうになっている。


 「どうしたの!?お祖母ちゃん!」


 慌ててベッドに走り寄って原因に気が付いた。


 サイドテーブルの上にはスロットからデータチップを吐き出した状態のガイアが置かれていた。しかも操作パネルやバッテリーの蓋まで開いている。


 「お、お祖母ちゃん・・・」


 グッと涙を堪えている子供の様な仕草に、ぷっ!と思わず笑いが込み上がる。


 「コウちゃん!?」


 恥ずかしそうに抗議するが結局堪え切れなくなって笑い出してしまった。


 パチ。カシュ。


 ガイアを元に戻して事情を聞く事にした。まぁ、大体分かってるのだが一応だ一応w


 「その・・・昨日、ちょっとだけ修行をしようと思ってね・・・」


 「一日休憩しようって言ったよね?」


 「はい・・・」


 小さくなっているお祖母ちゃんが少し気の毒になった、がそれはそれ。


 「このゲームは世界初の脳に干渉する機械なんだ。安全とは言われてるけど始めて遊んだ人の中には極稀に不調を来たす人も居るんだよ」


 「はい・・・」


 しょんぼりしているお祖母ちゃんの手を取って、顔を見る。


 「ゲームの後、体は大丈夫?気持ち悪かったり頭痛がしたりしてない?」


 ぽんと手を合わせ、パッと明るい表情になった。


 「それは大丈夫よ、なんだか何時もより調子が良かった位だもの」


 「そう良かった」と胸を撫で下ろす。


 それからガイアの使い方一通り教えても理解出来ないだろうから、最低限だけを教えて後は説明書を看護婦さんに読んで貰うように言い聞かせた。

最後まで読んでくれてありがとうございます。

ご意見ご感想、アドバイス等有りましたら気軽にお書き下さい。

作者が喜びます。


後、一応一章が終わった『アストラル・ライフ』も、よろしければ読んでやって下さい。


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