第31話 『イベントの終了』
前回で行き成り戦闘が終わってますが、ちゃんと続きは書いてます。
まぁ、次回なんですけどね。
第31話『イベントの終了』
スタッフからの報告ではまだ5パーティが帰って来ていない。
ボス戦に用意されてる部屋は全部で8つ、詰まり私達【英知の聖杯】と【ストライク・エクシード】以外に1パーティ既に帰って来ている事になる。
「帰って来てるパーティは何処?」
「あ、はい!?」
私の勢いにビックリしたが、スタッフは資料を確認してこう告げた。
「【春雷】の皆さんです。【ストライク・エクシード】の皆さんの五分ほど前でした」
「5分前!?そう、【春雷】は失敗したのね・・・」
ソニアは落胆したが、あの変化なら仕方が無いかと受け入れられる。
(しかし、あの【春雷】が・・・)
だが、まだ1回目だ。全員が帰って来たらもう一度準備して挑めば良いと考えていた。
「いえ、ちゃんとクリアして帰って来られましたよ」
「は!?」
スタッフの言葉に驚いた声を上げたのは、横で聞いていたジークだった。
「俺達より5分速く倒しただと!?」
「タイムは?」
「えっと、17分42秒ですね」
(17分・・・以前より時間が掛かっている。間違いでは無い様だ)
「【春雷】の方達が戦ったボスが以前のままだった、って事は無さそうですね」
「はい、攻撃パターンに変化が有ったとの報告は聞いてます」
「マジかよ・・・」
頭を抑えて、ジークは椅子に倒れ込むように座り直した。
(5分!?あのボスをジーク達より5分速く倒したと言うの・・・)
「今【春雷】さん達は?」
「向こうで、今回のボスに付いての聞き取りに協力して貰ってます」
「そう・・・」
私も一度乗り出した体を椅子に落として、もう一度溜息を吐いた。
「今ので、更に疲れたわ。全部のパーティが帰って来たら教えて頂戴。其れまで此処で休んでるから」
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~
結局【ストライク・エクシード】と【英知の聖杯】が画策したクエストは最後に【ヤドリギ】が戻って来た事で無事成功に終った。
この時点で、運営からクエスト完了の報告と明日行なわれる24時間の緊急メンテナンス。そして、メンテナンス終了後に第四階層の世界を隔てる壁が消える事が仰々しくアナウンスされた。
この事に伴い第四異界の中ボスの攻略が可能になる事、その後の階層と異界の開放、更にゲーム内でのクランの開設が可能になる事が発表され、他にも新要素が随時アップデートされる事が発表されたのだ。
世界を隔てる壁の所為で停滞気味だった『NLF』に活気が満ち、お祭り騒ぎの中、精神的に疲れ果てた僕達は早々にログアウトする事にしたのだが、ジークに掴まってしまった。
「なんだ、なんだ、立役者の一角が騒がないのか?」
ジークが僕の肩をがっちり手を回して逃がさないといった感じで絡んでくる。
「そうね、これから表彰式だし優勝者に逃げられる訳にはいかないからね」
ソニアが反対側から腕を絡めて押し付けてくる。
「でも、疲れてる仲間も居ますし・・・」
「離れて下さい!」
クウとココが力無く抵抗している僕から2人を引き剥がしてくれたが、そのまま今度は2人が僕の腕を組んで離してくれなくなった。
「でも、流石に優勝者無不在の表彰式なんて出来ないだろ。せめて君だけでも残ってくれないかな?【春雷】のリーダーでしょ?」
本当に困ったという表情で手を合わせ、お願いしてくるソニアに作為的なものは感じるが、確かに優勝者の居ない表彰式なんて盛り上がらないし、イベントも台無しだろう。
「分かりました、取り敢えず僕は残りますよ」
本当は表彰式なんてゴメンだが、ゴメンなんだが・・・。
「すまないね」
と先に言われて、諦めた。
結局、ハルさん、オズさん、タダカツさんの三人はログアウトして、僕とクウ、ココ、ツバメが残る事になった。
多分若者組みだな。
そして、僕達は表彰式で見世物にされたのだった。
因みに、道連れにしようとしたツバメはボス戦に参加してないからと、逃げた。
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「ふう・・・」
私は目が覚めるとガイアを外して、サイドテーブルに置き、少しベッドを起こして一息吐いた。
「カーテンを開けて頂戴」
合成音声が復唱して自動でカーテンが開き、外の景色が見えてくる。
22時前。遠くに見える夜の町並みにネオンや家の明かりが綺麗に煌いていた。
ボス戦後は少しだけ不安を感じていたが、今はゲームでの事を思い出して微笑む。
「まさか、あんな事になるなんてね」
あの戦闘での最後の一撃、コウちゃんのピンチにゲームで有る事を忘れ、助けたい一身で体が勝手に動いた。
無意識とは言え誰にも聞こえない様にする冷静さが残ってたのは自分でも驚いた。そして、染み付いた垢の執拗さに嫌気も差した。
カリュオーンに止めを刺したあの技。それはゲームの中のスキルではなく、ハルさんのパーソナルスキル。過去、今の幸せを手に入れる前に無慈悲に使っていた技。
『桜花繚嵐』
本来は森や室内で多くの敵に対して使う技だが、今回はシンの魔法『グランド・ランス』で作られた乱立する岩の槍を足場に跳ね回り、暴れるカリュオーンの攻撃を躱しながら、急所に連続攻撃を繰り出した。
「全く、嫌ね。まさか楽しい筈のゲームで思い出すなんて・・・」
春香は視線を下げた時足元の布団が乱れている事に気が付いた。
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その日から、お祖母ちゃんのログイン時間が少し減ってしまった。元々フルでインしていた訳ではないが、更に減ったのだ。
そんなある日、運営からあのカリュオーン戦の動画を公開して良いかという確認のメールが届いた。
運営も十分な確認をした上で編集した動画を本人達に見て貰い、その上で許可が欲しいとの事だった。
そこで、クウの提案で集まれるメンバーだけでも集まろうと云う話になった。
思わずのオフ会は、動けないお祖母ちゃんの病院でとなったのだが、オズさんとタダカツさんは場所が遠くて行けないとの返信が届いた。
同じく、ツバメも参加出来ないと丁寧な返信が来ている。
一緒に見れるのは僕とお祖母ちゃん、空と心音の4人だけだったので、結局ゲーム内で集まって映像を確認する事になったのだ。
「で、どうしてお家を買う話になったの?」
僕達は、7人揃ってゾロゾロと第四異界、第四階層の始まりの町『ディード』に来ていた。世界を隔てる壁消失後実装されたクランシステム。そのクランの本拠地となる家を買いに来たのだ。
動画を見るのに何処かで、部屋を借りるという話になったのだが、クウがどうせ皆で動画を見るならと、クランの設立とクランホームの購入を提案、全員の持ち金を合わせ、無理なく買える家を探す事になった。
(どうやら、何処かのクランホームを見て欲しくなったらしい)
第四階層の壁が取り払われ、多くのパーティが中ボスを攻略。世界が次に進んだ事で多くの新要素が追加され、クランシステムとクランホームの購入が可能になったのだ。
其々が手分けをして、売り物件を周り、内覧を重ね、今全員揃って一軒の家の前に集まっている。
「此方は、50人まで入る事の出来るクランホームでして~」
見た目は良いが、50人規模は大き過ぎるし、街中と云う事も有って非常に高い。
「此方は、屋上からの見晴らしが良く~」
2件目はお手頃だが町の中心から離れ過ぎだし、趣が有ると言えば聞こえは良いが古い洋館で、まるで幽霊屋敷だ。
「こ、此方が~」
色々回って、僕たちは5件目にその物件に辿り着いた。
最後まで読んでくれてありがとうございます。
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