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お祖母ちゃん、VRMMOで余生を謳歌する!  作者: LUCIOLE


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第28話 『異変』

第三異界のボス、カリュオーンに変化が?!


ハルさんは、静かに忍びて無双します。

第28話 『異変』



 気配を隠し、後ろに回ったハルさんの無防備な首筋を狙った不意打ちがカリュオーンに大きなダメージと衝撃を与えた!


 ギャギャ!?


 不意を突かれた攻撃にカリュオーンが驚き振り返る。


 そして、ハルさんに意識が行った瞬間タダカツさんとオズさんがカリュオーンに辿り着き攻撃が入る。


 「シールド・バーッシュ!」


 タダカツさんは構えてた盾を其のまま振り被り、叩き付けカリュオーンを吹き飛ばす。


 「小さな老人を攻撃してる様で、少し気が引けますネ~」


 その吹き飛んだ位置を狙ってオズさんがスキルを使う。


 「一の太刀、蜃気楼」


 チン!


 オズさんは一瞬消えたかと思うと既にカリュオーンの横を通り抜け、神速の一撃を与えていた。


 オズさんが求めて止まなかったスキル、居合い斬りの技だ。そして、今オズの装備している武器は抜刀後、最初の一撃のみ属性ダメージと物理攻撃力が上がる効果が有る代物で相性も良い。


 この後は、オズさんとタダカツさんが常にヘイトを稼ぎ、ハルさんがその隙を付いて最大ダメージを稼いでいく。


 ココは属性ダメージを付属した矢を、僕も魔法を撃ち続けてカリュオーンのHPを削り続ける。


 本来カリュオーンはダブルキャストのスキルを使った魔法で弾幕を張って、接近を許さず戦うのだが訓練初日、初動さえ押さえ込めば割と簡単に近接戦闘に持ち込めるかもとハルさんが気付いた。


 勿論そのまま倒せる程、甘くは無いのだが今回前衛2人が多少のダメージを顧みずヘイトを取り続け、ハルさんと3人で足を止めている。


 勿論ハルさんは見慣れた攻撃は全て回避している。


 (普通、動きの速い軽戦士だってそんな事出来ないよ。ツバメなら出来そうだけど)

  

 偶に、その包囲網を抜け出すが其処にはハルさんが周り込んでいたり、僕の魔法とココの弓が阻害する。


 ただ、こんな楽な展開は直ぐに終る。


 「来るぞ!」


 カリュオーンのフードに隠れた目が光り、周囲全体にノックバック付きの衝撃波が放たれ、前衛が全て弾き飛ばそうとする。


 ハルさんは素早く後ろに飛び退いて、その衝撃波を躱してる。


 最初、カリュオーンの真上に回避したら、上に吹き飛ばされて「ダメージ受けちゃった」とか言っていた。


 タダカツさんはしっかり大盾で防いでる。


 お蔭でダメージは微々たる物だったが、ノックバックは免れない。そして、オズさんはタダカツさんの後ろに隠れてた。

 

 「申し訳ないな、タダカツ」


 「NO~problemで~ス」


 ダメージは無いものの距離を取っている僕やココですら、その圧に攻撃が止まる。


 そして、折角の包囲網がリセットされ、カリュオーンの攻撃パターンが変わる。


 これまでと違い、ダブルキャストの魔法に広範囲魔法が加わる。


 ギャギャ!


 青いオーラを纏い自身の魔法防御を上げつつ、周囲に雷の雨を降らせるカリュオーン。


 そんな攻撃を僕達は後衛3人の防御魔法で軽減しつつ、受けたダメージは各個で回復薬を飲んで回復をしていく。


 そうしながら、僕とココは範囲攻撃のギリギリから隙を付いて攻撃を加えるのだが、オズさんとタダカツさんは迂闊に近寄る事が出来無い。


 大半のパーティはここで一回失敗するのだ。


 本来なら遠距離からの攻撃を主体にするか、防御力の高い戦士がダメージ覚悟で戦い、他のメンバーが其れをサポートしてダメージを稼ぐらしい。


 ただ、僕達【春雷】には他パーティに無い最強のカードを持っていた。


 降り注ぐ雷の雨。放射状に放たれる風の刃。乱れ撃たれる炎の玉が爆発する。そんな中、一つの影がカリュオーンに迫った。


 其れを悟られない様に、序に少しでもダメージを稼ぐ為に僕とココは攻撃を続けていた。


 そして、背後に迫った影の一撃が、カリュオーンの首を捕らえた。


 (パラライズ・エッジ!)


 ギャ?!


 急所への攻撃と、麻痺効果が付属した攻撃がカリュオーンの体力を大きく削り、魔法による攻撃が止まった!


 ハルさんは無作為に放たれる魔法を掻い潜り、足音一つ立てず忍びより、自身の身体能力でスキルを上回る連続攻撃を繰り出した。


 麻痺のエフェクトが連発して、突然カリュオーンの動きが硬直する!


 「今だ!」


 僕の指示でオズさん、タダカツさん、クウがカリュオーンに突っ込む!


 「聖なる槌激ィ!」


 「三の太刀、朧月」


 「パワー・クラッシュⅡ!」 


 必殺の突きに、高火力の力技、それらを最大限に生かす為、最初に魔法障壁を割る効果を持つ打撃がこれまで攻撃に参加出来なかったクウの鬱憤込みで叩き込まれた。


 オズさんは足を、クウは頭を、そしてタダカツさんの攻撃はカリュオーンの体に向けられる。


 お互いの攻撃が、お互いの邪魔にならない様にする為の立ち位置は之までの戦いで確立している。


 ただクウは2発当てた時点で直ぐに下がり、攻撃は3人に任せる。そして8秒後オズさんとタダカツさんも離れ、10秒後カリュオーンの麻痺が解かれた瞬間、ハルさんの一撃が入った。


 (パワー・スラッシュ!)

 

 1回だけ、攻撃力を少し上げるスキルで足に与えたダメージがカリュオーンを転倒させた。


 「よしっ!」


 ダメージの蓄積が上手く行って思わず拳を握った。


 倒れたカリュオーンを見て、再びオズさんとタダカツさんの攻撃が炸裂する。


 「これで、予定通りなら・・・」


 突然の雄叫びと共に、再びノックバック攻撃。そして演出が始まる。


 まるで紐で吊り上げられる様に空中に昇っていくカリュオーンが15m程の高さで浮遊すると、再び雄叫びを上げた。


 グルオオオオオオォォォーーーーーーッ!


 小さな体に似つかわしくない、重く響く咆哮。


 見窄らしいローブが内側から破られ、その中から蛇の下半身、獅子の顔を持つ筋肉隆々の人間の上半身に大きな蝙蝠の翼を持つ魔物が現れた。


 バリバリと青白い雷を纏い、ガラガラと尻尾の先を不気味に震わせている。


 この姿が第三異界、第七階層のボス、カリュオーンの真の姿。


 この変身演出の間は攻撃が無効化されるので僕達は物理防御系の魔法を掛け、また武器に攻撃力を上げる魔法やスキルを使って準備をした。


 勿論HP、MPの回復もバッチリだ。


 「気高き冒険者共よ。私を此処まで追い詰めた事は褒めてやろう。だが、それも此処まで・・・」


 獅子の瞳が僕達を睨み見下ろす。


 「真の恐怖に怯えるがよい!!!」 


 「さぁ、此処からが本番だ!」


 物理に弱く、魔法に長けていた最初の姿と違い、今の姿は物理に強く魔法にも強い。


 そして、攻撃は風属性になるので、水属性防御の高いグランド・トータスの防具を。雷が弱点に変わるので、サンダーバードの素材で雷属性で攻撃力の高い武器を作ったのだ。


 変身を遂げたという事は、カリュオーンの体力は残り半分。この後半に全力を尽くす。


 後衛の僕達はカリュオーンの翼を狙い、叩き落して、其処を前衛の3人にクウを加えた4人で攻撃する。やる事は至って単純、サンダーバードの時と同じだ。ただ、あの時ほど簡単でも単純でもないのだが。それも練習済みだ。


 「ホーリー・ライト!」 


 クウの魔法で眼暗ましをして、回避力を落す。


 「ライトニング・ボール!」


 僕は弱点属性の雷魔法を、ココも弓から雷の精霊魔法を撃つ。


 「雷の精霊、スパーク・ヘッジホッグよ、我の前に立ちはだかる者に雷撃を!」


 視界が戻る前に、もう1発!


 そして、この翼の攻撃を繰り返している時、カリュオーンが何時もと違う攻撃をしてきた。


 一度魔法が届かない上空に上がると、急降下をしながら毒針を飛ばし、地面スレスレで急上昇をしながら尻尾で地面を薙ぎ払った。


 思わぬ攻撃に僕と咄嗟に僕を庇ったクウが吹き飛ばされてしまった。


 「コウちゃん!?」


 「先輩!?」


 ハルさんとココの叫ぶ声が聞こえる。頭を振って意識をはっきりさせると、横で呻いているクウを抱き起こした。


 「ごめん、クウ大丈夫か?」


 「な、なんと、かっ!?」


 突然驚いて、硬直するクウ。何故か異常に顔が赤い。


 「本当に大丈夫か、なにか状態異常攻撃でも受けたんじゃ?」 


 「大丈夫、なんでもないから」


 手を突っ張って僕を押しのけるクウ。


 それでも心配して迫る僕を一番近くにいたココが引き剥がした。


 「先輩其処まで!クウ先輩は大丈夫です。それより今はカリュオーンです!」


 ココに言われて、咄嗟にカリュオーンを見上げ睨んだ。

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[気になる点] 不意を疲れた攻撃に ↓ 不意を突かれた攻撃に [一言] うん、鈍感のおかげで立ち直りが(笑)
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