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七回目・八回目・九回目
もう疲れた。在人はベッドを降り、裸足のまま外へ出た。頭のなかで七海が幡野が留島が一郎丸がいつきが喚き、泣き、喜び罵り笑い怒鳴り喘ぎ哀しみしている。
逃げたい。
工夫することも考える必要もない。近場の橋から飛び降りただけだ。
目が覚めた。
逃げられないらしい。在人は笑った。なにもかもお仕舞にしてしまいたい。
窓を開けて飛び降りた。
目が覚めた。
天井が見える。在人は笑った。泣きながら笑った。
なにもない。
在人は叫んで部屋を出た。いつきの部屋から父母が出てくるのが見えた。在人は笑い、叫びながら階段を転げ落ちた。
目が覚めた。