ライナスルート5
ポロポロと涙を流す私と目線を逸らさず、ライナス様は重ねていた手を軽く握ってくれた。
「アマリリス姫ありがとうございます。」
拒否を想像して青くなっていたはずなのに、ライナス様の一言でまた頬が赤く染っていくのがわかる。なんて現金なんだ自分!っと思いつつ拒否されなかったことが本当に嬉しくて、嬉しさでまた涙が零れてしまう。
「ライナス、わた…私は」
「姫君に憧れていただけるなんて、騎士として本当に光栄な事です。これからも期待を裏切らないように、鍛錬を重ねて誇れる様にいたします。」
重ねていた手を外し、私の頭をゆっくりなで撫でながらにっこりといい笑顔で笑ってる。
え?ライナス様の発言と行動に一瞬頭がついてこなかった…
これって伝わってない?というか思いっきり子供扱いされてる!?
ついポロッと言ってしまった私も私で悪いが、ライナス様も結構…かなり鈍い?
私の感情が表情に出ていたのか、ライナス様はニコニコしながら首を傾げる。推しの笑顔が眩しいが素直に喜べない…。
5歳だからハンデがあるのは覚悟してたけど、まだ伝わらないなら伝わるまで頑張るしかないと心の中で誓う。
「また良かったら訓練見に行っても良いですか?」
子供扱いをそっちがするなら、子供の特権の我儘を生かしつつ思いをつたえて行こう。許される範囲で我儘を言っても許されるはずだと思うので、会う機会を増やして気持ちをどんどん言葉にしていこう。
私の決意というか、思惑に気が付いていないライナス様様は笑顔で頷いてくれた。
「何時も代わり映えしない訓練ですが、良ければまた来てください。皆も姫君のお越しを喜びましょう。」
「ありがとうございます、また行かせていただきます。」
そっと掴んでいた袖を離して、正面にあるライナス様の顔を見つめつつ早速我儘を言ってみる。
「ライナス、城に着くまでで良いので手を繋いで歩いてもいいですか?」
本当は腕を組めれば良いのだけど、身長差で組むのは無理なのは分かってる。無理やりライナス様の腕に私の腕を回してもぶら下がるのがオチだ。
ライナス様はちょっとビックリした表情をしたけど、にっこり笑って良いですよと答えてくれた。本当にライナス様優しくって、素敵笑顔が尊い!
立ち上がったライナス様の左手と、私の右手で手を繋いで歩く。繋いだ手は大きく暖かい、傍から見れば親子なんだろうなと思う。
頭上からクスッと笑いが聞こえ、見上げると微笑みつつ以外そうに言われた。
「アマリリス姫も子供っぽい所もあるのですね、今日接してて大人びた感じだったので意外でした。」
実際母様や父様と同じ世代なので子供扱いになるのかも知れないけど、私も前世の知識で若いゲーム当時のライナス様を知っている。
前向きな性格目指します!前世からの恋心舐めないでください、絶対振り向かせてみせる!
「王女として普段は気をつけて行動しています、ライナスは子供っぽい行動は迷惑ですか?」
「子供でいられる時間は少ないので、子供らしい行動をしても誰も咎めないと思いますよ。」
本当に間違いなく子供扱いだなと痛感しつつ、にっこり子供らしい無邪気な笑顔でライナス様を見上げる。
「ライナスの手大きいですね、私の手がすっぽり収まってしまいます。」
「姫君の手はとても小さくて可愛いですね、私の手は剣を扱うのでゴツゴツしてて硬くて痛くないですか?」
ライナス様を見上げつつ、にっこり笑って答える。
「ライナスの手はとても暖かくて、立派な騎士の手で素敵です。」
「ありがとうございます、そう言って貰えて嬉しいです。」
繋いだライナス様の手に私の左手も添えて、キュッと握る。
「ライナス、大好きです。」
今年最後の投稿になります、初めて尽くしの初連載につきグダグダ感があると思いますが…
こんな私ですが来年もよろしくお願いします。




