ライナスルート4
良い情報を手に入れたことで、今後の対策を考える。
ゲーム当時は前向きかつ向上意識のある選択肢が好感度が高かったと知識で知ったが、今の私で前向きかつ向上意識高い選択肢などある筈も無く…
そもそも母様と立ち位置が違う時点で、攻略情報全く役にたたないことに気がついた。幼なじみの母様卑怯だ…
どうすれば良いのか考えている間に時間が過ぎ、城に戻らないといけない時間になってきた。せっかく会えるかの賭けに勝ってライナス様に会えたし、騎士団の訓練の見学来たのにもう帰る時間になって寂しくなってくる。
「姫様そろそろ戻らないと、お時間が…」
リナが申し訳なさそうに伝えてくる。結局対策も思いつかないまま、帰らないといけないのかと落ち込みと焦りが込み上げてくる。
「そうね、そろそろ戻りましょう。ライナス様にお礼を伝えて帰りましょう。」
せめてもう少しでも会話したくて、訓練の指示をだしているライナス様の元に向かう。
「ライナス様、本日は見学の許可ありがとうございます。貴重な時間を過ごさせていただきありがとうございました。」
カーテシーをしつつお礼を伝えて帰ろうとすると、ライナス様も騎士の礼をとりまさかの返事をもらえた。
「では城まで護衛させていただきます。」
「ご迷惑でなければ、ライナス様よろしくお願いいたします。」
まさか推しとの時間延長にニマニマしそうな表情を引き締めて、にっこり微笑みつつ返答出来たはず!
帰りの道中私の歩幅に合わせて横を歩くライナス様を見つつ、ゆっくりと城に向かって帰路を行く。
「ライナス様は…」
「ライナスで結構ですし、私に丁寧な対応しなくても大丈夫ですよ。」
微笑みつつ言われた内容に動揺してしまう、これって一気に距離感が近くなった気になってしまう。アワアワしつつ名前を呼んでみた。
「ラ…ライナス」
「なんですかアマリリス姫?」
微笑みつつ名前を呼ばれた破壊力に、心臓が痛いほどにときめく。もう興奮収まらず、隣を歩くライナス様の袖をキュッと握る。
何事かと歩みを止めて、騎士の礼をとり目線を合わせてくれた。スマートにこなす推しが尊い!ヤバいくらいの興奮にポロっと本音が飛び出した。
「ライナス、私はあなたの事が好きです!」
言われたライナス様もビックリしているけど、言った本人もビックリしてしまう。1度言葉にだした事を無かったことに出来ず、冗談ですと嘘で笑うことも出来ない。今言うつもりは無かったのにと赤くなってた顔色が、青くなる位には焦っている。
少し前の自分をどつきに行きたいくらい後悔が込み上げて、袖を握る力がはいったまま下を向くことしか出来ない。
後ろに控えてたリナが姫様とつぶやくが、それに反応を返せる余裕もあるはずも無く佇むしか出来ない。
今の私は5歳の少女でしかなくて、大人のライナス様に迷惑かけたかった訳では無い。少しずつ距離を詰めつつライナス様の好みを調べて、ゆっくり成長に合わせて告げていこうと前世の知識で考えていたのにそれすら我慢出来ない子供な自分が嫌になってくる。今ライナス様の顔を見るのが怖い、呆れた表情や困った顔や嫌そうな顔をしていたらと不安に押し潰されそうだ。
下を向きつつ涙が出そうになる、泣くなんて更に困らせるだけなのにダメだ。
その時袖を握っている手に大きく暖かい手が重ねられて、ビックリして顔をあげてしまった。
そこにあったライナス様の表情は、私が想像してた表情をしていなかった。
微笑んだライナス様の顔に涙が零れてしまう。




