ライナスルート3
それなりの時間見学をしているとやはり騎士団の訓練は厳しいのか、少しづつ動きの悪くなる人が出だすと休憩の指示をだしてライナス様がこちらに向かって歩いてくる。
汗をかいたためか短い髪が頬や額にくっつき、何とも言えない色気がでている。
「アマリリス姫もお疲れではないですか?あちらの木陰に席を用意しますのでお茶等いかがでしょうか?余り良い品を用意出来ませんが。」
背後でリナが日傘をさしてくれているので、暑さは感じてないが折角の推しからのお誘い嬉しくないはずもなく即答ではいと伝える。
騎士の礼をとり目の前に出された手に、ふと疑問を覚え首を傾げる。
「汗をかいてて不快かもしれませんが、席まで案内する名誉を頂けませんか?」
紳士らしくエスコートの為に出された手、その手の上に緊張しつつ私の手をのせた。
騎士らしく大きな手は剣を使うためか少し固く指の付け根辺りにはマメになったのか更に固い部分がある大人の手だった。身長差を考えたらエスコートするライナス様はとても辛い体勢なのではと思うが、道中穏やかに微笑みつつ目的地に向かって歩いていく。
推しの手に触っているという現実に頭の中がパニック寸前のまま用意されたという木の方まで案内される。大人と子供では歩幅が違うはずなのに、気を使われているのかゆっくり合わせて歩いてくれているのが分かり更に好きだという気持ちが溢れてくる。
ただでさえ好きなのにこれ以上もっと好きになっていく予感しか感じない!
一際大きな木の木陰に着くと、こじんまりとしたテーブルと椅子が用意されていた。手を離されたのは残念だけど、淑女の扱いみたいに椅子を引いてくれたのでそこに座る。
こんな子供なのに立派な貴婦人の様に扱ってもらえるのは嬉しい、何時もまだ子供だからで貴婦人の様に扱われた事など無いのだから。
「アイスティーとちょっとしたお菓子しかありませんが、お口に合えばいいんですが。」
目の前のテーブルの上にアイスティーの入ったグラスとビスケットの乗ったお皿を出してくれた。
用意されたのが1人分で、折角ライナス様と一緒なので我儘を言う。
「ご迷惑でなければ折角なので、ライナス副団長様も一緒にお茶を飲みませんか?お茶を飲みつつ、色々騎士について聞いてみたい事もあります。」
流石に王家の人間と席を共にするのには抵抗があるのか、直ぐには返事を返して貰えずちょっと困り顔になってしまった。困り顔にしてしまったのは申し訳ないけど、見たこと無かった困り顔も素敵で萌えてしまう。
「今この時間は私はただの見学者であり、身分など気にしないで貰えると嬉しいです。」
私に気を使わせていると判断したのか、今回はと断りを入れて向かいの席にライナス様も座ってくれた。本当にライナス様優しい、優しさに漬け込んだ感じで一緒にお茶の願望が叶ったのは悪いと思いつつ嬉しくもある。
お茶しつつ騎士団の事を聞いたり、ライナス様の情報を聞いたりしていると思わぬ収穫があった。
ライナス様は騎士団の仕事が忙しく、まだ未婚で結婚を約束した人も居ないそうだ。
それなら私がライナス様に恋しても問題ないと思うと嬉しい、流石にゲーム当時から10年の月日経っているので今の状況は知らなかった。奥さんや婚約者みたいに決まった人が居る人に恋などできない。
嬉しくてニヤニヤと口元が緩まないように気をつけつつ、ライナス様を見て心の中で覚悟してくださいと思いつつ微笑んだ。




