ライナスルート2
精悍な大人のライナス様に興奮し駆け出しそうになるのをグッと我慢して、初対面でのイメージは今後に関わるとなるべくゆっくり歩きつつライナス様の方に向かって歩き始めた。
こちらに気がついたのか指示していたライナス様がこちらに振り向いた、正面から見た推しの破壊力本気でヤバい!
護衛を見て私の事に気がついたのか、騎士の礼をとり迎えてくてた。推しが尊い!
「この度はこの様な場所まで御足労ありがとうございますアマリリス姫、初にお目にかかります第2騎士団副団長のライナスです。」
片膝着いたことにより同じ目線になったことで、間近に見えるダークブラウンの瞳に吸い込まれそうな気持ちになる。
女王教育で教わった礼儀作法を思い出しつつ、初めて話せる興奮に頬が赤くなっているだろうなと思う。
「初めまして、アマリリス・グライドリーです、この度は私の我侭の為に第2騎士団からの護衛の派遣誠に感謝致します。」
淑女らしくカーテシーをしつつの自己紹介等今まで講義中にしかやった事もなかったので、初めての実践になってしまってちゃんと出来たのか不安になる。緊張で噛まなかった事にほっとしつつ、硬い表情では無く授業で習った様にっこり微笑みつつ言えたと思いたい。講師の婦人に今後もしっかり教えて貰わないと…
きちんと出来ていたのかライナス様も精悍な表情を崩して、にっこり微笑みつつ頭を下げた。
「王家の大切な姫君の護衛などという大役を受け、第2騎士団皆で喜んでます。我儘だと思わず、なさりたいようになさってください。
但し危険が伴いそうな時はお止めする事もあると思いますが、アマリリス姫の望みは叶えられるように騎士団一堂お勤めさせていただきます。」
これは初対面好印象になったのかなと、ほっと胸を抑えてしまう。
「此度こちらまで来られたのは、何か御用がありますか?」
そういえば行くとしか先に伝令を出てないのだから、いきなり訓練施設に私が来た理由は伝わってないのだと慌ててしまう。
まさか推しに会いたい一心で!なんて言えるはずも無く、先程リナに答えたように返答する。
「普段から守ってくださってる騎士団の皆様に感謝しています、そこで騎士団の皆様の活動を拝見したく思いこちらに来た次第です。いきなりの訪問ご迷惑でしょうか?」
「いえそのような事はございません、皆も姫君に見ていただけるなら訓練に気も入る事でしょう。」
推しの笑顔が眩しくて、欲望に満ちた心が洗われて行く気がする。ライナス様の笑顔があれば浄化に聖女要らないんじゃないかとすら思えてしまう。母様ごめんなさい、別に聖女全否定はしてないからね…。
とりあえずライナス様や訓練を中断してこちらに向いている皆さんの騎士の礼を辞めてもらわないと落ち着かない。
「普段の訓練の様子を見学をさせてもらえますか?」
「了解しました、騎士の訓練ゆえ粗野な所もあると思いますがこちらに席を用意致します。」
ライナス様の掛け声で訓練を再開されて、用意された椅子に座り訓練風景に見入ってしまう。
大きな掛け声や金属のぶつかる音はやはり聞きなれないので少し怖いけど、訓練を見守りつつ指導してるライナス様の姿が眩しい。