ライナスルート17(最終話)
ライナスルート最終話です。
誤字脱字報告ありがとうございました!滅茶苦茶助かります。
「助言と賭けですか?」
何がどうなっているのか謎で、キョトンとして聞き直してしまった。
「姫との結婚を考えると、平民出の俺は副団長の役職だけでは弱いと判断したのです。」
ライナス様は母様と同じ平民出だ、母様は聖女として活躍した事で父様との結婚は認められた。そうかライナス様は副団長になっても爵位が無く、ただの役職でしかないのだ。
「そして辺境で闇の残滓が残っている事で、軍を送るのは前々から議案は出ていました。そこに俺は一類の望みを賭けて、討伐隊に参加を決意したのです。」
そういえば私が泣き叫んでいる時に、自分の意思で辺境に行ったと言っていたのはこの事かと思う。
「無事闇の残滓の討伐に成功した折には、辺境伯の地位を授かり姫に求婚する資格を貰い受ける約束でした。」
危ない場所に行ったことは心配だが、それが私の為だったとは。そんな危ない事をしないで欲しいという気持ちも確かにあるが、そこまでしてもらえた嬉しさが大きくて、涙がまた目に滲んでくる。
「陛下とは姫が16歳になるまで、姫が望まない限り婚約者を据えず、16歳までに俺が戻れない時は俺が諦めるといった賭けをしたのです。」
それで一国の姫でありながら婚約者を持たずに、ライナス様を思う事が許されたのか。
父様の方を見ると、少し眉毛を下げて困った表情をした父様の顔が見えた。こうして私を今まで支えてくれていた事に涙が流れて、父様とつぶやき父様に抱きついた。
抱き締め返してくれた父様は、背を擦りながらなだめてくれる。
「父様、本当にありがとうございます。父様の娘に生まれて、本当に嬉しいです。」
「当然だろ。お前は何があっても、ずっと俺の可愛い娘だよ。」
本当に優しい親に見守られて育ってきたんだと思う、感激して久しぶりに親に甘えるように抱きついてしまった。こんな風に甘えるのも久しぶりだが、父様も頭を撫でてくれ、いつまでも子供は子供なのだと実感してしまう。
父様に甘えていると、クイッと後ろに引っ張られて背後から抱き止められた。
「あんまり他の男に甘えないで、焼けてくるから。甘えたいなら、俺だけに甘えて。」
耳元に聞こえた甘いセリフを残し、最後にチュっという音にドキっとして、囁かれた耳を手で覆ってしまった。背後から抱き締められて耳元に囁かれると、恥ずかしさに顔が赤くなってしまう。
しかも耳にキスされた?ライナス様もこういう事慣れてないって言っていたのに、充分翻弄されてしまっているんですが!
クラクラしてライナス様にもたれ掛かると、背後から私のお腹に回された手に力が込められた。
「ライナス!」
父様が目の前で怒っているが、何処吹く風状態でライナス様は耳を覆った手にキスを落としている。
「もう結婚の了承を姫から貰っている。姫、愛してます。」
「リリーが望めば嫁に出すとは言ったが、まだ嫁入り前の娘にこれ以上手を出すな!リリーが穢れるから、さっさと離れろ。
」
ライナス様と父様のやり取りに笑みがこぼれてしまった、大の大人が言い合う姿など見た事がなかった。
笑う私に毒気を抜かれたのか、2人共が言い合いをやめて微笑ましい笑みで見つめてくれた。
ゲームの悠久の楽園で、初めて見た時から大好きだったライナス様。
赤い髪にダークブラウンの瞳に、騎士見習いとして主人公ユリアナの幼馴染として登場していた。当時人気のあった声優さんが声をあてていて、ミーハーな私はライナス様にハマり、推しとして崇めていた。
そんなライナス様は兄のようにユリアナを優しく見守ってくれて、頼りがいのあるキャラクターだった。
ライナスルートに進み結ばれると、独占欲が強いヤンデレ騎士見習いとなった。
アマリリスとして生まれ、前世を思い出した後始めは戸惑ったが、推しに会いに行きたいと思った気持ちは迷いが無かったと言い切れる。
そうして会いに行き初めて会った時、ライナス様は見習いでは無く騎士団の副団長に任命されていて、礼儀正しい騎士となっていた。私が好きだと言うと、子供の戯言だと判断され「ありがとうございます」なんて優しい微笑みで言われた時は、この気持ちに気がつくまで言い続けようと誓った。
そして母様の事をまだライナス様が好きだと思った時、私は泣き叫び子供じゃないと言いつつ子供の様に好きだと訴えていた。
そして初めてのキスは、決してロマンティックではなく、子供の癇癪を起こしてぶつかる様に私が奪った。
そして子供だった私はライナス様の顔に、一生残る傷を作る事件を起こしてしまった。私の子供じみた行いの不注意で、攫われかけ、私を庇い傷を作ったライナス様はそのまま辺境の地に旅立って行った。幼い私はただ泣く事しか出来なかった、自分の愚かさに詫び祈る道を選び、ライナス様の安全を祈る日々を過ごしてきた。
そして無事に戻ったライナス様は、逞しく精悍な大人の男性になっていた。ゲームの設定からいけば、18年も成長しているのだから当然である。私のゲームで抱いていた憧れは、確かな恋心に成長し育っていた。
そして今日、ライナス様から結婚を申し込まれた。
私はこれから、愛しい人と共に歩む未来に進んでいく。
前世から好きだったライナス様と、皆に祝福されて歩むこの道だが、全て私の願い通りにはいかないだろうが。だけど辛く悲しい出来事があっても、ライナス様と歩む道にこそ価値があるのだから。
これからの未来にも、微笑みの絶えぬ人生を共に…。
最後どう締めようか悩んだのですが、乙女ゲーム風っぽく締めてみました。
次回から別キャラルートを更新していきますが、この続きに書いていっていいのか悩んでます。
ルート事にタイトル立ててシリーズで纏めた方が読みやすいでしょうか?
良ければ感想からご意見いただけると助かります(汗)




