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ライナスルート9

こちらでは本当にご無沙汰しております(汗)

更新止まっていてすみませんでした、これからはぼちぼちですが更新復活します。

楽しんで頂けるように頑張りますので、よろしくお願いします!

さてライナス様とお出かけ出来るのは嬉しいが、何処に出掛けようか悩んでしまう。

ライナス様ってヒロインの幼なじみだから、イベントが起こっていたのって学園以外だと下町や草原なのよね。

初めてのお出掛けだからそんなところに行った日には、父様の雷が落ちて最悪ライナス様の護衛の話が無くなっちゃうじゃない。


とりあえず少しでも類似点を求めて、草原は無理でも草木の多い場所って事で王宮のバラ園に行くことを思い付いた。


「ライナス様、バラ園に行きたいです。」


ついつい力強く拳を握りこんで訴えてから気がついた。私そういえばライナス様の前で盛大に猫被ってたのに、父様のせいでさっきから猫何処かに置き忘れてる!

気持ち青くなった顔でライナス様を伺うと、指を口元に当てて笑いを堪えていた。ヤバい父様のお転婆姫という言葉に滅茶苦茶信ぴょう性を持たせただけでは、推しにこんな姿を晒してサーっと血の気が引いていく。青くなっているのに気がついたのか、ライナス様がフォローしてくれる。


「アマリリス姫、どうか2人の時は無理して大人ぶらずにありのままの振る舞いで良いですよ。俺も2人の時は気楽に接しさせてもらいます。」


ああ、推しが尊い!なんて心が広く大きいのだ、父様に爪の垢を煎じて飲ませたい!両手を胸の前で組んで推しに感謝の祈るを捧げる。


「ライナスありがとう!こんな私だけど、嫌いにならない?」


これで嫌いって言われたらマジ凹みするんだけど、ウルウルとライナス様を見つめるとプハっと笑いだした。どうやらツボに入ったそうでライナス様が滅茶苦茶笑っている、笑われているけど推しの笑顔ご馳走様です!いい男は爆笑しててもいい男なんだなーって見てると、ハッとして咳払いして笑いを堪えたライナス様がこちらを見る。


「嫌いになんてなりませんよ、こういうやり取りは懐かしいと思って笑ってしまってすみません。姫は姫らしく、そのままで大丈夫です。」


良かった嫌われていないっぽい、ホットしてライナス様を見上げる。


「姫様、バラ園までご一緒よろしいですか?」


気を使ったくれたのか、片目を瞑り片手を私に差し出しておどけた感じで言ってくれた。

そんなライナス様にトキメキが止まらない、出された手に両手でギュッと握りしめてお決まりになりつつある言葉を紡ぐ。


「はい!ライナス大好きです。」


ありがとうございますと言い微笑むライナス様、思いは伝わらなくてもこの微笑みが見れるなら良いかなって思う。

ゲーム時代は見習いだったが今は成長して副隊長まで上り詰めた大人の色気、画面で見るのと生で見るのでは迫力も違う。

ああ…至福の時間!


ライナス様を連れてバラ園までの道のりを歩いていくと、道中すれ違ってお辞儀していたメイド達が後ろで黄色い声で騒いでるのが分かった。ライナス様ファンなのかな、同士と語りたい!普段余りこの辺りをライナス様は歩かないのか、素敵と言って騒ぐメイド達に何故か私のテンションも上がっていく。

そうでしょそうでしょ!だってライナス様だもん、この麗しの顔を見てテンション上がらない人はいないさ!


気分よくバラ園に着いて散策を始めると、大輪の大きな花を付けた株があった。綺麗と思ってつい手を伸ばすと、ライナス様が後ろから手を伸ばして私の手を握りしめてきた。ドキッとして背後のライナス様を振り向くと、眉毛がここなしか下がっていてちょっと困り顔していた。


「流石に触るのは気をつけてくださいね、バラの棘が姫に刺さったらいけませんからね。」


握られた手をもう片方の手で握りしめてドキドキしてしまう、行動制しの為とはいえライナス様と触れた手が嬉しくて…。

先程触ろうとしたバラをライナス様が摘み取った、じっと見ているとバラの棘を全て取り払って私の方に差し出してくる。


「どうぞ。」


まさかライナス様から花を貰えるなんて!嬉しさで震える手でバラを受け取り、ギュッと胸元に抱きしめた。


「ライナスありがとう!大切にするわ。」


感謝を伝えると優しそうに微笑んでくれて、それを見てさらにテンションが上がる。優しい表情のライナス様の笑顔、優しそうに細められたダークブラウンの瞳柔らかな雰囲気をかもして滅茶苦茶格好いい!本当に私の推しの尊い!


貰ったバラを大切に持ってさらにバラ園を散策していくと、前方に母様が見えた。


「母様!」


声をかけて走り出すと、振り向いた母様がこちらを見て微笑んでくれた。しゃがんでくれた母様の首に手を回して抱きつくと、母様も抱き返してくれて嬉しい。

後ろからライナス様も到着したみたいで、母様が私をあやしつつ見上げる。


「ライナス、お久しぶりです。今日からアマリリスの護衛だったのね。」


首に回した手を離し母様と手を繋ぐ、立ち上がってライナス様と話す母様を見上げる。幼なじみだからか2人の会話は弾み、母様とライナス様の笑い声が聞こえる。

楽しそうな2人を見ていると、何故か私の胸がキュとして痛くなる。

この2人が話しているのはスチルでも沢山見たし、当時のスチルを生で見ているのだから1ファンとして興奮して喜んでいいはずなのに。

ふとした瞬間に見せるライナス様の愛しげな表情に、頭を殴られて胸を鷲掴みにされた様に痛む。

先程の優しい瞳を見たから分かるほど、今のライナス様の瞳には優しさでは無い熱がこもっている。


母様と私へ向ける瞳の違いは、


ああ、ライナス様はまだ母様の事が好きなんだ…。



誤字脱字変換ミスがありましたら、ご連絡よろしくお願いします!

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