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『義教記』~転生したら足利義教でした。【完結】  作者: 万人豆腐
『関東平定』 永享八年(1436)

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第九十二話 あなたのすべて:足利持氏捕縛

第九十二話 あなたのすべて:足利持氏捕縛


 既に持氏は家族諸共捕まっています。いや、仕事早いねみんな。寺に立て籠もられたりすると面倒なので、食事に一服盛らせて寝かせた。近習どもは寝ている間に皆殺し、足利持氏さん御一家は縛り上げて牢に入れられております。


「上杉憲実ら一行が到着するまでに、調べものを進めておくべきであろう」


 鎌倉公方と連絡を取り合っていた京の宿老や有力守護、国人共の書面を確保するために、近習どもは忙しく動き回っている。周泰や鎌倉五山に縁のある国人から人を借り出す手配をし、重要なものはこちらで預かり、それ以外の者は整理し、『鎮守府』に移管することを前提に進める。


――― 今日からここは『鎌倉柵』になります☆




 さて、関係者諸氏を呼んでおこうかな。先ずは、足利持氏の舅殿である簗田満助・簗田持助親子を筆頭に一族を呼び出してもらおうか。


 それと、一色直兼を筆頭に幸手一色氏(関東に残った一色家)の主だった者。こいつらも、残しておくと結城合戦や三河辺りで暗躍したり、鬱陶しい。来なければ、朝敵として足下の国人共々討ち滅ぼすと触れさせる。


 討ち死にしているが、上杉憲直の宅間上杉も呼び出す事にする。




 一週間ほどで、上杉憲実と甲斐・信濃の軍勢が到着。鎌倉に入れないので、周辺に駐留させるとしても……数が多すぎる。


「先に、軍を簗田の居城のある水海城に向かわせよ。簗田一族は鎌倉に赴き、釈明すべしとな」


 上杉憲実、甘い顔をするな。それで拗れるんだろ。


「大樹は如何お考えでございまするか」

「簗田は外戚として、また一色と宅間上杉は持氏近習として本来諫めるべきところ、自己の勢力拡大のために天下を私しようとした。よって、今後同じことを考える者が現れぬため、一罰を持って百戒と為さん」

「……」


 言わんとするところは理解できただろう。この三つの家系は根絶やしにする。赤松と山名と少弐もそのつもりだ。その魁にする。


「ご再考いただくわけにはまいりませぬでしょうか」

「まいらぬ。帝も幕府も、何度もたしなめた。憲実の顔を立て、駿河まで将軍自ら下向したが、臆したか後ろ暗いことがあるのか会おうともしなかった。叡山に呪詛の依頼をし、今川や武田が領国に干渉し分を超えた行いをした。約をたがえたことを勅使を下向させ問いただせば、勅使を弑し申し開きもせぬ。更に思い上がった事に、自分の子を八幡太郎義家に見立て、鶴岡八幡にて元服を行った。この所業のどこに、斟酌すべきところがあろうか」

「……然り……その通りでござりまする」

「ならば、早々に、あの愚か者を調子つかせた一族を引き立ててくるが良い」


 深く一礼すると、上杉憲実は踵を返しおのが率いる諸将に出陣の触れを出す。折角なので、俺の番衆と『周泰』を同行させることにする。軍監であるが、今後の関東の諸将に顔を売っておく必要も感じるからだ。





 上杉憲実の率いる関東の諸将、それと、武田信守・穴山信介の率いる甲斐の軍勢と将軍直臣の番衆が簗田の水海城に向かう。勿論、錦の御旗を掲げてである。


 ついで、鎌倉にいない幸手一色の者にも追補を送ることにする。


 上杉憲実と関東の諸将が集まり、抵抗していた簗田一族も周りの国人領主たちが加勢した結果、早々に諦めたもよう。完全にその場で死ぬまで戦う事は選ばなかったようだな。


 関東は、古くからの婚姻関係で族滅させるほどは戦わないのだろうか。結果として継嗣がおらず途絶えることは有っても、殺しつくされることが無かった故に、秀吉の関東征伐でえらい目に会うんだろうな多分。


 後北条は、条件闘争の「え、これだけでいいんですか!」政策で支配下に収めて行った気がする。三公七民は安いよな。その代わり、「小さな政府」で守らないけど降伏して敵側に付いても後で責めないよって事だったのだろう。風見鶏を許さない圧倒的中央集権は秀吉が初体験だったと思われる。


 肥後の国人一揆で佐々成政が詰め腹切らされたり、関東も家康江戸入府後も大変であったと思われる。一揆起させないようにするのはね。


 結局、刀狩や朝鮮征伐で無駄な軍事力を削がないと安定しなかったのは仕方がない。それが関東だから、家康は渡海しなかったけどね。


「さて、足利持氏と対面なさいますか」

「うーん。もうちょっと待たせておけ。女子供は先に京へ送るが良い。時間もかかるであろう」

「承知いたしました」


 こっちで情がうつって逃がされたりすると困るからな。縁者や手引きをする者が現れぬとも限らない。人質も兼ねてさっさと京へ送ってしまおう、そうしよう。






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