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『義教記』~転生したら足利義教でした。【完結】  作者: 万人豆腐
『籤引将軍』 正長元年(1428)
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第八話 風は止んだ:内政チートは難しい

第八話 風は止んだ:内政チートは難しい


 重子とも頑張っています。さて、毛もチクチクと伸びているので触ると微妙な感触だと揶揄われますが、宗子さんも肥立ちが順調なので何よりです。


「……すぐに次の子も産みますから」

「姉様、わたくしがお相手しますので、少し休まれては」

「いいえ、何人でも正室の子供はいて損はありません」

「そういう、焼きもち焼きは煙たがられますわよ」


 そうです、ツンデレ宗子は焼きもち焼きなのです。それを揶揄う妹重子は性格が悪い典型的なゆるふわ悪女なのです。まあ、両方いいよね☆


「最近、胸も大きくなりました」

「赤子が吸えば元よりも縮みますわ」

「その間に、次の赤子を孕めば問題ありますまい」


 何その永久出産攻撃。そんな豊胸術嫌だよ。母乳が出るってどんなプレイなんだよおい!


 さて、どうやら小松君は代始改元なら応じるということで、元号が正長に変わったよ。応永十九年に今の帝に代替わりしたんだけど、その時幕府は改元を許さなかったんだって。まあ、意趣返しされたって事かね。


 さて、色々考える前に、歴史上義教が行った数々のイベントを抑える必要があるんだろうね。どの道、将軍宣下まであと一年近く時間はある。確か、今上帝は改元の三ケ月後くらいに亡くなるはず。その後、散々、新帝の為に幕府に金を出させてからの宣下のはずだ。


 まあ、この即位に関わる事でもいろいろなところに揺さぶりをかける。まずは、全国の守護にカンパを申し付ける。え、そりゃ、天皇即位に掛かるお金を出させてあげようって事じゃない?お返しは官位とかになると思うよ。どう、嬉しいでしょ?


 なんなら、二口三口と増やせば、更なる美味しい官位が自分の配下の守護代や息子に与えられるかもしれないね。そしたら、嬉しさ二倍三倍になるじゃない。


 因みに、関東管領の管轄の守護には、持氏君に添状を書かせようと思う。将軍様の有難い御教書に、現場監督の君の手紙を添える栄誉を与えよう。


 ついでに、しょぼい寺社に横領されている御料地を幕府が取り戻して差し上げよう。なに、嫌われるのは赤松君だ。実務を学ばせるために幕府奉公衆から同じくらいの数動員して同行させよう。見てるだけだが、将軍の命、ひいては帝の命であることも伝わるだろう。


 実力を持って奪ったものは、奪い返されても文句はないよね。よろしい、ならば戦争だ!! と言えば良い。


 使われるだけではつまらんので、精々朝廷に協力して実益のあることをしようじゃないかと思う。今回、カンパしない奴らは、朝廷や幕府を軽んじているという事で、訴えがあった場合も軽んじてもいいんだよねと、対応することにしよう。それに、言いがかりをつけて討伐するのもいいだろう。できれば、畿内に近いところの守護が逆らってくれると助かる。


 地方でも、嗾けるのにちょうどいいかもしれないね。


 持氏君とか、積極的に逆らうがいいさ。


「さて、姉様のお体に障りますからそろそろお暇しましょうか」

「宗子、良い子を産んでくれ」

「任せておきなさい。バンバン生むわよ!!」


 おう、頼んだぜ。女男で交互に十人位産んでくれると良いな。家康は十一男五女だったかな。側室も多いが子も多い。それに、十一男は六十の時の子供だし……頑張った、感動した!!


 俺も負けておれん。というか、負けてないんじゃないかな……信長も子沢山だったしね。まあ、出来が悪いこばっかだったけど十一男九女だよ☆ 天寿を全うできたなら倍は行けたかもしれない。九女は信長の死後出産されているからね。因みに、蓮如は十三男十三女で五人の奥さん全員……死別で正妻だ☆


 さて、その為にも今後の家族計画……ではなく、政策を考えなければならないよね。


 関東公方足利持氏が討滅されるのが十年後。その前に、箍の緩んだ京近郊で正長の一揆が起こるはずだ。そして、南朝の生き残りと組んだ奴らが騒ぎを起こすんだよね。つまり、畿内の安定こそが重要という事になる。その為には、将軍が直接的な即応部隊を持たないとだめだよね。その財源を考えよう。


「朝廷」「幕府の合議制から将軍親政」「軽輩からの抜擢人事」「管領の権限縮小」「軍事力の育成」「財源の確保」「関東公方」「南朝方の残敵討伐」「社寺関係」「畿内の安定」「勘合貿易の再開」……やる事盛りだくさんだね。


 史実において、この全てにおいてある程度それも僅か十年で結果をだした義教は、信長以上に天才だったのだろう。大体、「湯起請」で神意を得るとか……どんな魔女裁判よと思うような解決方法で敵対する者を排除したりするエキセントリックな男なのだ。


 だから、最後には満祐君に惨殺されているわけで。でも、帯同していた管領たちも同様に殺されているから、ある種カリスマ的な人であったのだと思われる。が、理想主義的過ぎて、それ以前に将軍の周りで権力を握っていた存在からすれば、自分が死ぬか相手を殺すかの二択になるような恐ろしい存在だったんだろうね。


 俺? 現実的に考えて……長生きしたいと思います。ただし満祐、テメェは駄目だ。


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