表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『義教記』~転生したら足利義教でした。【完結】  作者: 万人豆腐
『還俗将軍』 永享三年(1431)

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

43/120

第四十二話 真相腕打振:鎌倉公方不要論

第四十二話 真相腕打振:鎌倉公方不要論


 関東分国の序列・支配体制。関東は鎌倉府が治める。管轄国は「関東御分国」と呼ばれ、相模・武蔵・上野・下野・常陸・上総・下総・安房、それに甲斐・伊豆が該当した。約二百四十万石。これらの国の大名国人衆は鎌倉公方に仕え、上京ならぬ「上倉」し勤仕していた。


 京に守護が集まるように、鎌倉府にも分国内の守護らが住んでいたわけだ。


 京の将軍と鎌倉公方は『御両殿』と呼ばれ、「天子の代官」と位置付けられた。などと言っているが、実際は幕府の出張所なわけです。将軍の部下の一人に過ぎないんだな。だって、関東管領の任免権持ってるの誰か考えれば理解できるでしょ?


 要するに、関東管領が実務の責任者で室町将軍の任命を受けて関東の差配をしているわけだ。それが面白くない関東の地侍どもは、足利将軍の遠縁の男を担ぎだして関東管領に逆らうわけだろ?


 まともな知能があれば、「あ、これ俺が利用されているだけだ。余計な混乱を生まないように名誉会長みたいなポジションで頑張ろ」って思うわけだ。何代も前に京から下ってきて、将軍の代わりに署名するだけの簡単な仕事で、実務は足利家執事の上杉の家業なんだから。べつに、尊氏の四男の

家系じゃなくても『鎌倉殿』は良いわけだよ。


 元々指示系統は、将軍(名目上鎌倉殿)-関東管領-関東分国の武士と言う統制なんだろうが、自分が関東のトップと思うからおかしなことになり、そのことを利用されているから「京」と「関東」に別れて云々となる。


 鎌倉公方の世襲は根絶します。代官で構わないじゃんね。それこそ……坊主の息子でもいいんじゃないかな。法親王的な将軍の息子。




 山内上杉家の管領、扇谷上杉が評定奉行・小侍所を務める武官の最上位、政所執事の二階堂、侍所頭人の千葉に、管領家宿老の長尾氏・大石氏・太田氏・上田氏が守護代みたいな存在だな。後北条と対立して滅ぼされた大石氏や終始対立した太田・上田氏は立場からすれば当然だな。


 扇谷上杉の家宰太田氏は相模国守護代を務めている。


 『御一家』という鎌倉公方の一門の吉良氏・渋川氏・一色氏らがいる。が、相伴衆みたいなもんだな。


 山内上杉は上野・武蔵・伊豆の守護、相模が三浦氏、安房が小山氏、下野が結城氏、常陸が佐竹氏、下総が千葉氏が守護を務める。


 守護は、正月に鎌倉公方を自宅に招いて饗応ができる身分だ。つまり、本質的に鎌倉公方とは『神輿』そのものと言える。


 山内上杉以外は外様であり、守護以外の有力国衆に小田・宇都宮・那須氏がいる。



『奉行衆』として野田・木戸氏(宿老格)梶原・二階堂・本間ら(御所奉行)が鎌倉公方の周りを固める。京なら「番衆」と呼ばれる存在だろう。




 国人とその下の身分である地侍の一揆(在地勢力)が存在し、国人は鎌倉公方に「座敷内」で対面できるが、一揆衆は縁先でしか対面できない。この辺り、直答できるかどうかという身分差も関係しているのだろうな。国人……豪族クラス、地元の有力者ということなのだろう。


 関東管領山内上杉の守護を務める三か国で関東の石高の約四割を占めていることから、鎌倉公方との力関係・室町将軍と関東管領の関係を考えると可哀そうな立場でもある。この管領も、まともに将軍と分国内の武士との関係を繋げようとするととても大変なことになる。


 鎌倉公方は血縁で前任者が好きに後継を任命できるが、関東管領はそうはいかないので、将軍に対するスタンスに差が出るのだ。そりゃ、関東管領と京扶持衆は、鎌倉公方と在地の国衆たちと話が合わないわ。勝手できない組と、勝手にやろうぜ組で別れることになる。


 だからこそ、鎌倉公方という存在自体が邪魔なんだよ。





 お話の続きが気になる方はブックマークをお願いします。


「更新がんばれ!」「続きも読む!」と思ってくださったら、下記にある広告下の【☆☆☆☆☆】で評価していただけますと、執筆の励みになります。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

参加中!ぽちっとお願いします
小説家になろう 勝手にランキング

― 新着の感想 ―
[一言] 関東は源頼朝が本拠地を置いた武家にとっての聖地ですし、坂東太郎(利根川)が居る黒ボク土の向こう側と将門の頃から中央の威光が届き難い厄介な土地ですよ。事ある毎に坂東太郎が暴れ回り、富士山もこの…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ