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『義教記』~転生したら足利義教でした。【完結】  作者: 万人豆腐
『将軍宣下』 正長二年/永享元年(1429)
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第十六話 伝えたいことがあるんだ:所司代

第十六話 伝えたいことがあるんだ:所司代


 何だかんだで将軍になることができましたセンキュ!


 ついでに、娘も生まれました。むしろそっちが大切です。名前? 足利将軍の家の娘だと足利義晴の娘が若狭武田氏とか嫁いでいるけれど、意外と生前の名前の記録が無いらしい。なので、どういう名をつけるかは……イマジネーションだよ。


「真理姫でございますか。可愛らしいお名前でございますな」


 という事にした。音は「まり」だが、真理に至るという意味も重ねている。俺の初めての子供に相応しい名前だろ? 何それ、失礼しちゃうわ。


 まあ、今のところ寝たり起きたり目も空いているかどうかも分からない段階だから、たまに顔を見による位なもんです。重子嬢が「わたくしもぜひ」としつこいです。いや、将軍になって夜の仕事バッカじゃないんだよ俺。





 満済さんそんなしかめっ面しなくてもいいじゃありませんか。


「……左京太夫殿の所司代の任を解くと」

「そうそう。侍所の執事はそのままで構わない。だが、先年の土一揆の対応は頂けない」


 情報を収集し、一揆を未然に防がないなら別に委ねる必要ないよね。一揆が来たら武力で鎮圧なら、治安維持を行っているとは言えない。


「責任取ってもらいましょう。それに、しばらく播磨の治安回復を優先してもらえる。大事な侍所の頭なのだから、万全の状態で任に当たって貰いたいという慮りもある」

「……なるほど。して、後任は如何に」

「蜷川新右衛門を補任する。配下には番衆を月交代でつかせることにする。幾人か、所司代配下の者に引き継ぐをさせるか、一二年、こちらで預かることで調整を図ろうかと思う」

「なるほど。京の治安の回復を公方様の第一の仕事となさるわけですな」


 そうそう。だって、朝廷を護ってこその征夷大将軍なんでしょ?それが出来なくなった義輝や義昭は臣足らずとばかりに見捨てられたじゃない。この行動を阻止する合理的な見解は見いだせないはずだ。


「何の実績もないと、還俗将軍だ籤引将軍だとずっと侮られることになる。将軍の権威の回復も幕府にとっては重要なのではないのか」


 そうでしょう。管領って将軍の補佐役だからね。補佐役が頑張っても、本来の将軍が今一なら支える方も容易じゃないでしょ。だから遣りたがらないというのもあるはずだ。将軍がしっかり権威を保てれば、遠い親戚が『我こそ将軍に』などと寝言を言って反乱を起こす事もなくなるはずだ。


「一先ず、私から金吾様と武衛様に話をいたしましょう」

「よろしく頼む」


 という事で、所司代は蜷川新右衛門さんにお願いすることになりそうです。





 信長が置いた京都所司代と室町幕府の『所司代』は似て非なる組織なんだね、知らなんだ。


 所司代は侍所頭人(所司)の代官なので所司代という事になる。侍所の頭人は四職の家から出るので、現在は赤松満祐の重臣の某が担当していることになる。


 その後、応仁の乱で侍所が機能停止した以降も、所司代は存在し、将軍警固・京都市中での検断権行使・盗賊追捕などの武力行使の場面で活動することになるのだが……これっておかしくないか。


 侍所頭人? 執事をジョブローテで四職の家のものが務めるのは分かる。山城に近い場所から自分の配下の者を連れてきて活動するのも分かる。で・も、自分の領国で土一揆発生させて慌てて兵隊率いて播磨に戻る犬野郎が俺の警固をまともにしているわけがない。だろ?


 いや、奉公衆だって暇だし、なんなら警固役以外も京の治安維持活動を行う分の増員すればいいだけだろ。番衆の中から江戸町奉行みたいにローテで回してさ。あれ、一月交代で南町と北町で担当していたんだよ。南と北に別れていたわけじゃないからね。事務処理が二つに分かれていただけ。


 月番役とかにして、十二ケ月だから、とりま六番衆を作ってだな、半年に一度担当させる。ローテだから癒着も大変だ。袖の下六人分だろ、無理だね。ほら、問題解決じゃん。パグを追い出して番衆を活用する。


 大体、なんで警視庁の管轄を兵庫県警に任せなきゃならんわけ。あほか。


 まあ、そんなわけで話をしていきましょうか。





 赤松君の欠席裁判で、なし崩しに京都所司代の交代が確定しました。番衆とは話を勧めて行かないといけないんだが、赤松君の家士共が京で我が物顔であったのが幕臣連中には腹立たしかったようで、新将軍GoodJob!!貰えたようです。


 さて、次はう〇この回収の仕組み作りからかな。これって所司代から奉書を出せばいいのか、公式の通達になるんだろうか。応相談だな。


 

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