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『義教記』~転生したら足利義教でした。【完結】  作者: 万人豆腐
『嘉吉の乱』 嘉吉五年(1441)
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第百十話 キラキラ:大友親綱家督を継ぐ

第百十話 キラキラ:大友親綱家督を継ぐ


「さて、大友はどう出て来ましょうな」

「一つ当たって見てもらおうか。大友の一族も一枚岩ではない。こちらとしては和戦両様で仕掛けているのだから、内応する者もいるので時間を掛ける。和戦の『和』を教佑、『戦』を大内教弘らが務める事になるだろう」


 義父としては、そこそこ手柄を立ててもらいたい。そうすると、京で武名も上がり大姫も安心して嫁げるし、嫁の七光りで官位を授けられたのではないと示す事も出来る。


 一度受けた官位なら、後々その官位までは子孫が受けられるのであるから、今がチャンスなのだ。


大内義弘が従四位上、大内盛見が 従二位上左京大夫なので、このところ大内の家格は上がっていると言える。


「大友持直はいかがでましょうや」


 歴史的には大内盛見を敗死させた大友持直は、怒りの守護職剥奪を受け代替わりし、大友親綱が後を継いでいるのだが、この世界ではそれは行われていない。大友親綱は菊池持朝が養育していた傀儡だな。


 幕府の重臣を殺害した『賊』として討伐したいからな。優しさMAX!!


「既に、有力国人の日田氏・佐伯氏は本領安堵にて恭順しておりまする」

「海部郡臼杵氏も恭順致しましてござりまする」


 臼杵は日向に近い方だしな。ここは安堵だから問題なく降る。


 反対に、大友庶旈の田原・志賀・詫摩氏辺りは徹底抗戦する気なのだろう。少なくとも朝敵ではなく、更に所領没収の可能性を考えると抵抗する気満々だ。


 田原氏は『国東郡』を領する氏族なので、細川領確定。そこは徹底抗戦だろう。


 庶流吉弘氏は国東郡都甲荘に本拠を持つ。当代の石見守綱重は田原氏と共に抵抗中である。




 志賀氏は臼杵の西、肥後に近い『大野郡』が本拠。ここは別動隊の菊池持朝が『大友親綱』を引き連れ侵入している。早々に内応し、降っているので本領安堵となり、親綱の側近にでもなるつもりだな。


 隣接する『直入郡』本拠の庶流田北氏も志賀氏に連動。動き始めている。また、庶流戸次氏は、以前今川了俊が九州探題に下向した頃、幕府奉公衆であったが、守護の権力を強める大友宗家から勢力を削られ本貫戸次庄も失った。大野郡に逼塞していたのだが菊池軍に呼応、大友親綱の下に馳せ参じている。本領回復を願っているのだろう。


 この時期、幕府の力も跳ねのけ、配下の国人たちをも圧迫して失敗しつつあった大友は、大内の脅威が薄れた段階でかなり強引な国人圧迫を行い総すかんを喰らったようである。まあ、時間を掛けるというのは大事だね。




 将軍親征の軍が門司に上陸し、南下を始めてから二週間ほど。先鋒の播磨衆は抵抗激しい国東郡の城をいくつか落とし時間を掛けながら、降伏を促す手書きを出しまくる俺。常に硬軟両様である。


「南の国人領主、大半の地侍は本領安堵で降るそうです」

「あとは、この辺りの大友庶旈の国人をいくつか排除してしまえばいいか」

「地侍が協力したいそうです」


 教佑が指で丸を作る。


「そうだな、どの道大友から回収することが出来る金だ。出してやれ」


 地侍どもは、当然敵側に籠る地侍に親類縁者・友人知人がいる。『こっちのみーずはあーまいぞ』と声を掛ければ、降るものがどんどん増える。守る兵がいなくなれば、堅固な砦も城も無用の長物となる。


「大樹が何度も降る事を説かれておりますれば、残れば賀茂の河原で斬首、降れば安堵と知られておりますから、降るのも当然でしょう」


 いや、今回はそこまでやらないから。まあ、国人領主で反抗した奴らは処刑かな。だって、盛見の仇じゃんね。俺が良くても、大内の衆は納得行かないだろうさ。




 さて、大友親綱が大友の家督を継ぎました。安堵状の発給やら大友の残される所領の確認などで意外と忙しいんだよ。大友持直と吉弘氏綱重は京に送られ……斬首かね。田原氏の上の者たちはほぼ播州侍どもに殺されて生きていないかな。


 大友の件は豊後分郡守護の細川と肥後の菊池に任せ、俺と大内一家は博多へと向かう。博多を接収し、筑後と肥前を回復しなければならないという理由だ。


 言い換えれば、九州探題職が機能していないので、この二国を再編成し、筑前半国と筑後、肥前を『鎮西将軍・九州管領』の支配地として再編する感じだろうか。京扶持衆とか配置した方がいいのかね。


 大友の家臣にも奉公衆がそれなりにいたので、この辺りの国人を外様衆辺りにするのが良いのかもしれない。



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