表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『義教記』~転生したら足利義教でした。【完結】  作者: 万人豆腐
『畿内融和』 嘉吉二年(1438)
101/120

第百一話 渚 ふたりで:大内教弘と大姫真理

第百一話 渚 ふたりで:大内教弘と大姫真理


「我が大姫では不服か?」

「そ、そのようなことはござりませぬ。畏れ多きことにございまする」


 大内教弘が正室に俺の大姫『真理』をどうかと今、大内持世に打診中。歴史的には、俺もこいつも嘉吉の乱で死んで、後を継いだ教弘は、山名宗全の影響下に入り、同じく死んだ石見守護の山名熙貴娘を正室にすることになる。一時期大内は衰退するわけです。


 ところが、この世界では、俺の娘婿が惣領になるわけで、そのまま九州に攻め入らせたいくらいなんだが、準備はまだまだするからね。


 室町第には、娘たちもいるので顔合わせもしようかと思う。宗子も娘の夫が気になるだろうからな。教弘は因みに、尹子と帝と同じ年だ。




 席を改め、俺と宗子、尹子そして真理と太郎次郎を大内親子に会わせることにする。


「初めてお目にかかりまする。大内刑部少輔持世にござりまする。

こちらに控えるは我が嫡子、大内左京大夫教弘にござります」

「左京太夫教弘にござります。御台様、姫様、若様、お見知りおき下さりませ」


 親子は深々と頭を下げる。


「さて、大樹。この見目麗しき若人が大姫の夫となる殿方でござりまするか」

「左様。新御台と同じ年である」

「まあ、では帝とも同じ年ではござりませぬか。これは、近しい年の方がおらっしゃって嬉しゅうござりまする」


 いや、ほら、大御台の宗子ママはかなり年上だから。気にしてるから!


「真理の母です。山口は京と似たとても良い場所だと聞いておりますが、誠でしょうや」


 まあ、小京といってもこの京と比べればかなりスケールは小さい。が、冬寒く、夏くそ暑いという事はないと思うぞ。


「山口は西ノ京と呼ばれておりまするが、明や朝鮮からの学僧や商人も訪れまする故、少々変わっておりまする」

「なんと、明人もやってくるのか!」


 太郎次郎、子供だからしょうがないね。お前は顔見世だけなんだよ。


「はい。若様も大きゅうなられましたら、山口を訪ねてくださりませ」

「必ず、明人にあわせてたも」


 いや、見た目只の坊主だし、五山には結構いるぞその手の坊主。


「九州が落ち着けば、大内も京に滞在するようになる。なれば、大姫がそなたらと会う事も容易になろう」

「それは楽しみなことにござりまする」

「山口は船を使えばさほどの時間はかかりませぬ。何しろ……堺に大軍を上陸させ京に押し入ろうとしたこともござりまする」

「おおこわ!」


 いや、それ自虐になってないからね! 大内義弘は持世の父親だし、教弘の伯父なんだからさ。


「これからは東の駿府、西の山口とは船でも街道でも太くつながるようになるであろう。奈良へ向かいのとさほど変わらぬようになるであろう」

「まあ、では花見にも行けましょうや」

「それは無理でしょう」


 確かに、ツッコミどころ満載です。君たち、京から基本でないからね。生まれてから死ぬまでこの場所で生きていくのが貴族だから。




 大内親子が下がり、家族だけの時間となる。


「お父様、私は山口に行かねばなりませぬか」


 まあほら、心細いよね確かに。まだ七歳だろ?


「そうだな。だが、兄弟皆京を出て様々なところで帝のために働かねばならぬのよ。それが武家の務めだ」

「務めに……ございまするか……」


 大姫は「あなたはお姉さんなんだから」プレッシャーを受けて育っているので「務め」というキーワードに敏感なのだ。


「鎌倉公方は務めを果たさず、己が欲の為に諸将を惑わせ世を乱した故に処罰された。つまりはそう言う事だな」

「そう言う事でございますね……」


 真理は聡い娘だからな。まああと五年くらい先の話だ。


「その前に、九州を平らげ、お前の夫が戦働きせずに済むようにするから安心するが良い」

「……お父様が向かって下さるのであれば、左京様もご安心でございましょう」


 左京太夫から『左京様』ね……まあいいか。可愛らしい呼び方であるから問題ない。真理はこれから左京と互いに文を出し合う事にしたという事だ。顔を合わせる事は難しが心を通わせることは出来よう。それに、美しい文を書くのも御台の仕事であるから、よく練習するべきだな。



 お話の続きが気になる方はブックマークをお願いします。


「更新がんばれ!」「続きも読む!」と思ってくださったら、下記にある広告下の【☆☆☆☆☆】で評価していただけますと、執筆の励みになります。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

参加中!ぽちっとお願いします
小説家になろう 勝手にランキング

― 新着の感想 ―
[気になる点] >>大内教弘が正室に俺の大姫『真理』をどうかと今、大内持世に打診中。 大内教弘”の“正室では?
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ