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5 目指すは幸せな結婚です!

「・・・それで、お嬢様。今日はどうなさったのですか」

一切顔の筋肉を動かすことなく問いかけてきたこの美少年の名はニコラス。さっきも言った通り、私の執事で・・・、攻略対象だ。


私、今大混乱してます。なににって?あろう事か、すぐ近くに攻略対象がいるなんて重大な情報をすっっっっかり、忘れてたことによ・・・!!って言うか家帰ってもイベントなんてほぼ無かったし存在自体忘れてた!

しかも、よりによって・・・。こいつの役どころはヤンデレポジション・・・。

なんで忘れてたんだろ。やばいよね。非常にやばいよね!!

私は冷や汗ダラッダラでニコラスの問いに答える。

「べ、別にちょっとめまいがしただけよ。お父様への報告はいらないわ。」

ちょっと声が裏返った気がしなくもないけどそこはスルーの方向で。

そんなことより今は、お父様への連絡を阻止することが最優先事項よ!!!!


さっきニコラスが言っていた主様、というのはお父様のこと。

お父様は私が全自動(オートモード)のときから(オートモードじゃなくなったの今日だけど)私に甘々で、私が欲しいといえばいくらでも物を買い与え、気に入らない相手がいる、といえばすぐに潰しにかかるほどの親バカだった。

今は仕事の関係で遠くに住んでいるけど何かあったらすぐに連絡が行くようになってるし、何もなくても月に1度は必ず連絡するように義務付けられている。


それほどの親バカだからこそ、私が倒れて保健室に運び込まれたなんて情報が耳に入ったら今やっている仕事を無理やり終わらせてでも帰ってきかねない!!

それはちょっと部下の方に悪いし、何よりも私がそんな状況耐えられない!!

全自動(オートモード)の私はお父様の甘々な感じが大好きでよくオネダリしていたけど今の私にとって、それはただの羞恥プレイです・・・!

だってお父様、人前で「イリーナは天使のようだ。いや女神か」とか言って頬ずりしてくるのよ?!!

絶対無理!!全自動(オートモード)の時はどこか他人事だったけど今は無理。お父様がイケメンなのも更に無理!!

だからこそ、お父様に報告されるわけには行かないのです!


「・・・分かりました。それなら報告は控えます。ちなみに本日もハルロド様がお嬢様を送ってくださったんですよね。お礼の品はいつ渡しますか?」

どうやらお父様への報告を諦めたらしいニコラスは疑問形のクセに決めつけるようにして聞いてきた。


「え、別にいつも通り帰ってきたわよ?ハルロド様は一人で先にお帰りになられたし。」

「は?」

その言葉に今まで一切表情筋の動かなかった顔が初めて引きつった顔になった。

「お、お嬢様。とうとう取り返しのつかないことを・・・。ハルロド様がそんなに怒るなんて・・・」

そのままニコラスは心なしか青ざめながらブツブツと考えごとをしている。

・・・ん?あれ?これ、なんか勘違いしてない?

ニコラスの呟きを耳をすまして聞いてみると「なにをやったんだ」とか「このまま婚約破棄か?」とかが聞こえてきた。


私は自分の困惑した顔がスンッとなるのがわかった。悟りを開いた顔ともいう。

あーーー、そーでした、そーでした。

私、全自動(オートモード)の時は仮病した時いっつもハルロド様にしつこく一緒に帰りましょうって迫って無理やり一緒に帰ってたんだった・・・。


それが今日は1人で帰ってきた、なんて聞いたら私がなんかやらかしたと思うよね。うんうん。わかるわかる〜。

・・・・・・はぁ。しんど。


まぁ・・・、とりあえず誤解を解かないと。


「あー、ニコラス?ちょっと勘違いしてるようだけど、私は自分の意思で1人で帰ってきたのよ?嘘だと思うのならハルロド様に聞いてみて。だからお礼の品もお詫びの品も用意しなくて結構よ。」

「・・・了解、しました」

・・・とは答えたものの、ニコラスは全く信用していないようでわかりやすく顔に信じてませんとでている。


・・・まぁ、事実確認は自分でやるでしょ。これでも優秀だし。


私は諦めて自分の部屋へと向かった。




◇◆◇



さて、と。

私はしっかりと自分の部屋に鍵をしてふっかふかの天蓋つきベッドに飛び込んだ。


おっしゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!夢じゃなかったよぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!!

全自動(オートモード)がとれた今、私は自由!!Freedom!!そう!何だってできるのよ!!!!!!!


ふふふ、何をしよう?



まずは〜、死亡フラグの回避。うん。これは絶対だよね。

あとは・・・、婚約破棄とかいいかもしれない。ハルロド様は私の推しじゃないし。

ていうか、実を言うと前世での私の推しは屁理屈理系男だったけど、好きだった理由って言うのが私と違って誰にでもいい顔しない所が好きだったからって言うものなんですよ。でもそれを3次元で見ちゃうとただの頑固者の分からずやっていうことが分かってこの世に推しとかもういねぇ。誰か私に癒しを。

圧倒的に供給が足りない。いやぁぁ。



いかんいかん、話がずれた。

とにかく私は癒しが欲しいの。あんな一緒にいるだけで胃がキリキリするようなやつこっちから婚約破棄よ!

いや、婚約破棄はいけないね。ゆっくりと円満に婚約を解消すれば・・・。


ん、でも待てよ?私は正直貴族の暮らしはもう嫌だ。全自動(オートモード)が切れた今、前世OLの私にとって面倒くさい事が多すぎる。


あと、貴族の間で私の評判は地を這ってる。どうせ今の婚約者、ハルロド様と結婚しなくても、このままだと愛のない政略結婚をするか、キモハゲデブ伯爵に嫁がされるかだ。


自分で考えて鳥肌がたった。愛のない結婚、ダメ、絶対。

いや、最悪お父様のあの溺愛っぷりを見ると一生家で可愛がられそう・・・。


それだけは絶対に嫌!!!


そうならないためにはまず、平民落ちするのが一番ベストよね・・・。

となれば、処刑されない程度に王族への不敬を働くしか・・・。

ちなみにハルロド様は王族。というか王子。

・・・ということは?今より少しヒロインへのイジメを軽くしてそこそこにハルロド様に嫌われれば平民落ちくらいの処罰ですむのでは?!となれば、婚約解消なんて平和な方よりは婚約破棄の方が平民落ちしやすそうね!


よし!私の方向性決まった!平民落ちして幸せな結婚する!!

テンプレだって?いいんだよっ!私は私の幸せを行く!!






私的にはやっと本編入れる・・・(´Д`)

みたいな感じですw

ブックマークありがとうございます!


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