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17 波乱は波乱を呼びまして

天界から帰ったらめっちゃ騒ぎになってた。

「あ、やべぇ。時間操作すんの忘れてた」

隣でアーネストが面倒臭そうにつぶやく。どことなく疲れているのは天界から帰る時に神様にめっちゃ引き止められたから。

結局、近いうちに遊びに来ることで落ち着いたけど・・・、凄まじかったぜ。最後の神様の粘りよう・・・。

アーネストは私よりもよっぽど神様の相手に疲れたようで心底しんどそうに小さく呟く。

「はぁ、今から天界に帰って時間操作してくるか・・・」

ちょっと気の毒なので助け舟を・・・っと。

「別にいいんじゃない?多分そんなに怒られないよ」

「え、怒られるだろ」

疑わしい目でアーネストが私を見るので私は自慢げに笑い返す。

「ふふ、これでも私、権力はもってるのよ。教師なんてねじ伏せてしまえばいいのよ!!おーほっほっほっほっ!」

「・・・お前、なんかキャラ変わってるぞ」

アーネストの引き気味な声が聞こえたのでコホンと小さく咳払いしてふざけるのを辞める。

「いや、もうゲームのしがらみを気にするのはやめることにしたから最後に悪役令嬢っぽいこと言ってみよっかなぁ〜、と思って。」


アーネストは何も言わない。つまり沈黙。


・・・何この沈黙!ちょっと恥ずかくなってきた・・・!


自業自得だけどひたすら羞恥に耐えていると上から噴き出す声が聞こえた。

「ぶっ・・・!お、お前・・・、悪役令嬢っぽいことって・・・!それかよ!!演技、下手・・・!てか、笑い方・・・、きもっ!」

笑ってる合間合間に喋るのでいまいち文章としては聞き取りずらいけどバカにされてることはよぉぉぉぉぉぉぉぉく分かった。


「よろしい、ならば戦争だ」

「何でだよ」


◇◆◇



「・・・は、はい。分かりました。それじゃあ出席したことにした方かいいですよね?」

「え?それはいいわよ。それだとズルになっちゃうから真面目に授業を受けた人に失礼だわ。」

「・・・・・・へ?」

「なに?」

「ひぃ!いえいえいえ!分かりました!!それではご報告ありがとうございました!」

「ええ。」


怯える彼女をそのままにして私は職員室を出た。



・・・さてさて、実は今の会話教師と生徒の会話なんです。

え?どっちが教師かって?敬語使ってる方が教師です。

そしてタメ口なのは、わ・た・し♡

はい、気持ち悪いですね、すみません。

なぜ私が職員室にいたかと言うと単純な話で時間操作してなかったせいで私達は1時間くらい学園から消えたことになっているので適当に言い訳をして誤魔化しに来た。

そしたら気が弱いの女の先生が私の眼光(そんなもの光らせた覚えはないのに)に怯えてしまって授業に出席したことにしておくとか言い出したから今さっき拒否したところ。

それだと全自動(オートモード)の時のイリーナとやってる事変わんなくなっちゃうからね。


私は職員室をでてから壁によっかかって待ってたアーネストに近寄る。

「アーネスト、案の定大丈夫だったよ〜!」

「さすが、悪役令嬢」

わざとらしく驚いくアーネストにムカついたので私はアーネストの脛を蹴る。

「ってぇ!なんで蹴るんだよ!」

「アーネストの言葉に傷ついた」

「嘘つけ、お前のハートはそんなんで傷つかないだろ。ハートは龍の鱗より強靭で脚力は崖を駆け上がり、腕力はあらゆる骨を粉砕するくらい強いだろ。」

「どんな表現?あと、多分それはどこかのゴリラと間違えてるよ、私はそんなバケモノじみてないですよぉーー!」


アーネストと2人でふざけ合いながら廊下を歩いていると後ろからガッと肩を掴まれる。

「イリーナ・アナベル」


誰の声なのかはパニックで分からないけれど必死に令嬢モードに言葉遣いと頭を切り替えて後ろに振り向く。

「あら、先生。ご機嫌よう。」

後ろにいたのは仏頂面をしたザハール先生だった。

私がぺこりと頭を下げるも先生は無言でこちらを睨みつけるばかりで何も言わない。

気まずいやらなんでこんなことになってるのやらでアーネストの方を見るとアーネストも訳が分からないと言った顔で先生を見ていた。


「イリーナ、アーネスト、お前らの担任は誰だ?」

「ザハール先生です」

やっと口を開いてくれたザハール先生に素直に答えると先生は大きく頷く。

「なら、職員室に入った時、なぜ真っ先に俺の方にこない?」


ぎ く り


実はこれには訳がある。というのもザハール先生は私に全く物怖じしないタイプの貴重生物ゆえに普通に連絡もなしに授業を欠席したら怒られちゃうかな、と思ってわざと気弱そうな先生を狙って話しかけた。


まぁ、その作戦は全く意味をなさなかったようでここで捕まってるわけですけどね。


「い、いやぁ。職員室にいらっしゃられたのですね?失礼致しましたわ。そうとは知らずに、ねぇ?」

気まずすぎて私はアーネストに目線で助けを求める。


「お、おぉ。そうだな。全く気づかなかったなぁ」

アーネストめっちゃ棒読み。

だがまぁ、これで逃がして!先生!!


「アーネスト、お前はまずまず職員室に入ってないだろう。入ってきたのはイリーナ・アナベル、お前1人だけだ。」


・・・ちっ!アーネスト全然役に立たねぇじゃねぇか!


「そ、そうでしたっけ?私ったら気が動転していたみたいですわ・・・。今度からは気をつけますね、先生」

私は少ししおらしく先生の方を上目遣いで見る。

「ったく・・・。その目やめろ、ガキがいっちょ前に色づくんじゃねぇよ。」


・・・ちっ!こいつはこいつでムカつくぅぅ!!!中身は立派な社会人だっちゅーの!下手したら先生より年上だわ!

てか前世と今世の年合計したらもう・・・、ひいっ!恐ろしい!!


ていうかここまで美少女の上目遣いあしらうとか・・・、こいつできますね。さすが攻略対象。


「うふ。それでは先生、失礼致しますね。」

さり気なーく逃げようとアーネストの手を引くとその反対の腕を先生に掴まれる。

「まてや。何ごまかそうとしてる。お前らどこいってた?」

「え?ですから転校生のアーネストと少々、学園内の見学を」

「嘘だな」


職員室で女の先生に話したことをもう一度ザハール先生に説明するとそれを遮られた。ちょっと焦る。


「俺はお前達がなくなってから空き教室も外も全部探した。それこそ隅々までだ。防犯カメラも見たが何も映っちゃあいない。外に出るには許可証がいるがそれもない。お前達、どうやって学園から抜け出した?もしくは学園のどこにいた?」


ぎくり、ぎくり、ぎくり!

鋭すぎます!ザハール先生!!ううぅ。そんな質問攻めにされても答えなんて用意してませんんん!!

アーネストもうまい答えが思いつかないようで隣でうんうん唸ってる。多分アーネストの頭の中では今脳がフル回転してるだろう。


対して私のポンコツ頭はもう限界らしい。完全にお花畑が広がっている。

あははは、この際もうお腹痛くなっちゃってトイレにこもってました〜って言っちゃおうかなーぁ!


光の速さでバレる嘘を思いついた私はそんな嘘を口に出せるわけもなく曖昧に微笑んで口をつぐんでいた。




そして身体に来る衝撃。

「っ!」

突然の衝撃に息を呑むと後ろから泣きそうな声で「お嬢様」という声が聞こえた。

どうやら、後ろからものすごい勢いでニコラスに抱きつかれたようです。

「ニ、ニコラス・・・」

私に背後から抱きついたままニコラスは顔をあげない。てか、力強い。

「・・・お嬢様、どこに、どこに行ってたの・・・」


・・・ん?どことなくニコラスの言葉遣いが幼く、舌っ足らずな喋り方になってる?

敬語がとれたニコラスとか初めてじゃない?

私はニコラスの様子に首を傾げる。



「寂し・・・かった。」

ぎゅううううと音がしそうなほどきつくニコラスが締め付けてきた。


「お、おぉ?お?」


その時甘ったるいあいつの声が聞こえた。


「ニコラス君!まだ解毒剤つくってないから僕から離れちゃダメだよー!・・・ってあれ?あ、イリーナちゃん帰ってきたんだー!」


ニヤリと笑ったレイ様の顔は「いいこと思いついた」時の顔そのものだった。



帰ってきたばっかなんだから休ませてぇぇ・・・






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