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15神様と出会いまして

「さーて!イリーナちゃん!!目を開けて〜!!」

暗闇の中、やけに明るい声が聞こえた。


・・・誰?

「ほーら!!」

急かされるように肩をガクガクと揺らされて私は「わ、分かりました!」と叫びながら目を開けた。


「ん・・・、ま、眩しい。」

目を開けてあたり一面に広がる白い空間に私の目はくらんだ。

「おっ、目を開けたね?こんにちは、イリーナちゃん。」


・・・・・・え、誰やねんあなた。


目の前で親しげに私を呼ぶ人はとんでもなく美しかった。

真っ白な髪には天使の輪っかがあって、見たところ、私と同世代の(恐らく)男性。

ただ、たしかに美しいんだけれども浮かべている笑顔はどこか胡散臭い。


「・・・えーと?どなたですか?」

「あ、僕としたことが自己紹介がまだだったね。僕は神様です!」

「・・・あ、あ〜ぁ!そうなんですねー!すっごぉい!」


私はつい半目になりながら何とかそれだけ言葉を返す。

・・・やばい。これは今度こそ厨二病の方なのでは?

・・・危険だわぁ。確かに綺麗な人だけどこれはダメだわぁ。

って言うかデジャヴ何ですけど〜。確かアーネストの時もこんな感じで・・・って、違う!今はそれどころじゃない!


「アーネストはどこですか?!」

私が(自称)神様に詰め寄ると(自称)神様はきっぱりと言った。

「おつかい」

「・・・・・・は?」

「うん。だから、おつかいに行ってるよ。」

「・・・いや、だから、はい?」

えーと・・・、これって私間違ってないよね?みんな状況わかってないよね?

え?私の反応あってるでしょ?どうして(自称)神様、「なんでお前わかんねぇの?」みたいな顔してんの?え?私が悪いの?


さっきまでの落ち込みもこの目の前の人の破天荒さで吹っ飛んでしまった。

って言うかなんでアーネスト、おつかい行ってるの?


「えーと?おつかいって?」

「ん?言葉のとおりだよ。イリーナちゃんのことを泣かせたからね。イリーナちゃんを泣かせないために送り込んだのによりによってあいつが泣かしてちゃあねー?」

首をこてんと傾げてこちらに聞いてきたけど、いや、知らん。

って言うかあなたと全く面識ないのに泣かせないためにって言われてもね、うん。

「ただ今帰りましたー」

と、呑気な声が聞こえてきた。

「あ、イリーナ!!お前、起きたのか?!!」

声の方を向いてみればそこに居たのはレジ袋を両手に抱えたアーネストだった。・・・この世界にもコンビニとなスーパーとかあるの?この虚無しかなさそうな空間で?

まぁとりあえず今、一番聞きたいことは・・・

「アーネスト。ねぇ、ここってもしかしなくても天界・・・?」

「あぁ、そうだ。それでこの人が・・・」

アーネストは疲れたように大きくため息をついてからあの美しい男のことを指した。

「神様だよ。」



あ、やっぱり?アーネストの時と同じ感じ?

私はデジャヴを感じながらアーネストに半目で問いかける。

「えっと、まじで?」

「ああ、本気と書いてマジだ。」

「・・・ソウデスカ。」

神様ってこんな雰囲気軽いっけ?もっと仰々しい感じなのでは?


怪しいげに神様を見ていると視線に気づいた神様と目があった。

「あー!その目は僕のこと疑ってるね?もー!イリーナちゃんが今あんまり落ち込んでないのは僕のおかげなのに!」

「・・・ん?」

また意味がわからない言葉が出てきたよ?

なんなんだ、この神様は。敬うどころか爆弾発言製造機なんですけど?


「だーかーらー!目が覚めるまでイリーナちゃんが魘されてたからすこーしだけ気分が上向きになる魔法をかけてあげたんだよ?あっちの世界でもやけにシリアスになっちゃってぇー!」


・・・殴りたい。とっても殴りたい。

何がシリアスになっちゃってぇー!だ、この野郎。

いろんなこといっぺんに起きすぎてシリアスイリーナさんになりたくもなるわ。シリアスになって何が悪い。シリアス万歳。


わなわなと怒りに震える私に気づいたのかアーネストが神様を「まあまあ」となだめた後に私の方に向き直る。


「まぁ、イリーナがそんな追い詰められたのは俺のせいみたいだし・・・。悪かった。こんなことになるんだったらちゃんと説明しておけばよかった。」

「そうだ、そうだぁ〜!アーネストったら説明不足なんだからぁー!」

「・・・神様、ちょっと黙りましょうか?」

アーネスト、笑ってるけど頬がピクピクしてるよ?

明らかにイラついてるよね?その気持ち、わかる。 大いにわかる。


「ったく。イリーナ、神様が邪魔しても無視していいから。」

「了解した」

私は素直に頷く。神様は後ろで騒いでるけど言われたとおり無視。


「で、イリーナ。まずは俺の話、どこから聞いた?」

「・・・ヒロイン、サラ様から聞いた。」

サラ様の名前を出すとアーネストは「やっぱりか」とため息をついた。

「あいつ、前世持ちの転生者だろ?」

「え、うん。知ってたの?」

「いや、薄々疑ってはいたんだ。雰囲気が他の奴とは違ったからな。ただ、確信がなかったしあいつやたら俺のことをチラチラ見てくるからやりづらくてしょーがなかった!」

ヤケクソのように叫ぶアーネストに私は少し笑みを零した。


神様はうるさいし面倒臭いけど神様がかけてくれた魔法はどうやら私の心を少しは軽くしてくれたみたいだ。


「なんか、アーネストを含めた逆ハーを目指してるんだって。」

「え、何それ、鳥肌。」

自分を抱え込むように腕をさするアーネストは本当に気持ち悪そうに顔を歪めていてオカンスキルがあって世話焼きなアーネストがその表情を浮かべるのは珍しい。

「それでその宣言を聞かせられた時に教えてもらったの。ゲームの中で私を殺すのはアーネストだって。」

私はさりげなく言えたつもりだったんだけどアーネストはそうじゃなかったみたいで目を伏せた。

「俺も、最初はそうやって生きるはずだったんだ。」

「・・・うん。」

「でも俺はその道を選ばなかった。」

「・・・えーと?どういう事?」

と、突然肩にズシンと重みがかかった。


「そうなんだよねっ!アーネストったら直前になってやっぱり辞めるー!とか言い出してびっくりしちゃったー!」


重みの正体は神様。

このクソ神、私の肩にもたれかかってきやがった・・・!うぜぇー、首元にあたるサラサラの髪の毛までもがうぜぇー!お前なんでそんなに睫毛けぶってんの。うぜぇー。


私の蔑みと嫉妬が混ざった目に気づいたのか神様は「え、なんでそんな顔されてるの僕。怖いんだけど?」とボソボソ呟いてくる。

「・・・話の途中で入ってきたんですから最後まで説明してください。はい、どうぞ。」

「なんかイリーナちゃん、僕に冷たくない?!!ねぇ、何でそんなに真顔なの?!」

「神様、俺もイリーナの言う通りだと思います。俺が真面目に話してる時にそのテンションで割り込んでこられても・・・。

もう神様、代わりに説明してください。はい、どうぞ。」

「なんかアーネストまで冷たいぃぃぃーーーー!オカンなのに!オカンが冷たい!!!!」

あんまり放っておくとまじで神様が泣き出しそうなのでとりあえず目線でアーネストに話のつづきを促す。

と、アーネストはそれに気づいたようで再び話し始めた。

「はぁ。とりあえず、どこから話そうか。あー。そうだな、実は俺な、この天界に来た時にここでしばらく魂のままさまよってたんだ。」

「・・・え?」

「肉体を持たない魂だけの俺が覚えていたことは自分が死んだ時のことだけだった。で、天界でさまよってた理由っていうのがどうやら俺に未練があったせいらしくて、それを神様が叶えてまっさらな魂に戻してからアーネストとして俺をあの世界に送ろうとしてた。」

「いやいやいやいや、ちょっとまてい!」

「ん?なんだ?」

・・・いい声で『なんだ?』じゃねぇよ。こっちが聞きたいわ。何その話?情報量多すぎなんですけど?ていうか神様、未練を叶えてまっさらな魂に戻すとか能力やばない?あんなアホそうなのにまさかのチートかよ。

私は真顔でアーネストに答える。

「ちょっと、情報が一気にきたからびっくりしてる。」

「あー、確かに。ちょっと急いで説明しすぎたわ。俺も神様に未練がなんとかみたいな話された時は何言ってんだろこいつ、って思ったし。」

わぁ、一番最初にアーネストと出会った時の私と同じ事考えてるー。(遠い目)


「そ、それで?アーネストは未練を叶えたの?」

「ん?あぁ。未練って言ってもそう難しい事じゃなかったしな。」

「そ、そうなんだ。・・・じゃあなんで未練を叶えてまっさらになったはずなのにアーネストはここにいるの?」

「そうなんだよ。それが神様にもよく分かってないらしくて。俺の人格も消えずに残ったしな。で神様にきいてみたら、『俺が君のこと気に入っちゃったからかな〜?ん〜、分かんないっ!』って笑ってた。」

・・・神様、色んなところで軽すぎる。言葉の重みを全くと言っていいほど感じないよ・・・。

「で、『僕の手で君を強制的にあの世界に送ることは出来なくなっちゃったから自分であの世界に行きたいって願って』って言われたんだけどゲームはもう始まってたし、正直俺はサラ・グランディスの生き方によってはいてもいなくてもいい存在だったから暫く、この世界でうだうだしてたんだ。」

「そ、そうなんだ。」

私が全自動(オートモード)でもがいてる間にそんな裏事情があったとは知らなかった・・・。


「そう。でも神様がやけにニヤニヤしながらあの世界を覗いてたから何があるのかと思って気になって覗いたらお前がいた。」

「・・・え?」

「お前はサラ・グランディスのことを虐めているクセにいつでも少し辛い顔をしてた。だからずっと気になってた。」

「・・・え?え、は?」

ちょっと待って?ん?そもそも、私、ヒロイン虐める時に辛い顔してた?ていうか全自動(オートモード)のせいで私が自分の意思で動かせる表情筋なんて些細なものだと思うんだけど?


私の不思議そうな顔を見たアーネストはくすりと笑った。

「俺、そういうの敏感なの」




そう言ってもう1度アーネストは笑った。

笑ったはずなのにその顔は私には泣いてるようにも見えた。





【後書き(という名の言い訳)】



まず、全力で土下座させて頂きます。

誠に申し訳ありませんんんんんんん!!!!

この回でアーネストのことを話そうと思ったのに!!なのに!神様が!いうことを聞かないんです!あいつ、すぐ2人の間に入ってくるんです!

真面目な話してても同じ空間に神様がいるだけでシリアスが逃げるんです・・・!

次はちゃんとシリアスしてる・・・はず?!

本日もお読みいただきありがとうございました!

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