『108の前科を持つ女』

　知らぬ間にゲームの世界に転生してしまった主人公。
なんやかんやでラスボス前の、村ともいえないような寂れた最後の拠点で日々を過ごしていた、ある日。
騒々しい光とともにそいつが現れた。

　「──そう！　わたしこそが108の前科を持つ女。ありとあらゆる世界で、ありとあらゆる法を犯してきた世紀の大犯罪者であるッ‼」

　第一声からまともな奴じゃないと確信でき、出来れば関わりたくなかったが、そうも言ってられない。どういう事情があれどそこに生まれ落ちた以上、果たすべき使命がある。

　早々に帰ってもらうためあの手この手で障害物(あの女)をどうにかしようとするが……