表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/17

アスタールの騎士との合同訓練?

誤解を解くことが出来た俺はフィーリアの案内で図書館に来ていた。キリッとして司書してそうと思ったらフィーリアは本当に図書館で司書をしているらしく、休みを使って俺の読みたい本を探してくれるらしい。

リズはアスタールの騎士団の訓練に参加するとのことで今日は別れての行動だ。


「トウカは珍しい本ばかり読むのね」


「そうか?国の情勢を知っておくのは旅をするためには必要だと思うけど?」


フィーリアにお願いしたのは世界の歴史、各国の歴史、現在の情勢に書かれた本を頼んだ。

歴史に興味を持つ人は珍しい。貴族は貴族院があるそうなので一通り歴史を学ぶし、個人個人で家庭教師を雇って勉強する。

平民は文字をちゃんと読める者も多くないらしい。読めても仕事の範疇にとどまる人が多いそうだ。

なので歴史書を読む人はそう多くない。


一時間程度読んでいたら【速読】スキルを習得したのでそこから本を読むのが楽になった。始めに読んでいた頃の10倍近い速度で読める。いつの間にかレベルも10まで上がっていた。


それに【異世界難易度『easy』】のお陰で記憶能力も上がっているので瞬間記憶とまではいかないが近い感じで記憶できる。そのお陰で後々思い出すことも簡単にできるし、思考を加速できるので色々の事を考えながら本を読める。理解が深まるのが早いし、直ぐに物事を繋げて考えることができるので楽だ。


学生の時にこの力があれば凄い楽だったのに残念だ。


その後は魔法書や武術書、物語の本を読んだ。


フィーリアも隣に座って、むしろかなりくっついて一緒に本を読んだ。普段の様子からは考えられないフィーリアの様子に同僚の司書の人達が驚いていた。


「魔法の入門書なんて読むってことは魔法が使えないの?」


「ん?あ、あぁ。剣は鍛練してきたけど魔法までは手がでなくてね。魔法を上手く使える人もいなかったし」


「そうよね。都市部ならともかく村とかならあまり魔法を学べる環境がないわよね。なら私が教えましょうか?」


「良いのか?」


「えぇ!もちろんよ!今からでもする?」


「お願いするよ」


「なら簡単にここでもできる訓練をしましょう」


そう言って俺と手を繋ぐ。


「私が今から魔力を手に集めるわそれを感じとっていきましょう」


フィーリアが手に異質な感じの流れを感じ始める。


【魔力感知:Lv1】を習得しました。


スキルをONにする。流石スキルだ。ONにしたとたんにさっきよりかなり明確に感じることが出来る。


「感じた?感じたなら同じような力を身体から感じて少し動かしてみて?」


言われた通りに身体の中に意識を向け、魔力を感じるように意識を身体の奥へ伸ばしていく。

あった。これが魔力か。


【魔力操作:Lv1】を習得しました。


直ぐ様スキルをONにする。やっぱイージーモードは楽で良いわ。

フィーリアの様に掌に魔力を集めていく。MPが少し減った。【魔力感知】のスキルのお陰で魔力が身体の外へ漏れてるのがわかる。


問題は魔力を動かしたから減ったのか、魔力が体外に漏れたから減ったのかだな。後々検証が必要だな。


「凄い。初めてなのにこんなに簡単に魔力をコントロールするなんて」


驚きを隠せず、自分の事のように喜び破顔してくれるフィーリア。その顔はとても綺麗だし可愛い。

精神魔法があろうがお見合いを断る理由がわからない。


そこまで精神魔法への忌避感が強いのか?要は使い方一つだと思うんだけどな。こっちから見たら魔法なんてもんを誰もが使える方が物騒だし危険だ。それにこの世界じゃ武器を携帯してるのが当たり前。商人だって懐にナイフを忍ばせてる。


異世界人からしたらこんな異常な事はない。それに日本人からしたら武器を日頃から持つなんて基本的に考えられない。


「これで魔法を扱う所に立てましたね。後は詠唱と言って魔法を発動するために精霊言語を学ばなきゃなりません」


精霊言語か。あの何言ってるかわからない奴か。


精霊言語学ぶために本を読んでみたがさっぱりわからなかった。発音もこっそりしてみたけど日本人には慣れない舌使いらしく。発音事態が困難だった。


これは魔法を使うのは困難かもしれない。


「魔法は基本的に行使に3年はかかります」


は?3年?かかりすぎだろ。


「独特の精霊言語を習得するのに2年。スキルを得るのに1年です。これは最短での時間です。初めからスキルを持って産まれた子ならば精霊言語を習得するだけなので2年、才能のある者で1年ですね。気長にやりましょうね」


はぁ道のりは遠そうだ。


「貴方がリズミット様を助けたカンナ様でしょうか?」


誰か近づいてくると思ったら騎士甲冑を身につけた男性だった。

ガチャガチャと甲冑がなってうるさい。読書の邪魔だ。


「そうですがなにか?」


言葉に苛立ちが混ざってしまった。気を押さえるのに深呼吸する。


「アスタール騎士団団長より騎士団の訓練へと参加せよとのことです」


「お断りします」


「は?い、今なんと」


「ですから訓練への参加は断らせてもらいます。私にはやりたいことがあるので」


「その魔女『傀儡僮女(ミルビ・マリオネット)』と一緒にいるより我らと来ないか?お前と殺ってみたい」


『傀儡僮女』?フィーリアのことか?フィーリアはフィーリアで聞こえた名にとても嫌そうな顔をしたが、直ぐに驚きの表情に変わる。


異変を感じ直ぐにフィーリアから声のした方に目を向けると軍服を着た男が立っている。白髪混じりの髪を後ろに流し、顔には切り傷の後が複数ついている。


強い。


ステータスを見なくても強さを肌で感じる。


レベルは83。このアスタールの街で突出したレベルを持ってた奴だ。


一番関わりたくなかった奴だ。


ステータス的には完全に負けてる。1番近いステータスでも倍近い差がある。


「タ、ターク様!?」


「ターク・エスバトス『王国守護十剣(サムエスタ)』がこんな所に」


確かサイード王国を守護する最強の10人の騎士だったはず。


俺の今のレベルは23。盗賊団と似非貴公子をのした時にレベルも上がっている。だが、流石に83レベルと比べると赤子同然。話にもならない。


街を歩いた時にマップで感知して40レベル代が3人と50レベル代が1人いた。この4人がアスタール騎士団の幹部だろう。だがまさか王国最強の剣が目の前に現れるとは思いもしなかった。


「剣術修行の旅をしているのだろう?なら俺と殺り合おう。ちょうど退屈してた」


「私はたかだか20レベルです。王国の剣である『王国守護十剣(サムエスタ)』の練習相手にもなりませんよ?」


「そう言うな。あいつらは役職のせいで相手もしてくれないんだ。暇なおっさんの相手をしろ」


こんなの断れる訳ないだろ。強者の物言いは脅しと同義だ。


「では僭越センエツながらお相手させていただきます」


「おう。全力でかかってこい」



そんなこんなでアスタールの街の騎士団との訓練に参加することになった。


アスタール領主マワト家の管轄地である騎士団訓練場にフィーリアと一緒に案内された。初め突っかかるような話方をしていたターク・エスバトスだったが話しているとただのお気楽な戦闘好きなおっさん。


フィーリアを話に出したのも怒らせてのせようって魂胆だったらしい。


「よしまずお前の力を見せてみろ」


ニヤリと笑うターク。俺の前には騎士団の騎士100名ほどが木剣を持って立っている。

全員が10レベル前後。一応精鋭らしい。


一般市民がレベル3、4前後。騎士がレベル6、8位が多い。


なので目の前の騎士達は騎士団の精鋭。まだレベルの高い騎士達は他にもいるようなので最精鋭ではないのだろう。


「コイツらはアスタール騎士団の2番隊だ。最精鋭の奴等は街外縁の魔物の殲滅にでてっからいねぇが訓練相手には申し分ないだろ?」


「閣下自らお相手して頂けるのではなかったのですか?」


「100人斬って見せろ!そしたら美味しく実るからな。俺の相手はそれからだ」


ようは少しレベル上げろってことね。だが、こっちにとっても不利益だけじゃないか。

10レベル前後の騎士を100人。その経験値にはかなり興味がある。どこまでレベルが上がるか楽しみだ。血が騒ぐ。

まぁ100人位なら日本に居たときにもやったことがある。それが試験の一つ立ったしな。


「ではお相手させてもらいます」


木刀を構える。騎士達の大半は目が血走っている。餓鬼相手に騎士100人。いくらサムエスタの命でも舐めてるし怒りしか感じてないだろう。


1人の騎士が飛び出してくる。「よくもリズミット様を」って叫んでた気がするが気にしない。怒りに任せて振り下ろされる剣を絡めとり中に飛ばし、喉元に木刀を突き付ける。


怒り狂っていた男も冷や汗を流し我に返る。


「まず1人。あまり舐めてると痛い目見ますよ?」


100人の騎士に向かって殺気を飛ばす。これで怒り狂った頭も正常に戻るだろう。

さぁ騎士1,000人分の経験値いただきに行こうか。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ