フィーリア・アストンの憂鬱
「流石リズを籠絡した殿方ね。良い身体してるわね。リズが気に入っただけあるわ」
目の前には赤い髪の綺麗な女性が俺の身体の上に乗っている。
しかも赤と黒の下着の上に透け透けのバスローブみたいなのを着てるが、前で止める紐をほどいてるので肌がガッツリ見える。
いや~この世界の下着は日本のと変わらないんだな。それにリズにも負けないスタイル!眼福眼福。
いや待て俺!そんなこと考えてる場合じゃない。
この女神もといリズの姉。フィーリア・アストンは何故にここにいる!?
夜中にアストン家に帰った俺はリズに心配され、その後物凄い勢いで謝られた。
1日で良くここまでなつかれたと思う。
その時リズの家族はその様子を微笑みながら見ていた。何せリズが男性と一緒にいるのも珍しいうえにこんなに心配するのも珍しいらしい。
リズの母親なんか「あらこれはお祝いかしら」って話してたくらいだ。
その時にリズの姉とは初めて会った。綺麗な女性ってイメージだ。特に会話も無くその時は別れた。
夕飯は買い食いしてきたので大丈夫だと断ったらお風呂に案内され広いお風呂に入った。豪華なお風呂でさらにメイドさん達が着替えから体を洗うまで付きっきりだったのでかなり緊張した。
なにせメイドさん達も薄着なのでチラチラ色んな所が見えて眼福過ぎてちょっと元気になってしまったくらいだ。
「あら逞しいわ」と顔を赤く染めてしっかり洗ってくれた。洗ってるうちにメイドさん達がさらに薄着になり色々とすっきりさせてくれたし、すっきりさせてあげた。
多人数がこんなに燃えるとは思わなかった。日本じゃ中々出来ることじゃないな。
お陰でスキル【性技】【マッサージ】を習得した。
レベルも上がって【性技:Lv8】【マッサージ:Lv7】だ。
レベルが上がるログを見るたびに技が卓越するのがわかった。まさかこんなことでスキルの恩恵を感じることが出来るとは思わなかった。
それにスキルレベルが上がる度にメイドさん達の感じる姿もどんどん変わり、最後には俺に惚れたような顔すらしていた。メイドさん達に催促されたが流石に2時間以上も風呂に入って入られない。
まぁそんなこんなで身も心も癒されたので気分爽快ストレス発散で部屋に行ってからは直ぐ眠気に襲われ休んだ。
そして寝るときは一人で寝たはずだ。決してリズの姉フィーリアとは一緒に寝ていない。
それにしてもまるで人が違うように妖艶だ。会った時はキリッとしていて司書でもしていそうな女性だったが、今では数多の男性を虜にしてしまいそうな妖美を漂わせている。
人物鑑定では本人と出ている。偽物では無いだろう。
「ウフフ。そんなに緊張しないで楽しみましょう」
胸から臍へと細い綺麗な指が這っていく。こちょばしい。
言葉の意味通りなら喜ばしいが、世話になっている家の初対面の令嬢に手を出す趣味はない。それにトラブルの臭いしかしないし。
ま、メイドさん達とちょめちょめしたのはご愛嬌だ。何せメイドさん達が攻めてきたのだ俺のせいではない。
なおも体を触る手を掴もうとするが身体が動かない。
おかしい。何で身体が動かない。
ログを確認すると精神魔法に抵抗したが負けたと出ており、さらに【精神魔法:Lv1】と【精神魔耐性:Lv1】スキルを習得していた。
直ぐにスキルをONにする。
流石耐性スキル。Lv1だがさっきよりはマシだ。少し身体に力が入るが抵抗するにはまだまだ心許ない。
それにしても精神魔法まで使って俺の動きを止めて何をする気だ?本当に夜這いが目的ではないだろうし。
「あら凄いわね。もう抵抗しちゃうの?精神魔法の使い手でもなきゃ精神魔法耐性なんかもってないと思うんだけど、レベル差かしら?」
考えるそぶりも可愛い。いやいやそうじゃない。惑わされるな俺!
「私ねこんなじゃない?綺麗でもないし・・・」
いや十分綺麗ですけど。
「精神魔法なんて人から疎まれる魔法のせいで婚期も遅れてるし。聞いてよ私まだ22なのよ!何が婚期は10代よ!20代の方が綺麗なのよ!!」
うん。その通りだと思います。俺も20代になってからの方が女性は綺麗になると思うし、何より色気が出始めると思う。
「リズは明るくて誰からも憧れられてるし・・・私がもらっても良いわよね?貴方には悪いけど既成事実があればリズも何も言えないわ!私はアスタールの街でも有数の貴族アストン家の長女よ。無名の貴方もアストン家に来れば将来も安泰。ねぇ?私を貰ってくれないかしら?」
涙が頬を伝っている。そこまで悲しむことなのか?
精神魔法は確かに悪どいことに使えそうな臭いがプンプンする。だけどそれは使い手しだいだろ。こんな綺麗な女性が自らを苦しめる程に精神魔法への嫌悪が根強いのか。
少しこの世界に怒りを感じる。
【精神魔法耐性:Lv4】へ上がりました。
先程から抵抗し続けていたらいつの間にかスキルレベルが上がっていた。身体も少し動かせる。だが、まだだ。
沸いた怒りに身を任せて魔法に強く強く強く抵抗する。
スキルレベルがどんどん上がっていく。
最終的に【精神魔法耐性:Lv10】レベルMAXへと上り詰めた。流石【異世界難易度『easy』】だ。本気の抵抗だけでスキルがMAXだ。
「そんなに悲しまないで下さい。貴方は十分綺麗だ。魔法しか見ない人なんてこっちからフッてやればいんですよ」
「えっ、そんな私の魔法が解けたの!?」
「えぇこれで私には魔法は効きませんよ。ゆっくりお話しましょ?」
戸惑う彼女に精神魔法をかけてくれたお返しに両腕にマッサージをする。
「あ、あっ。あぁぁぁ。な、何これぇ」
両腕に軽くマッサージをしただけで顔を赤く染めてもたれ掛かってくる。かなり凝ってる。【性技】【マッサージ】のスキルのコンボで快楽と凝りからの解放が一気に彼女を襲ったみたいだ。
こりゃ面白い。
スキル【性技】のお陰か彼女が処女だと直ぐに本能的にわかる。
もたれ掛かられたついでに腕を回して背中を【性技】【マッサージ】のコンボ技で解す。
「あ、あ、そこ、そこ、らめ!らめなの~気持ち良すぎる~おかしくなっちゃうよぉ」
まさかこれ程とは・・・
彼女は俺の上で身じろぎ、汗をかき、全身をピンク色に染め、下半身も濡らして「ハァ、ハァ、ハァ」と息を繰り返している。
精神魔法の仕返しにやり過ぎてしまった感が強いな。
これじゃお嫁に行けないって言われても仕方ない気がする。
「トウカァ。もっと、もっとしてぇ」
マッサージの途中から名前呼びに変わった。
要望には是非とも答えて上げよう。
外が薄く明るくなるまでフィーリアの要望に答えてマッサージをして上げた。
とても満足して満ち足りた顔をしていたので良しとしよう。
その後は一緒にまたぐっすりと眠った。
◇
ガヂャンとドアを勢いよく開ける音で覚醒する。
「トウカおは、よ、う?」
「お、おはようリズ」
なんかリズの顔が固まってる。そう言えばと左を見ると下着姿のフィーリア。満足そうな顔はまるで情事の後の様だ。
自分は自分でパンツ一枚だ。
状況から見てどう考えてもした後の格好だ。
「あらあらやっぱりお祝いかしら」
リズ達のお母さんが俺たちの様子を見てニッコリ微笑んでく。
いや、お祝いはいらないっすよ。
その後リズやお母さんの誤解を解くのが大変だったが、ズナットさんからはむしろ感謝された。
精神魔法を産まれながらに持っていたフィーリアは周りからかなり疎まれて育ち、そのせいか上手く自分を出すことが出来なくなっていたらしい。あれで?と疑問にも思ったが話していた通り見合いでももらいてが無く親戚からも疎まれ最近では家からもあまり出なくなっていたらしい。
リズはリズで自分より弱い者を下に見る癖があるらしく、歳が近い者でリズより強い者も中々いなく、性格も男勝りな所がありファンクラブもあるが中々男っ気が無くて困ってたらしい。
こっそり「どっちかもらわんか?」と声もかけられた。俺への期待値が高いのはわかるがほぼほぼ初対面の男をそこまで信用して良いのだろうか?
「私の目に狂いはない」と妙な自信を見せられた後ようやく朝食を摂ることが出来た。