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アスタールの街(2)

「「お帰りなさいませお嬢様」」


おぉほんとにあるんだなこれ。初めて見た。


目の前には執事とメイドの方々が並んで頭を下げている。


リズミットさんの案内でアストン家に来ている。助けてもらったお礼をしたいらしい。東京ドームも入るんじゃないかって位広い敷地に三階建ての豪邸に隣にはダンスホール。庭も広大で庭園でパーティーも出来そうってかするんだろうな。貴族様の屋敷は規模が違うわ。


「お待たせしましたカンナさん。父がお会いになりますのでこちらにどうぞ」


軽装からワンピースの様な白いドレスに着替えたリズミットさんが案内してくれる。装備も外した彼女はわかっていたけれどとてもスタイルが良い。Gカップはありそうだ。胸元が少し空いたドレスなのでとても眼福だ。

無表情と平常心スキルよ頑張れ。


「おぉ。君がトウカ・カンナ君か。此度は娘のリズミットを助けてくれたようでありがとう。私はズナット・アストンだ。」


何とも福顔でふくよかなお父さんだ。赤い綺麗な髪はリズミットと一緒だが、この温厚そうなお父さんと血が繋がっているとは何とも神秘だ。


「ところで君はかなり高レベルと聞いたが?」


「はい、お父様。カンナ様はレベル20の高レベルの剣術家です」


ずいぶんとしおらしい。さっきまでのお転婆お嬢様のが似合ってるけどな。


「それは凄い!どうだろうカンナ君。アストン家に仕官しないかい?」


「ありがたい申し出感謝致します。ですが私は世界を放浪し剣術の修行中の身ですので・・・できれば辞退させていただきたいと」


「うむ。そうだね。これは申し訳ない。だが、勿体ない。その若さにその強さ。今仕官すればかなりの地位も手に入るのだが」


一瞬獲物を狙う獣の獰猛な目に変わる。ズナットさん、これが貴方の本性か。

人は見かけによらないと言うが一瞬寒気が走った。文官がこれほどとは異世界も侮れない。


「仕方がない。気が向いたらいつでも言ってくれ。君ならいつでも大歓迎だ。娘を助けてくれた御礼と言ってはなんだが、アスタール滞在中はアストン家の部屋を使うと良い。それと装備一式と旅支度分の代金はうちが出そう」


「そこまでしていただかなくても」


「何を言う。うちの大切なリズを助けてくれたんだ。これくらいして当然さ。リズ。彼が街にいる間しっかり案内してあげなさい」


「はい。わかりました」



「凄いですね。リズミットさんがいないと迷ってしまいそうです」


実際はマップもあるので迷うことはほぼ無いだろう。半径15キロ程がマップ範囲になっているので行動範囲はカバー出来ている。

街の端から端に移動となると街全体がマップ表示されていないので迷ってしまうだろう。


「アスタールは広いけど、半分位の土地をは農作物を作っている農耕区だし、残りの半分の大半は貴族区や政統区なのでどうしても狭いところに商業区は作られちゃって、今も増改築を繰り返してるので商業区は迷路みたいになっちゃってるから迷わないように気を付けてね。後の区別は工業区と貧民区だね」


確かに迷路みたいに街がいりくんで作られているし、小道なんかも多い。元々建物自体も3階建て以上で作られてて店舗の上に市民の住まいがあるみたいだ。1階はレンガ作りで2階からは木造になっている。耐震なんかは大丈夫なのだろうか?


ちなみに農家は農耕区に家を建てて住んでいる。


城壁の外じゃ魔物もいるから不用意に街を広げられないから仕方がないのか。

上を見上げれば建物と建物を繋ぐ吊り橋も作られている。日差しを遮らない様に最低限で作られてるのでかなり危なそうだ。


「リズミット様ぁ~今日はどうですかぁ」


露天のおばちゃんがリズミットさんに声をかけてくる。貴族と市民でここまで仲が良いものなのかな?


「あ、デートの邪魔でしたかい?そんなおめかししてぇいつもの軽鎧姿はどうしたんです?とうとう本気のお相手ですかい?」


ニヤリと笑うおばちゃん。完全に弄られてるな。


「うぉ我らのリズミット様がぁ」「春ですか春が来てしまったんですか」


うわ、後ろで男共が発狂してるよ。


「もぉターニさん。そんなんじゃないですよ!助けてもらった御礼に街を案内してるんです!」


「あ~れ!リズミット様を助けるなんてあんた凄いね!」


周りの人達も驚いている。「あのリズミット様を助けた!?」「隊長達ともひけをとらないのに」「春じゃなかった!!?」と何やら凄い話になってる。

しかも身の危険を救った方向で話が進んでるし、リズミットさん普段からどんだけお転婆なんですか。


「いえ、そんなこと無いですよ」


「さ、カンナさん行きましょう」


照れたようにそっぽを向くリズミットさんに手を引かれ、おばちゃんに会釈をしてその場を離れる。



「さ、ここが目的の場所です。『仕立屋ヤート』ですよ。探索者や魔狩りの人が贔屓(ヒイキ)にしてる仕立屋なんですよ」


ここの仕立屋は服の機能性や防刃性や防魔性に優れており、お金を出せば他にも機能を付けれたりするらしい。


「いらっしゃいませリズミット様。おや殿方と一緒とは今日は珍しいですね」


白髪で白い髭を生やして燕尾服を着た男性が店の中から出て来て早々にリズミットさんをからかってくる。


「もぉマイスさんまで!私だって女なんです!」


顔を真っ赤にしながら弁明している。あれじゃ肯定しているようなもんじゃないか。


そんな関係じゃ無いんだから素直に否定すれば良いのに。


「今日はこの方の仕立てですね。どれどれ失礼しますよ」


メジャーで体を測りながらあちこちを触られる。


「ふむ。良い体をされてらっしゃる。メイン装備は剣ですかね?他にも色々やってらっしゃるようだ。服は機動性を邪魔しない物がよろしいかな?」


「はい。それでお願いします」


凄いおっさんだ。触っただけで人の戦闘スタイルがわかるのか。


「お金はアストン家が払いますので気にせず付けれる耐性をつけて下さい」


「かしこまりました」


その後服の色を聞かれたり、戦闘スタイルや何を重視したいか等聞かれた。服は明日出来るそうなので既製品の服も買って着替えることにした。

白いYシャツと黒いパンツだ。ようやく普通の服を手にいれた。

胴着で街中を歩くなんて羞恥プレイからやっと解放だな。



「さっ今度はこっちだよ」


手を引かれながら街中を歩いていく。さっきまで緊張してた顔から今はとても笑顔だ。女の子は笑顔が1番だな。


「リズミットさん次はどこへ?」


「リズ・・リズって読んで!」


「じゃぁ私のことはトウカと呼んで下さい」


「うん!トウカ!さっこっちよ」


着いた所は『イヴェット武具店』

店舗の前にまで武器が並んでいる。店の中には屈強そうな男性や女性が店の中で武具を見ている。


「トウカは刀がメイン装備なのよね?」


「そうですよ。他にも槍とか弓、ナイフなんかも使えます」


それにしてもこの世界にも刀があるんだな。刀は剣とは違って断つんじゃなくて斬るをメインにしてる武器だから魔物相手だと使いにくいと思うんだけどな。まぁゴブリンとか相手なら刀の方が良いか。


「あらリズ今日は男連れなのね」


隻腕の黒髪の女性が店の奥からやってくる。また助けた話で盛り上がっていた。


「荷物一式盗られるなんてあんたも運がないねぇ」


「いや面目ない」


「メインが刀かい?見せてもらっても?」


「はい。どうぞ」


「へぇ。こりゃ良い刀だ。業物って訳じゃないが、魔力の通りがずいぶん良いね。ミスリルで出来てる訳でも無い様なんだが、まぁ良いか。刀がメインなら機動性重視だね」


「えぇ。なので防具は丈夫な革鎧が良いんですが」


「ふむ。ならこっちに来な」


案内されるままに場所を帰る。


「これなんかどうだい?火喰い蜥蜴(リザード)の革と硬骨蟻(ビドットアント)の甲殻と骨を砕いて固めた鎧と脛当てと手甲だ。手甲も脛当ても関節の動きを邪魔しない。あんた位ならこれくらいで十分だろ」


鎧は胸から腹部までを覆う様な作りで、脇の部分は革を紐で止めるだけになっている。伸縮性に優れているお陰で動きをあまり阻害しない。手甲は手から肘までを覆うようになっていてる。どの防具も動きを邪魔しないが地球の鎧なんかより何倍も防御力がありそうだ。


「あぁ。ありがとう。使ってみて何かあればまたくるよ」


他に槍、手投げナイフ数十本と弓矢と矢を数十本を購入。アストン家に送ってもらうことにした。

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