ようこそ死後の世界へ。
死後の世界。
そんなものはないと思っていたし、生きている時よりも最高につまらないと思っていた。
だけど、違った。
最高に楽しい世界だ。
死後の世界は仕事がある。
人の監視。
生きている1人の人の生活を見る。
私たちの脳内に、特別なものが入っていて、何かポイント、即ち、いつもと違うことをするとき、分岐点のとき、強制的に、その部分だけを見ることが必須となる。
そして、その人が死ぬ時、監視のひとになるか、偉いひとになるか、下のひとになるか、地獄のような生活を過ごすか、どれか審判をする。
歴史の本みたいに、人生を年表にする。
これを見て、上の人は最終的な判断する。
この人は××だと。
そして、私は監視をする人。つまらないように見えるが、監視をしている時以外は、普段は自由なのだ。
お金とかそんなものには縛られない。
普通に映画も見れるし、ゲームもできる。大好きなお菓子を食べても太ることはないし、人と喋っていても全然イライラしないし、まさに理想の生活。
ただ、一つだけ監視の生活で、忘れていることがある。
それを私は思い出してはいけない。
そう脳が作られている。
それは生きている人に対する感情。
監視をする上で、この人可哀想というのでは、平等に判断出来ない。
優しすぎる人は、そこで感情が出てしまう人がいるという。
そういう人は、自然に、消滅する。
必要が無いと。そう上から判断される。
それが怖いと思うのは、私だけではないはずだ。
だから、何も考えずにすごす。
死んでしまった人のレポートを提出し、新たな生命の監視につく。
そう、これが死後の世界。
私はこの世界を気に入っている。
私はここで、二度目の人生を生きる。
生きていく。