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孤独なセカイ  作者: 絢乃 ツキウサ
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[第1話]少女の覚醒

初めて小説を投稿します。

機能がよく分からず、文章も至らぬ点があるかと思いますが、是非一度目を通してみてください。

その仔竜は独りだった。


幼い頃にいつも一緒にいた母親とはぐれ、気がつけばこの森の奥深くの洞窟に行き着いていた。


とりあえず飢えを凌ぐため、森の木になっている木の実や、川にいる魚を捕って食べていた。


しかし、それだけではどうにもならないと思い、仔竜は思い切って森を出てみることにした。


森を出てすぐのところに、何者かが住めるような住処を発見した。

自分が知っているような住処ではない。

穴蔵のようなものではなく、建物のようなものだった。


そこで仔竜は奇妙なものを目にした。

生き物が二本足で立ち、歩いている。

自分のような翼や尻尾がない。


仔竜はそこで初めて"人間"という種族を知った。


仔竜は二本足で歩き、自由自在に手で物を操る姿にひどく憧れた。


仔竜はその日から、毎日人間の集落の周辺に行っては、遠くから人間達を眺めていた。


そのうち、仔竜にある感情が生まれた。


____自分も人間になって、人間達と仲良くなりたい‥‥‥‥!


毎日そう願った。

人間のような姿になり、人間と同じような暮らしをしてみたいと。



ある朝、仔竜が目覚めると奇妙なことに気が付いた。


「‥‥あ‥‥‥‥あ‥‥‥‥?」


声がいつもと違う。

自分は竜なのだからもっと野太い唸り声だったはず‥‥?


「わ、私‥‥‥‥、わたし‥‥‥‥??」



それどころか、何故か人間の言葉も話せる。


確かにあれから毎日毎日、人間の集落に近づいてずっと様子を見ていた。

その過程で人間の言葉を聞き、学び、話そうとしてみた。


しかし、竜にそんなことができるはずもなくら半ば諦めていた。


「けど、私‥‥人間の言葉、話せてる‥‥。って‥‥ん‥‥?えっ‥‥!?」


しかし、仔竜はそんなことよりももっと重大な異変に気が付いた。


「私‥‥っ、体が‥‥!?えぇっ‥‥!?」


明らかにいつもの体ではない。

竜特有の体の鱗は殆ど消えている。その代わりにつるつるとした肌色の肌、まるで人間のような手足も生えていた。

今までは太い手足に鋭い鉤爪が付いていたのに。


しかし、小さいながらも角や尻尾、翼は未だ生えたままだった。

だが、少女の姿になった仔竜にはもはやそんな些細なことは気にならなかった。


「私、人間の姿になれたんだ‥‥!なんでかは分からないし、ちょっと違うところもあるけど‥‥。でも姿はちゃんと人間だもん!これで‥‥。」


____これで、人間たちと仲良くなれる‥‥!


そう思った仔竜の少女は、慣れない二本足を使ってよたよたと走りだした。

翼はまだ生えていたのでおそらく飛べるかもしれないが、どうしても人間たちと同じ二本足で走ってみたかった。


少女は慣れない体で裸のまま、人間たちの集落へと駆け出した。

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