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Vision  作者: 神 雪
6/7

Azure

短いですm(__)m


*azure=deep blue(紺碧の意)

 そこは紺碧の空間。

 どこまでも澄み通る優しくどこか懐かしい紺碧。


 深い碧色に包まれて、私はゆらゆらと宙に浮かんでいる。

 光がある訳でもなく、流れがある訳でもないのに、安心しきって身を委ねている。


 寒くも暑くもなく、圧迫感もなく。

 ここにいるのは私だけだとわかっているのに、孤独感も感じない。


 そしてどうしてか自分自身の身体すら感じない。

 身体の重さというものを全く感じないのだ。


 と、そこまで考えて初めて透明の球体の中に居ることに気がついた。

 それが判ったのは、何かが私の手前で弾けたからだった。


 全く音が聞こえないのに、まるで「パチン」といったかの様に。

 今のは一体何だろう?

 

 


 またしばらく静寂なる紺碧に身を委ねる。

 あまりの心地好さにほおっとため息をついて周りを見渡してそれが見えた。


 私が浮かんでいる、その下の方から、ふわふわとシャボン玉の様な泡が立ち(のぼ)って来るのだ。

 虹を閉じ込めた様な淡い七色の泡。


 それが私を包んでいるものに触れると、弾けて消える。

 あとには何も残らないで消える様は、とても潔い。




 

 ふわふわと浮かぶ私。

 パチンと弾けるシャボン玉。




 なんて気持ちが良いのだろう。

 深い深い碧色の中でたゆとう私。






 私?

 私って何?








 いつしか「私」というものが薄れて行き。

 そうしてパチンと弾けて消えた。

 

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