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Vision  作者: 神 雪
4/7

トトさん(Extraterrestrial life)

とある童話の企画にて浮かんで来たものの、童話としてはシュールなのでお蔵入りさせていたものです。

タイトルの『extraterrestrial life』は地球外生命体の意……らしいです(笑)。略してET。 

「アノ、アオイホシハ、ピッタリダ。キット、ワレラニ、フサワシイ、ホシニ、チガイナイ」


 トトさんは窓から見える青い星を見つめて仲間に通信を入れました。


【ヨサソウナ、ホシ、ハッケン! コウゲキノジュンビヲトトノエヨ。コレカラ、テイサツニ、ムカウ】


 宇宙船を操作して、ぴゅ~んと飛んで行ったところは、砂ばかりの場所でした。見渡す限り砂また砂。生き物の気配はありません。


「ドレドレ」


 パコッと上部を開いて顔を出そうとしたときです。ゴオーっという音とともに、一斉に砂が襲ってきました。砂嵐です。トトさんはびっくりしてあわてて上部を閉じました。


「ナンダ、アレハ! ワタシガ、ココニ、イルノガ、バレタノダロウカ? オソロシイ、ゲイゲキソウチダ。 ソレニ、ナントイウ、ネツナノダ! コレデハ、イキテ、ユケナイ!」


 トトさんは他の場所も確認しようと、またぴゅ~んと飛んで行きました。着いたところはなんだか固い地面の様です。一面灰色に覆われた地面。少なくとも砂ではない事に気をよくしたトトさんは、それでもちょっぴり警戒して、辺りを観察することにしました。


「フムフム、タイキハ、アオイ。クモモアルヨウダ。ミドリガ、アッタトオモッタガ、キノセイカ? ウウム、ヨクミエナイナ。ヤハリ、ソトヲ、ジッサイニ、ミルシカ、ナイヨウダ」


 トトさんの宇宙船が着地したのは、とあるマンションの屋上でした。どうやらトトさんの宇宙船はあまり正確な場所を特定できなかったようで、山や川、海からは遠く離れた町の真ん中におりてしまったのです。


 またしてもパコッと上部を開いたトトさん。


「カゼハ、ナイヨウダ。コンカイハ、バレナカッタヨウダナ。シカシ、ヤハリアツイ。コノホシノ、タイキハ、ドウシテ、コウモ、アツイノカ。デモマテヨ? ヨルニナッタラ、ドウダロウ。スコシハ、コノネツモ、オサマルノカ? タシカメテ、ミナクテハ」


 ひとまず危険はないと判断したトトさんは、上部を閉め、夜になるのを待つ事にしました。昼寝でもしながら待とうと思い、目をつぶったトトさん。


 グツグツグツ


 なんだか変な音が聞こえてきます。おまけに自分が異常な熱に閉じ込められている事に気がつきました。


「アツイ~! アチチチ、ナンダ、コレハ。イッタイ、ドウナッテ、イルノダ! コノママデハ、シンデ、シマウ! ヨシ、ダッシュツダ!」


 計器を動かそうとしましたが、熱で故障してしまったらしく動きません。実は、真夏のギラギラした太陽からの熱と、マンション中で使われているエアコンの熱が上部へと立ち上り、マンションの屋上はものすごい熱に包まれていたのでした。これでは計器が壊れても仕方ありません。


「ナカマニ、シラセナクテハ。コノホシハ、キケンスギル」


【コウゲキチュウシ! コノホシハ、アブナイ! チカヨルナ! キケン! キケ……】


 ここまで通信したトトさんですが、その直後、ツーという音がして、とうとう通信機器まで壊れてしまいました。


「ナントイウコトダ! カエレナイデハ、ナイカ! デモ、モウ、ウチュウセンニハ、イラレナイ! ソトニデヨウ……」


 こうしてなんとか外に出たトトさんですが、体中の水分があっという間に蒸発していく事に気がつきました。しかし、もう戻る体力さえありません。


「モハヤ、コレマデ……」





 夜になったマンションの屋上は、風が出て来て、昼間の熱もやわらいでいるようでした。


 ひゅぅ~~~ドーン!


 夜空には花火の花が咲いています。

 いつもは人気のない、マンションの屋上には、沢山の住人が食べ物を持ち寄って、花火見物をしています。


 食べ物の匂いにつられたのでしょうか。一匹の猫が屋上に忍び込んでいました。トトトと向かった先にあったのは、お鍋の様です。近くにフタまで落ちています。その横には美味しそうな干物が一匹。


「ミャーン」


 パクッと干物をくわえた猫は、マンションの住人に見つからないように、そっとそこを後にしました。





 ──その頃、トトさんの故郷では、大変な騒ぎになっておりました。

 トト隊員からのメッセージに振り回されていたからです。

 沢山の魚型宇宙人達は、通信の途絶えたトト隊員の命懸けの勇気に感動し、青い星移住計画を白紙に戻し、後にトト隊員が乗った鍋型宇宙船の銅像を作ったのだとか。


タイトルのいい加減さと内容(宇宙船が操れるのか? とか)のいい加減さはご容赦下さい。

こうした矛盾は降ってきた映像ならではかもしれません。(如何に自ら考えていないかがわかりやすい実例です)

でも時にはこのように一応全ての流れがザアッと押し寄せる事もごく稀にあったりもします。


なお、ここで一旦、深夜の隔日定期更新を終了させて頂きます。

執筆中フォームの整理が済んだら、またこっそりと深夜に追加させて頂きますm(__)m

活動報告を上げますので、何かございましたらそちらへどうぞ。(6/27感想欄解放しました)

それでは。ここまでのご閲覧、誠にありがとうございました!

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