表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
MAIN TRAFFIC4  作者: 浜北の「ひかり」
Hikari Episode:3
98/102

459列車 言いたい放題

 私は学校から貰ったパンフレットを見ていた。見ながら考えていることは光のことだった。仮に(ひかり)が岩槻に進学した場合、家から通うというのは当然のことながら困難だ。学校が案内してくれる、もしくは指定した寮に入る必要がある。

「何見てるの。」

何も考えていなさそうなナガシィが話しかけてきた。

「これよ。」

そう言い、寮のページを指さした。

「寮かぁ・・・。岩槻に行くことになったらそう言うところに済まなきゃいけないからね。」

「・・・。」

ちゃんと分かってるじゃん。そんなことを思っていたが、

「でも、どうして。学校が指定したところに入るんだろうから。別にそんなの見なくても良いんじゃない。」

やっぱり、そっちまでは分かってないんだ・・・。

「引っ越しよ。引っ越し。進学になれば、学校が寮を案内してくれるのかもしれないけど、そこに入る準備は必要でしょ。」

「引っ越し業者に頼むんだから、別に僕らは何にもしなくても・・・。」

「もちろん、業者に頼むわよ。ただ、業者に頼むにしてもなんにしてもちゃんと調べとかないとダメでしょ。こっちだって(ひかり)が持って雲のまとめたりしなきゃいけないんだから。」

「怒んなくたっていいじゃん・・・。」

そう言いながら、ナガシィはちょっとすねた。

「ごめん。でも、業者に頼むにも早くしないと。(ひかり)が向こうに行くのはモロに引っ越しシーズンなんだからね。」

「そうか。そうだね。」

ようやっと理解したみたいだ。ナガシィって本当に人から話聞いてる時はちんぷんかんぷんのようだから二つ返事しかしないからなぁ。そう言うところ私はかなり疲れる・・・けど、もう慣れた。

 ナガシィは私の右隣に来て、見ているパンフレットをのぞき込む。

金町(かなまち)・・・。寮って常磐緩行(じょうばんかんこう)のほうにいっぱいあるね。」

寮それぞれの最寄りの駅で多く出ているのは金町(かなまち)という駅だ。それはナガシィの言うとおり常磐緩行線(じょうばんかんこうせん)に存在する駅で、上野かららほど近いところにある。途中東京(とうきょう)メトロ千代田線(ちよだせん)日暮里(にっぽり)を経由していく必要があるが、たいしたことではない。

金町(かなまち)って常磐線(じょうばんせん)に駅無かったよなぁ。」

「そうね。常磐緩行(じょうばんかんこう)だけだったわね。」

(ひかり)に会いに行くには面倒くさいね・・・。お金別にかかるし・・・。」

「今はそういうこと話さなくていいから。」

「・・・。」

「引っ越しで持ってくものは今からだいたい絞り込んでおかないとね。」

私はナガシィにも聞こえるように言った。ここから話が変わるからね。

「服はまず持ってかないとダメでしょ。」

私が持ってくものをメモに書き留めていると、

「自転車は持ってかないの。」

ナガシィが言う。

「自転車って・・・。自転車は向こうで買えばいいでしょ。こっちからわざわざ持ってくの。」

「持ってった方がいいんじゃないの。」

「・・・。」

私はちょっと考えた。どっちが安いんだろう。買った方がいいのか、持ってった方がいいのか・・・。ほんのちょっと走るだけなら安物でもいいんだろうけど、(ひかり)は免許持ってるわけじゃないしなぁ・・・。

「それは金額見て考えよう。どっちが安くなるかわかんないし。」

「安くって・・・。別に気にしなくても・・・。」

「ナガシィ。」

私は隣にいるナガシィの左耳をつかみ、

「ウチはねぇ、家計厳しいの。生活費、貯金、お小遣い全部ナガシィが稼いだお金でなんとかやりくりしてるのよ。そりゃ、私達の貯蓄もあるけど、それはなるべく使わないようにしてるの。分かる。ちょっとはそう言うところ気にしなさい。」

「痛いなぁ・・・。何するのさ。」

上では(ひかり)が勉強している。ちょっとうるさかったかな。そんなことを気にしながらもナガシィと話すのは楽しい・・・。

「痛かった・・・。」

「もう・・・。つねんないでよ。」

「フフフ。ごめん。」

「フン。・・・今回だけだからね。」

(・・・そっか・・・。光は高校合格したら東京行っちゃうんだ・・・。)


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ