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MAIN TRAFFIC4  作者: 浜北の「ひかり」
Hikari Episode:3
88/102

449列車 聞こえる会話

 ウチはタブレットで岩槻高校のホームページを開いた。オープンスクールに行って以来、ウチは岩槻高校のホームページのチェックを欠かさなくなった。学校説明会とかにも行かなきゃいけないしなぁ・・・。

 ホームページを見てみると学校説明会の第1回目は9月となっている。その後は10月から12月にかけて数回開催されている。全部予約制をとっている。

「学校説明会だから、親も行った方が良いのかな・・・。」

うーん・・・。どうなんだろう・・・。ウチはいったんタブレットを閉じて、下の階へと行った。リビングじゃお父さんとお母さんが話をしている。時刻表を片手にいろんな事を話している。

北陸新幹線(ほくりくしんかんせん)が開業してもう1年とちょっと経つじゃない。」

「そうだね。北陸新幹線(ほくりくしんかんせん)の「グランクラス」乗るなら今だよ。」

そう言う話が聞こえてきた。北陸新幹線(ほくりくしんかんせん)にはグリーン車の上級クラス「グランクラス」が全列車に連結されている。東京方の「あさま」と大阪方の「つるぎ」はどちらも「グランクラス」はシートのみの営業であるが、停車タイプの「はくたか」と速達タイプの「かがやき」はアテンダントによる接客サービスも受けることができる。

「今って行ってもしばらくお金無いわよ。光だってこれから何回か東京行くことになるのよ。それに時に行くのは光だけじゃないのよ。私達も東京行かなきゃいけない時だってこれからあるのよ。」

「ああ・・・。」

「だから、しばらく北陸新幹線(ほくりくしんかんせん)に乗りに行くことはできないわね。・・・そんな不満そうな顔しないでよ。」

「えっ。」

「しょうが無いでしょ。良い。ウチはね、お互い一人暮らししてた時ほど家計は潤沢じゃないのよ。ナガシィが働いて稼いでくれたお金でなんとかやりくりしてるのよ。(ひかり)智萌(ともえ)が将来使えるように貯金してるお金、ナガシィが旅行で使うお金、私達の生活費、家の光熱費、電気代、水道代。全部そこから出してるんだからね。分かる。」

「分かってるよ。」

「それに学校説明会行くにしても東京まで往復約3万かかるんだから。」

「それってまた僕が旅行で使えるお金から出すの。」

「そうしないとどうにもならないのよ。」

「・・・(もえ)。へそくりとか無いの。」

「私そんなことしてないわよ。今この家全部洗いざらい調べてきても良いわよ。どこからも出てこないから。」

「鍋のふたの裏に封筒が張り付いてるとか無いの。」

「無いわよ。鍋のふたの裏にそんなの張り付いてたら料理できないじゃん。それに料理してる間、その封筒を私はどうしてるって言いたいのよ。料理作ってるところはナガシィもよく見てるじゃない。」

「うーん・・・。あっ、ズボンの中に入れたり。」

「しない。」

お母さん、ちょっと怒り気味だ。

「・・・怒らなくても良いじゃん、冗談で言っただけなのに・・・。」

「・・・ごめん・・・。でも、しばらく旅行できないって言うのは事実だからね。」

「・・・分かったよ。じゃあ、しばらくは諦めることにするよ。」

「ありがとう。ごめんね。ナガシィ。」

「別に良いよ。ちょっとぐらい我慢するし・・・。」

(・・・でも、ナガシィが北陸新幹線(ほくりくしんかんせん)乗りたいって思い出してるから、近々行きそうだよねぇ・・・。全部でいくらになるのかな・・・。)

お父さんが顔をこちらに向けたので目が合った。

(もえ)。」

お母さんに声をかけた。

「んっ。」

お母さんはお父さんのほうを見た。お父さんが目で「あっち」と言ったのか、こちらを向いた。

「どうしたの、(ひかり)。」

「あっ。また東京に行きたいと思って。岩槻の学校説明会・・・。」

「学校説明会。いつ。」

「9月から12月までのどれかで・・・。」

「・・・そう言うのは早く言った方が良いわ。私はいつでも良いから、(ひかり)が勝手に日程決めちゃいなさい。」

「あっ。うん。分かった。」

そう言うとウチは自分の部屋に戻る。部屋からはお父さんとお母さんの会話が聞こえてくる。

「それで、なんだって。」

「学校説明会があるんだって。」

「それで、(もえ)も行くの。」

「説明会だからね。言った方が良いんじゃない。大丈夫よ。9月から12月って行ってたから。智萌(ともえ)だってソフトテニスの大会は全部終わってると思うから、食事は心配しなくていいわよ。」

「んっ。そうじゃなくて、(もえ)が行く日が休みだと嫌だなぁと思っただけ。」

「んっ・・・。何で。」

「だって暇だもん。(もえ)と話してると結構時間早いし。」

「・・・。じゃあ、休み希望に仕事入れれば。」

「あはは。そんな物好きいないよ。」


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