442列車 うぅ・・・
数日後・・・。学校で三者面談が行われた。三者面談に話す内容って言うのはもうすでに決まっている。進路の話だ。
「こんにちは。今日はお忙しいところ三者面談にお越しいただきありがとうございます。」
先生はそう言いながら頭を下げた。
「別に忙しいだなんて・・・。」
お母さんはそう言った。
「それでは早速本題に入らせていただきます。」
先生はそう言うと、
「永島君から進路の話をされたり、永島君のほうからお子様と進路のことを相談されたりしていますか。」
と聞かれた。
「そうですね。私からは話したことはありませんが、光から東京の高校に行きたいといわれたことはありますね。」
と言った。ウチは智萌とは違うからなぁ・・・。
「ちゃんとお母さんたちに話したのね。永島君。」
先生はそう言いながら、ウチのほうを見た。それにウチは少し目線をずらした。何か恥ずかしく思えてきたからだ。
「コラ、目そらすな。」
すかさずお母さんからのツッコミが入る。
「もう・・・。普段はしっかりしてるんですけどね・・・。」
お母さんはさらに続けた。普段張って・・・。肝心なところが抜けてるって言いたいのかな・・・。そこはお父さん譲りだなぁ。
「そうですね。永島君は学級委員も務めたりしていますし、成績優秀ですから、クラスでは模範となる生徒ですよ。」
それにウチはとっても恥ずかしくなった。今までになく小さくなっていると思うし、顔も赤くなってると感じる。
「そうなんですね。ありがとうございます。」
「さて、お母様は永島君から東京の高校に行きたいとは聞いていらっしゃるのですね。進路調査でも、東京の岩槻高校を第一志望としていますので、こちらもそのことは把握しております。しかし、相変わらず進路調査では岩槻高校だけ書いているので、私としては第二志望、第三志望を考えておいた方が良いとは言っているのですが・・・。」
「・・・へぇ・・・そうなの、光。」
お母さんの目線が痛い・・・。
「ご・・・ごめんなさい。」
「永島君、今お母さんに謝るくらいなら、ちゃんと考えておくんだったって思いませんか。」
「・・・は、はい。」
「ハァ・・・。もちろん、ここでそれを決めてくださいとは言いませんが、その点に関しましてはお母様のほうからもお話をお願いします。もちろん、永島君の岩槻高校に行きたいという意志がとても硬いと言うことはよく伝わっています。」
15分後・・・、
「今日はありがとうございました。」
お母さんがそう先生にいい、ウチらは教室を出た。外では智萌が待っていた。
「お疲れ・・・。光顔赤いぞぉ・・・。どうした。」
「ちょっと恥ずかしかっただけだよ。」
「ふぅん。」
「ふぅ・・・。終わった。光、智萌。どっちもちゃんと進路のこと考えなさいよ。もちろん、二人のことはよく分かってるけどさ、もう少し真剣にね。」
「はーい。」
ウチと智萌の声がそろった。
「光も怒られたの。」
「だねぇ・・・。」
「さて、早く家帰らないとね。お父さん今日も夜仕事だから、早く帰ってご飯食べさせないと、困っちゃうから。」
ウチらもお母さんの後に続いて学校の正門近くに駐車場に止めてある「レヴォちゃん」に急いだ。
家に着くとお母さんはすぐにお父さんのご飯の用意をし始めた。ぱっぱっと用意し終わると、お父さんが食べてるところをずっと見ながら、お父さんとお話しする。今日の三者面談で話したことも今話しているんだろうなぁ・・・。でも、そう言う話お父さんはあまり興味が無いのか、返事がかなり抜けたように聞こえてくる。そう言うお父さんの反応には一切小言を言わずに話し続けるお母さんもすごいと思うけど・・・。たぶんお父さんの返事からどう思っているのか分かっているのだろうなぁ・・・。
ちょっと息抜きにゲームをしながら、その光景を見ているウチに二人の会話は聞こえてこない。
「まぁ、いいんじゃない。光が岩槻しか行く気が無いなら、それでさ。」
「私もね、そう思ってるんだ。ただ建前としてさ、考えて欲しいかなとは思ってるのよ。」
「明治鉄道高校とか・・・。」
「ああ。明治鉄道高校ねぇ・・・。」
「・・・それにしても、光って本当に由来の通りだねぇ。別にそうしてっていったわけじゃないけど。」
「そうね・・・。ナガシィにとってはやっぱりJR東海行って欲しいんじゃないの。」
「別に・・・。JRなんて行って欲しいなんて思ってないよ・・・。まぁ、行ってくれたらすっごく嬉しいけど。」
「フフフ。」
「あっ、今笑った。」
「えっ、笑っちゃダメ。フフフ。」
一方、学校の教室では・・・、
「話し手はいるんですけど、旦那に似たのかすっごく眼後でね・・・もう。」
「はあ・・・。大阪産業大学付属以外、何か考えておいた方が先生としても良いと思いますよ。輝君。」
「・・・。」




