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MAIN TRAFFIC4  作者: 浜北の「ひかり」
Hikari Episode:3
76/102

437列車 魔法の料理はダメ絶対!

 日曜日。ウチは勉強の息抜きをしていた。モズに詰め込みすぎないようにと言われて以来毎日勉強はしていない。日曜日に限っては遊んでいる日のほうが多い。

 今ウチはパソコンで動画を見ていた。画面では白を基調にし、朱鷺色のラインが入る新幹線車両が走り抜けていく。動画の中に現れた新幹線車両は上越新幹線(じょうえつしんかんせん)を走るE8系(イーハッけい)新幹線。E4系(イーフォーけい)の引退と引き替えに上越新幹線(じょうえつしんかんせん)に投入された新幹線車両だ。

 E8系(イーハッけい)は12両固定編成。編成定員は934名。設計最高速度275キロ。12号車は「グランクラス」で、11号車はグリーン車、1号車から10号車は普通車である。全席にモバイルコンセントを装備する。なお、これらスペックや編成定員は北陸新幹線のE7系(イーセブンけい)W7系(ダブルセブンけい)と全て揃えられている。E8系(イーハッけい)E7系(イーセブンけい)W7系(ダブルセブンけい)の弟にあたるといえる。

 しかし、兄とは違う点もある。E8系(イーハッけい)上越新幹線(じょうえつしんかんせん)の中で完結する列車のみに運用される車両であるため電気の周波数は一部編成を除いて50Hzのみに対応している。また先頭形状はE6系(イーロッけい)の鼻をE2系(イーツーけい)クラスに短くしたような顔だ。

「・・・。」

画面にはE8系(イーハッけい)の側面に描かれた「空を舞う朱鷺」を模したエンブレムが映る。

(ひかり)。」

次の画面に映ったところでお母さんの呼ぶ声がした。

「なぁに。」

そう言う頃にはスリッパが床とすれる音が近づいてくる。それが近くで止まったため、もうウチの近くにいるのだろう。振り返るとエプロンを着けたお母さんが立っている。普段エプロン付けないのに・・・。

「あっ、動画見てた。」

「ああ、うん。でももう終わるから。」

ちらっとパソコン画面を見ると越後湯沢(えちごゆざわ)から出発し、走り去るところが映っていた。

E8系(イーハッけい)かぁ・・・。こっちにいたら見れないもんね。」

お母さんはそう言う。お母さんも列車よく知ってるんだよなぁ・・・。ウチが鉄道好きだから覚えたって言うような人じゃないのはウチもよく知っていることだ。

「ところで・・・。」

「あっ、ごめん。(ひかり)に手伝って欲しいことがあるんだ。」

「手伝って欲しいこと。」

「うん、私と一緒に料理作ってもらえるかな。」

「はっ・・・。」

えっ、えっ、えっ。お母さんなんのつもり。

「「はっ」じゃない。(ひかり)東京(とうきょう)行くのはいいけど、東京(とうきょう)言ったら学校の寮に入るか、一人暮らしするかのどっちかなのよ。寮で食事が付いてるならいいけど、必ずしも食事が付いてるわけじゃないんだから、一人である程度出来るようになっとかないと大変よ。」

ああ、そう言うことか。

「私がある程度料理は教えてあげるから、安心して。」

「・・・はーい。」

お母さんの言うことはもっともだ。ウチはそう思いながら、パソコンの電源を落とした。ウチも少しは料理できるようになっとかないとなぁ・・・。

 さて、魔法の料理作らないように頑張るか。部屋を出るとお母さんがお父さんの背中を押しながら戻ってきた。

(ひかり)。」

「どうしたの。」

「んっ、お父さんが今日の晩ご飯が心配だからってね。私に大丈夫って言いに来てくれたの。」

「分かってるよねぇ。今日も早いんだよ。」

眠そうにしながら、今日の晩ご飯をウチと作るよと言ったお母さんにはちょっと不満そうな顔を向ける。

「分かってる、分かってる。大丈夫じゃなかったら簡単なのでちゃんと済ませるから。」

自分で簡単なので済ませちゃうって言っちゃうんだ、お母さん。

「忘れてないならいいよ。せめて5時にはご飯にしてね。」

5時にご飯・・・。何か早すぎじゃ・・・。

「じゃあ、寝てるねぇ・・・。」

そう言うとお父さんは自分の部屋の扉を開ける。お父さんの部屋の中は昼の割に暗い。明かりそのものが付いてないんだろう・・・。お父さん不規則な生活だから昼間家にいても寝ていることのほうが多いからな。

「お休み。」

「お休みぃ。」

そう言いながら、扉が閉まった。

「さっ、(ひかり)。頑張って晩ご飯作ろうか。」

「・・・うん。」


※JR東日本は上越新幹線(じょうえつしんかんせん)E7系(イーセブンけい)を投入すると正式発表しており、この話に出るE8系(イーハッけい)は現実に現れるであろうE8系(イーハッけい)とは異なります。


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