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MAIN TRAFFIC4  作者: 浜北の「ひかり」
Hikari Episode:2
64/102

425列車 慌ただしい折り返し

 「のぞみ1号」が博多(はかた)に到着する。ここまでの時間というのは本当に短い。時速300キロで流れていく車窓は本当に速かった。

(それにしても、「はつかり」や「はやぶさ」って320キロだから、算用よりも速いんだよなぁ・・・。)

ウチはそれを考えた。そういえば、お父さんもお母さんも「はやぶさ」に乗ったことがあるから、時速320キロは体験したことがあるんだよなぁ・・・。

「着いた。速かった・・・。」

双いい、智萌(ともえ)は体を伸ばす。速かったって「のぞみ」の中でずっとゲームしてたじゃん。ゲームしてればそりゃ速いって。乗る前はユサやモズに自慢しようっていってたのに、ずっとゲームしてたら、自慢できるものも自慢できないぞ・・・。

「そりゃ、新幹線なんだから、速いのは当然よ。」

お母さんはそう言った。お父さんは会えて何も言わない。ウチも何も言わない。

「それよりも、速いところお昼にしよ。」

お父さんはいう。

「えっ、もうお昼。まだ10時半だけど。」

「それがね、10時前なんだけど、今ご飯食べないと新幹線の中でしか食べられないの。智萌(ともえ)が新幹線の中でお昼食べたいなら、いいけど。」

「・・・。」

「ウチはそれしたくないなぁ。」

智萌(ともえ)に聞こえるようにいった。さて、どうするのかな・・・。

「分かったわよ。お昼食べる、食べるから。」

本当に単純だよね・・・。

 でも、お昼っていっても食堂のほとんどは開いてすらいない。11時から営業するお店が多い。せっかく博多(はかた)に来たんだから、豚骨ラーメンを食べたいという話になり、11時の開店まで待って豚骨ラーメンを食べる。だが、次に乗る列車「みずほ612号」は11時43分発。ラーメンを流し込むように食べ、新幹線ホームへと上がった。

 新幹線ホームに戻ってくると「みずほ」が入線してくる直前だった。

「間に合った・・・。」

「ハァ・・・。久しぶりに走ったね。」

智萌(ともえ)がゆっくり食べてるからだよ。」

「間に合ったからいいじゃない。」

「ほら、二人とも、言い争ってないで6号車に乗るわよ。」

お母さんに促され、入ってきたばかりのN700S(エヌナナエス)に乗り込んだ。

 このN700S(エヌナナエス)はもともと東海道(とうかいどう)山陽新幹線(さんようしんかんせん)で運用されていたN700S(エヌナナエス)である。N700S(エヌナナエス)は16両片影で落成しているが、今までの16両編成の列車と違い、12両編成や8両編成への組み替えを前提とした設計がされている。そのため、リニア開業で余剰となったN700S(エヌナナエス)山陽(さんよう)九州新幹線(きゅうしゅうしんかんせん)用に転用されているのだ。JR西日本の持つ九州新幹線(きゅうしゅうしんかんせん)直通のN700S(エヌナナエス)はN700系7050番台。JR九州をN700系8050番台の形式が与えられている。

博多(はかた)博多(はかた)です。ご乗車ありがとうございます。」

6号車のグリーン車寄りの扉にもたくさんの人が並んでいる。

「うーん・・・。普通車に乗る人はグリーン車通り抜けて乗って欲しくないんだよねぇ・・・。」

お父さんはそうつぶやいた。確かに、グリーン車に座れるわけじゃないのに・・・。

 車内に入ると先ほどの「のぞみ1号」とは違うグリーン車の光景が目に入ってきた。「みずほ」に運用されるN700S(エヌナナエス)のグリーン車は車両の半分だけがグリーン車なのである。グリーン座席は「のぞみ」の200席の約10分の一程度の24席。そのせいもあってか「みずほ」のグリーン車は博多(はかた)出発の時点でかなりの着席率である。

(ひかり)智萌(ともえ)。そこに座って。」

お母さんの言われる席に座る。混んでいることもあって、窓側に智萌(ともえ)が座り、ウチは通路側に座った。

智萌(ともえ)、後で席変わって・・・。」

「何で、さっきは(ひかり)が窓側だったでしょ。」

(どうせゲームしかやるつもり無いくせに・・・。)

それは言わなかった。

 グリーン車内が落ち着く頃には(みずほ)は博多(はかた)駅を出発していた。ここから次の小倉まで最高時速300キロで走っていく。

 ただ、お昼を食べたこともあって、発車してしばらくたったトンネルから記憶が飛んでいった。


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