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MAIN TRAFFIC4  作者: 浜北の「ひかり」
Hikari Episode:1
47/102

408列車 驚くことばっか

 ウチはキラとともに大阪(おおさか)駅に居た。守山(もりやま)からは新快速でだいたい1時間ぐらいで行ける距離だ。

 さて、なぜ大阪(おおさか)に来たのかというとまた亜美(あみ)に呼ばれたからだ。しかも、今度は武田尾(たけだお)に行くとかそういう用事ではなくて、亜美(あみ)の家に呼ばれているからだ。しかし、亜美(あみ)の家がどこなのかは聞かされていない。そのため、大阪(おおさか)亜美(あみ)と落ち合うのだ。

(ひかり)ちゃん、長宗我部(ちょうそがべ)君。こっち、こっち。」

その声がする方を見れば、亜美(あみ)が居た。わざわざ入場券で入ってホームまで迎えに来ている。

 そんな亜美(あみ)について行き、亜美(あみ)の家へと向かった。

「・・・。」

家に着くなる、その大きさに圧倒される。ウチの家よりもはるかに大きいのは明らかだが・・・。亜美(あみ)ってこんな家に住んでいるのか・・・。

「ごめん。びっくりした。まぁ、私も(ひかり)ちゃんの家見たときはびっくりしたからお互い様ってことにしといて。」

そう言って、家の中へと入っていった。

「どうする、(ひかり)。」

「どうするって、入らなきゃ仕方ないでしょ。」

とは言ったものの、入るのがだんだん怖くなってくる。おそるおそる足を家の中に踏み入れる。

「二人して、何してるの。変な気起こさないでくれるかしら。何もないし安心して。」

そう言われても、この巨大な家を見せられるとなぁ・・・。

 家の中に入っても驚かされる。

「お待ちしておりました。永島(ながしま)様。長宗我部(ちょうそがべ)様。」

「あっ、ありがとうございます。」

二人して完全に固まってるなぁ・・・。

「ここが、私の部屋。どうぞ、中に入って。」

そう言い、部屋に通された。中はあまり女の子らしい部屋じゃない。一目見た感想はそれだ。智萌(ともえ)の部屋はイケメン俳優のポスターとかぬいぐるみとかがあったりするのだが、亜美(あみ)の部屋には一つのポスターもぬいぐるみもない。その代わりに、額縁に入る鉄道の写真がたくさん飾ってある。「(あお)交響曲(シンフォニー)」、「TWILIGHT(トワイライト) EXPRESS(エクスプレス)瑞風(みずかぜ)」、「ななつ(ぼし)」、「TRAIN(トラン) SUITE(スイート)四季島(しきしま)」。有名な列車の写真がたくさんだ。ただ、飾ってある写真の中に新幹線は500系しか無い。それはそれで意外だ。

「どう。全部私が撮った写真って言いたいところだけど、これは全部さっきの召使いが撮ったものよ。」

へぇ、写真の技術じゃかなわないなぁ。

「あっ、崇城(そうじょう)さんって切符取ってたりする。」

キラがそう聞いた。

「持ってるわよ。見る。」

「見たい。是非。」

「別に見たいなら見たいだけでいいわよ。私が大きい家住んでるからって変に気を遣ってくれなくてもいいから。それされると私の方が疲れるわ。普段友達と話しているようにしてくれていいのよ。二人とも。」

そう言うと、

「ちょっと本物出すまで、こっちで楽しんでて。」

そう言うと指をパチッと鳴らした。すると部屋は見る見ると暗くなり、部屋の一角だけが明るくなっていった。すると、明るくなった上にマルス券が出てくるではないか。

「すげぇ。」

うん、ほんとにすげぇ・・・。最初に出てきた券は東京(とうきょう)新大阪(しんおおさか)の特急券だ。それもグリーン特急券ではないか。

「なぁ、(ひかり)。俺今すげぇもの見てる気がするんだけど。」

「大丈夫。ウチも券のすごさに圧倒されてるから。」

キラはマルス券に手を伸ばしたが、手はマルス券を通り抜ける。「あれ。」そんなことをしているとマルス券は消え、明るかったその場所は暗くなり、部屋の明かりが付いた。

「それはホログラム投影機。触れないからあしからず。でも、ここからは触れるマルス券よ。」

そういい束になったマルス券を出してきた。

 束の一番上はさっき見たグリーン特急券。切符を一枚ずつめくっていくといろんな切符が出てくる。名古屋(なごや)東京(とうきょう)経由:リニアになっている券。東京(とうきょう)札幌(さっぽろ)のグランクラス券。大阪(おおさか)小倉(こくら)を九州一周で回ってくる乗車券。そういう券を見るたびにすげぇと声を上げるばかりだ。

「なぁ、(ひかり)。さっきから見てて気づいたんだけどさ。」

キラは声を小さくして、

「特急券が全部グリーン特急券しかないんだよ。「スーパーカムイ」とか以外。」

「えっ、それってつまり。」

「ほとんどグリーン車しか乗ってない・・・。」

そういうことになるよなぁ・・・。

「あっ。」

亜美(あみ)が声を上げた。それに二人してビクッとなる。何もなることないのになぁ・・・。

「そうそう。本題忘れるところだった。」

亜美(あみ)はそう言うと机の上にあるパンフレットを手に取った。

「二人とも、これ渡したかったの。」

そう言いウチらの前に出してきたのは高校のパンフレットだ。そこにはこう書かれている。岩槻(いわつき)高等学校。

「い・・・岩槻(いわつき)って言うの。」

ウチはそう聞いた。岩の隣にある漢字は高槻(たかつき)の「槻」と同じだから、おそらくそう読むんだろうと思ったからだ。

「そうよ。」

「この高校がどうかしたの。」

「ここって元々鉄道高校だったのよ。」

「だった。」

「もう今は進学校になってるからね。東大とか目指す高校なのよ。でも、元々が元々だから、この高校でしかもらえない求人とかって言うのが今でもあるのよ。どう。私たちにとっては悪い高校じゃ無いと思うんだけど。」

「・・・。」

「でも、東京(とうきょう)なんでしょ。」

「そうよ。だから、無理にとは言わないわ。それに私たちはまだ中2にすらなってないのよ。ゆっくりじっくり考えればいいわ。まっ、ゆっくり考えなさい。最終的にその高校に行きたくないなら行きたくないでかまわないから。」

亜美(あみ)はそう言った。でも、ウチは違うでしょ。出来れば来て欲しい。いや、来てもらいたいはずだよね。

(・・・岩槻(いわつき)かぁ・・・。)


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