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MAIN TRAFFIC4  作者: 浜北の「ひかり」
Hikari Episode:1
36/102

397列車 敦賀

 新年。敦賀(つるが)駅は雪に閉ざされていた。真新しい高架橋の下をくぐり、在来線ホームに向かって225系100番台はスピードを落とす。その高架橋は北陸本線(ほくりくほんせん)を飛び越え小浜(おばま)方面へと消えていく。

「ご乗車ありがとうございました。まもなく終点、敦賀(つるが)敦賀(つるが)です。乗り換えのご案内をいたします。北陸新幹線(ほくりくしんかんせん)「はくたか564号」東京(とうきょう)行きは12番乗り場から・・・。」

車掌のアナウンスが「新快速(しんかいそく)」の中に響く。

 北陸新幹線(ほくりくしんかんせん)敦賀(つるが)大阪(おおさか)間をどこ通るかでもめていた。結局、福井(ふくい)県の意見とJR西日本の思惑の一致した小浜(おばま)ルートでの建設が決定した。最も建設費の抑えられる米原(まいばら)ルートにならなかったのはJR東海との折り合いがつかなかったためである。特に車両数(北陸新幹線(ほくりくしんかんせん)は12両。東海道新幹線(とうかいどうしんかんせん)は16両。)。それに現在の東海道新幹線(とうかいどうしんかんせん)名古屋(なごや)新大阪(しんおおさか)間は臨時列車を含めて毎時10本の「のぞみ」の運行が継続されており、「こだま」1本、岡山(おかやま)行きと新大阪(しんおおさか)行きの「ひかり」がそれぞれ1本ずつととても北陸新幹線(ほくりくしんかんせん)東海道新幹線(とうかいどうしんかんせん)の列車を多客期などで両立させることはできなかったためだ。

北陸新幹線(ほくりくしんかんせん)って来年全通だっけ。」

ウチはお父さんに聞いた。

「そうだったね。ようやっと大阪(おおさか)まで北陸新幹線(ほくりくしんかんせん)がつながるからね。(ひかり)、全通してちょっと経ったら乗り行こうか。」

そういう約束をしてくれた。

「うん。絶対だよ。」

「分かってるって。」

 カーブのかかる在来線ホーム4番線に「新快速(しんかいそく)」は停車した。敦賀(つるが)駅では「新快速(しんかいそく)」ドアは自動では開かない。閑散線区とかでよくある半自動ドアというものだ。ドア横についているボタンを押して降りると入れ替わりで、ここから「新快速(しんかいそく)」に乗り込む。

 上につり下がっている駅名標にはJR西日本の表記とこの先の路線を管轄するようになった「FDR福井ダイナ鉄道」の表記が併用されている。

 「FDR福井ダイナ鉄道」は北陸新幹線(ほくりくしんかんせん)敦賀(つるが)延伸時に福井県内の北陸本線(ほくりくほんせん)を第三セクターに転換したためにできた鉄道会社だ。FDRの「D」は「Dinosaur(ダイナソー)」のD。「フクイラプトル」などの恐竜化石が発掘されただけある福井県ならではだ。なお、北陸新幹線(ほくりくしんかんせん)新大阪(しんおおさか)まで全通すると小浜線(おばません)敦賀(つるが)小浜(おばま)間がFDRに移管され、「FDRオバマ線」となることがすでに決まっている。だから、ここに来たのかというわけでもないんだが・・・。

「125系が止まってるね。」

お父さんはそう言った。

 さて、反対側に目をやるとE7系(イーセブンけい)W7系(ダブルセブンけい)東京(とうきょう)へ向かって旅立っていく。あの列車はさっき言ってた「はくたか564号」だろう。「はくたか564号」は福井(ふくい)小松(こまつ)金沢(かなざわ)新高岡(しんたかおか)富山(とやま)黒部宇奈月温泉(くろべうなづきおんせん)糸魚川(いといがわ)上越妙高(じょうえつみょうこう)長野(ながの)軽井沢(かるいざわ)高崎(たかさき)大宮(おおみや)上野(うえの)に停車する。金沢(かなざわ)までの間には武生南越(たけふなんえつ)芦原温泉(あわらおんせん)加賀温泉(かがおんせん)駅があり、大阪(おおさか)方面から早く金沢(かなざわ)富山(とやま)に行けるようになっている。

「4番乗り場に停車中の列車は「新快速(しんかいそく)湖西線(こせいせん)経由姫路(ひめじ)方面播州赤穂(ばんしゅうあこう)行きです。「ドアの横のボタンを押してください。ドアが開きます。」」

近くでは折り返しを待っている「新快速(しんかいそく)」がいる。

「新幹線ホームにでも行くか。」

「うん。」

ウチらは上にできあがった新幹線との接続跨線橋を歩いて新幹線ホームへと向かった。

 新幹線を見た後帰ろうとしたとき、雪が降り始めて、帰りの「新快速(しんかいそく)」が遅れてしまったのは内緒だ。


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