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評判は地。
そんな硬直状態の中、口火を切ったのはルシシアンの姫だった。
「あなたの国の代表は、この女性だったかしら?」
「い、いえ、」
姫の鋭い視線に、王は震えた。
「そうよね。じゃあやり直して頂戴。」
姫は護衛から靴を受け取り、席からたった。
そして、こう叫んだのだ。
「ソフィア・バレンティノ!あなたの踊りを見せて頂戴!」
と。
会場はざわめいた。
国民たちも大国の不評を買うことの恐ろしさを知っていた。
「もしかしたらやり直せるチャンスなのでは。」といった喜びの声や、
「ソフィアって、あの性格が悪くて捨てられたやつだろ?」「踊れないでしょ?」
といったソフィアに対する声だった。
マリーナは騎士につれられ、舞台から降ろされた。
「なに?ちょっと、なんなの?」
きょとん、として平然と席に戻った。
ソフィアはそんな動きに驚いた。
しかし、大国の姫直々のご指名とあっては、出て行かざるを得ない。
ソフィアは思い腰を上げた。