5/21
ルシシアン以外は忘れても。
次の日、国は盛大に大国と小国の王族を招き入れた。
大国であるルシシアン国。
小国であるハウエイ国とバチサン国。
この三カ国が訪れた。
ルシシアンからは王と王妃、第一王子と第二王子と姫が参加し、ハウエイとバチサンからは王、王妃、第一王子とその婚約者が参加した。
どの小国の姫も、連れてくるたびにルシシアンの王子にアプローチをかけるので、相手が決まっている女性しか参加することができない決まりになっていた。
国中盛り上がり、国民が集まる前で国の代表者が踊りを披露するのが伝統となっていた。
貴族たちには席が用意され、ソフィアも円形の舞台の近くに座っていた。
マリーナはそれを一段上の王族が座る席から見下ろし、クスリと笑った。
「どうかした?」
王子はマリーナが緊張しているのでは、と心配していた。
この踊りは、国の女性を代表するもので、歓迎の気持ちを伝えるためのものでもある。
マリーナの踊りは見たことがなかったが、自信ありげな様子に期待をしていた。