アネはないすばでぃ
「ソフィア、あの人のこと知ってるの?」
姉に呼ばれて行くと、部屋の隅で問い詰められた。
「え、し、知らないよ!」
「そうよね〜あんたみたいなのが、知り合いなわけないよね」
姉は納得したようにうなづいた。
「いい、今日から彼は家に住むから。」
「え!?」
「なに、なんか文句あるの?」
「な、ないけど、お姉ちゃんが男の人連れてくるなんて、初めてでしょ?」
姉はニヤリ、と笑った。
「あの人の服装みたでしょ?絶対お金持ちよ、とびっきりの!しかもイケメン!私のための男だわ。」
うっとり、と表情を緩ませる。
「お、お風呂入りました...」
あのジオルド様が家にいると思うと、話かけるだけでも緊張がはしる。
「お前、俺のことを知ってるな、」
ギラリ、と光る眼差し。
「え、いえ、あの、」
「どこで知った。ここはどこだ。」
背の高いジオルドにじりじりと追い詰められる。
「ソフィアー!どこー?」
姉が近づく足音がする。
すぐ近くに来ている。
ハッ、とし、返事をしようとすると、ジオルドが口を塞いだ。
「お前は黙っとけ、」
「あいつは使いに出してる。」
「え、ジオルドお風呂なの?ーー私も一緒に、いい?」
ソフィアはジオルドの腕の中で、ギョッとした。
それをみてジオルドは含み笑いをする。
「いらねえ、先寝てろ。」
「はぁーい!じゃあ部屋で待ってるね!」
姉はルンルンと部屋に帰っていった。
「なんなんだ、あいつは?」
「わ、私にも分からないです...」