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アネってだいたいこんなもん(偏見)
「あなた、あの子の知り合い?」
「あ?誰だ?」
女は表情を一転させた。
「そうよね!そんなわけないよね!
じゃあ、私のファンかしら?ーーいいわよ、付き合ってあげる。」
身動きのとれない俺にベタベタまとわりつく。
(香水臭えな)
(だが、状況が分かるまでは置いといてやる
目覚めたところにいた女が、頭の軽そうなやつで助かったーー)
屋敷の外に人の気配を感じる。
「あ、お腹すいてるわよね?今から作るわ!」
女は俺を置いて部屋を出た。
「ちょっと!遅いわよ!」
屋敷の外でほえる声が聞こえる。
俺の前で出していた声と、あまりにもトーンの違う声に笑いをこらえきれなかった。
女は声が俺のところまで届いていないと思ってるのか、被っていた猫が全部脱げている。
「早く夕食作りなさい!」
「う、うん。」
新しく入ってきた女は、何度も責められ、料理をしているようだ。
「美味しいでしょ?私、料理得意なの。」
無理やり連れられ、下に降りると、子供が料理を並べていた。
子供は、俺をみて目を見開いた。
(この反応ーー)
子供の口がわずかに動いた。
ジオルド、と。
(このガキ、俺のこと知ってやがるなーー)