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10/21

履きつぶしたい

「プリシラ姫。」

「あなたがソフィアなのね。」

初めて会うはずの二人の会話を、周りの王族たちは不思議に思った。

ソフィアはその場で靴をはいた。

そして、自国の楽隊ではなく、ルシシアン国の楽隊に声をかけた。

先ほど姫が踊った曲を演奏してくれないかと。

楽隊の人々は戸惑っていたが、

「その通りにしなさい。」

という姫の声ですぐに準備を始めた。


実はソフィアも踊りを覚えていなかった。

半年かけてできるようになったこの国の踊りは、この数日練習していなかったことにより忘れられていた。

この国の踊りは不思議なテンポの踊りで、お世辞にも素敵なものとは思えなかった。

婚約破棄があるまで練習したソフィアの努力は、記憶が戻ること消去されていた。


そこでソフィアはバレエを踊ることにした。

この身体はバレエを踊ったことがないだろうし、この靴はつま先で立つために作られていない。

あくまでつま先の部分が平らで、足首にリボンで固定するという共通点があるだけだ。

それでもソフィアはできる気がしていた。

ソフィアの頭は覚えていた。

体の動かし方を。


曲が流れ、ソフィアはしなやかに動き出した。

伝統の踊りを知っていた国民や王族たちは、ソフィアの動きに肩を落としそうになった。

しかし、つま先でクルクルと器用に回転し、ジャンプをしたり、足を上げるソフィアをみて、目を見開いた。

見たことのない踊りだった。

それは、優雅で美しく、しなやかな動きだった。

ソフィアは前世で習った通りに踊っただけだったが、他に知る者のいない今では斬新かつ美しいものとして見られた。


新しい靴って踊りにくいですよね...

そこはプリシラ姫のお力でどうにか←

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