地雷処理班の初会議に乾杯2
「唐突だが、会議を始める。」
「確かに唐突だよね。いつも会議なんてしないもん。」
「うっせ」
俺は話を続ける。
「俺は大変な事に気づいてしまったんだよ。」
「なになに?」
「戦争の後始末にとって、最初にすべきことだよ」
「ふむ、それは何だね?優君。」
菜花がなぜか気取った風に一言。
「戦争の道具を保管する倉庫」
ゴン!と頭をどっかにぶつけてしまう一同。
「・・・何で気付かなかったの?」
「寝てたからかな」
「ちゃんと仕事した方がいいよ?給料減らされるし。私達は雇われているんだからしゃんとしないと!」
「成る程、それで俺の給料の札が一桁なのか。」
「最大90000ゴールドとか、低すぎだよ。私は最低でも100000ゴールド貰ってるからね」
「そんなに額は変わらないじゃないか。」
菜花ははぁーっと、深い溜息をついて
「お金は1ゴールド1ゴールドに重さがあるんだよ」
と、よく分からない事を言う。
「意味が分からないから簡潔に分かりやすく説明してくれ」
「つまり、1ゴールドイコール1グラムと考えるの」
「すると?」
「90000ゴールドイコール90000グラム。つまり、90キロ。さらに、100000ゴールドイコール100000グラム。これは、100キロ。」
菜花はビシッと人差し指を俺に向け「さて、重さにどういう差がついた?」と言った。
「酷い差だな」
「だから、ちゃんと仕事しないとだめなんだよ!」
途中から、お金についての講義になっていたような気がするが、気にしていたらキリがないので先に進める事にする。
おっほん。と咳払いをした。
「恐らく、敵の兵が自滅を目的とする地雷を多く設置しているはずだ」
「自滅を目的とする地雷?」
「敵のスパイが倉庫の周りに地雷をし掛けるんだよ。すると、倉庫に道具を取りにきた兵を地雷の罠にはめる事ができるのさ」
「成る程・・・では、この中で分からなかった人はいますかー!」
まさか、この簡単な話が分からない人なんているわけが・・・いた。
「くらたん先輩ちょっとこっちに来てくれ」
「うん」
「こんな事も分からないなんて、くらたん先輩は小学生ですか?・・・いや、小学生か。ごめんねー?倉橋ちゃん。」
ぴくっ。とくらたん先輩の肩が揺れた。
「うぇーーーーん!ママーー!」
「ぷっ」
「あっ!わらっだなあー!」
くらたん先輩、涙と鼻水ズルズルの顔いただきましたー。
取り敢えず、この記念すべき顔をカメラに収めておこう。