地雷処理班は今日も処理に勤しむ1
少し古びた建物。
そこには、少なからずとも多からずと言えるくらいの人数がそこに住んでいる。
何故なら、国から戦争の後始末を仰せつかったからだ。
ざっと123名いるのだが、全員二つのグループのどれかに入っているのだ。
一つ、地雷処理班。
ここは戦争の跡地の一部。
故に、地雷などが未だに埋まってしまっているのだ。
二つ、開拓班。
地雷処理班のチェックが終わった後に荒れた土地を開拓、つまり再構築するのだ。活動は主に肉体労働がベースになっているので、無理をさせないように交代制が設けられている。
そして、俺は地雷処理班のチームリーダーである、笹木優だ。
「じゃあ、ここの領地のチェックを始めようか。ここは、プラスチックの地雷がある危険性があるから、杖みたいなので一歩、前の地面を突きながら進めよ。では、用心する様にな」
所々に「めんどくさいー。」とか言ってる人がいるので一言。
「じゃあ死ね」
「優、言い過ぎ」
いきなり注意してきたのは菜花ゆい。俺の幼馴染である。
「あぁ、菜花。いたのか。」
「いたよっ!最初から!」
「存在感薄いぞー。だから地味メガネとか影で言われるんだよ。」
「!!」
悲しそうな顔をして菜花は駆けて何処かに行ってしまった。
「なんで逃げて行くんだよー!これじゃ作業に時間かかっちまうじゃねーか・・・」
菜花と話をする所から駆けて行った所までの時間はわずか30秒だった。
「ゆいちゃんをあんまりいじめないでよね?」
あれ、声が聞こえる。しかも近くから。だけど、俺の近くに人はいない・・・はず。
「うーこわ。」
「いいかげん気付けー!」
ばしーん!と、身長が低いお子様(先輩)の手が放ったビンタ。一瞬襲ってくる断末魔と言っても過言ではない。いきなりの不意打ちで、顔ビンタだから。顔にビンタするといたいよね?
「痛いから、二度とこんな事はよせよ?・・・にいちゃんも反省してるから。」
「うん!分かったおにいちゃ・・・・って!私は年上だー!」
往復ビンタ10連撃。・・・結果、顔にあとが残った。
「痛いからやめてください。くらたん」
「くらたんやめい。私年上!」