さいしょ
僕はなんて理不尽な世界に生まれ落ちてしまったのだろう。
そんなことも思った過去は何度もある。でも、この現実という世界から逃れる術は何にもない。別の世界を目指して命を落とすのは、もったいない。つまらなくて、わりと残酷なこの世界でも、まあまあ楽しいことがあるしね。
小さい頃から知識欲はあったから、勉強はわりと好きな方だった。だからといって、友達と遊ぶことを犠牲にしてまでもそれをしたいとは思わなかったし、そんなに価値があるとも思っていなかった。
学校の授業の中で、自分の"知らないこと"が存在することを知るのが、一番好きだった。まだ答えがわからなくても、自分の知識が増えた気がして、決して正しい答えが出なくても嬉しかった。
そんな日々を続けてたら、机ととても仲の良い友達にされていた。それと同時に、その頃の俺は本の虫になっていた。友達と話すことより、本から得る情報や豆知識に魅力されていたのだ。
今思えば、あれが人生の分かれ道だったのかもしれない。その頃から、俺のクラスでは明確に明るい人間と暗い人間の差が生じていたのだ。
読んでくださりありがとうございます。