装備
「俺の名前はタンヘ=ナビンイ、この
武器屋の店長だ。なあ、兄弟名前教えてくれや。」
「俺は白鶺鴒。流れ者だ」
うーん、一度は言ってみたかったけどあんまし、カッコ良くは無いな。
「それで、白鶺鴒。この、武器屋にどんな様で来たんだ」
「ああ、コレだ」
俺はこのゲームで最初に会ったねーちゃんの手紙を出した
「これは、おー………。白鶺鴒、お前この国に始めてきたのか。ふむ、じゃこれを………」
そう、言った後武器屋の親父は店の奥から防具一式を持ってきた。
「ほれ、これをやる。ギルド駆け出しの奴にこの国が配っている防具だ。それと、お前どんな武器が欲しい?
因みに内容は、短剣、弓、杖、だ。」
うーん、それぞれの性能はどっこいどっこいだな。
俺は暫く迷ってから、短剣を選ぶことにした。まあ、ファンタジーと言ったら剣だからな。当然だろう。
因みに今、貰ったアイテムの性能はこうだ。
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初心者の短剣 ET
ATK 5 SPE 3
初心者の服 ET
DEF 10 MDEF 10
初心者のズボン ET
HIT 10 STR 10
初心者の靴 ET
SPE 10
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良し、初期ステータスが低い俺にとってはレジェンド級のアイテムだぜ。このゲームの運営様に感謝だな。
しかし、気になることがあるな………
「うん、普通だな。親父、このETってのはなんだよ?」
「おう、それは『永遠』っていう意味だ。この世界では耐久値と強化回数ってのがあって普通はそれ等に限界が存在する。それぞれの値がゼロになっちまうとそのアイテムが消えて無くなちまうんだ。
けど、初心者はそんな事を気にしないでフィールドに出ちまう………。そんな事で死人を出さないためのこの国からの救済措置ってわけさ」
おお、中々のシステムじゃないか。
俺は今もらった物を装備して、短剣を少し振り回した。銀色の刃に心躍る
よ〜し、このままモンスターを狩りにでも行くか。
「おい、ちょっと待て! まだ終わってねえよ!」
俺が武器屋から出ようとした瞬間親父に止められた。
「お前、まだこれをやってねえぞ!」
そお、言った親父がカウンターの下からルーレットを出した。
………あんなの何に使うんだ
「これは、お前みたいなニュービーの為のもんだ。これを2回、回しな。それで出た数字のアイテムをお前にやるよ」
………成る程、よし此処はなんでもいいからいいアイテムが出るように祈らなくちゃな。不幸中の幸いで幸運のステータスは中々高いからな。此処でいいものを当てなきゃこの先詰む事は目に見えてる。
俺はルーレットの摘みを掴む。そして、目を瞑って一気に摘みを回した。
ルーレットが回ってる
俺は念じるように、祈るように、呪うように其れをジッと見つめている。
ルーレットの回り具合が遅くなってきた。
良いの出ろ!良いの出ろ!良いの出ろ!良いの出ろ!良いの出ろ!良いの出ろ!良いの出ろ!良いの出ろ!
ルーレットが止まった。
数字の『12』だ。
俺にはその数字がどんなアイテムか分からない。親父の顔を見る。
「ええっと…………12はコレだな。ほい、《強化石》5個だ。このアイテムは武器の強化を高確率で成功させるアイテムだぜ!
まあ、このルーレットでは当たりの方かな?」
親父は少し気まずそうな顔をしていた。
このアイテムはそんなに良いアイテムではなかったのどろう。多分、普通にプレイしていれば中々手に入れにくいアイテムなんだろうがこのルーレットの中では所謂、ハズレの部類なのだろう。
「おい、親父。このルーレットで一番良いアイテムはどんな数字なんだ?」
「それは………最初の1と一番最後の数字の50だ。」
親父の目が泳いでいた
………よし、では次を回すか。
深く深呼吸をする。
今度は身体が少し軽くなった感じだった。ゆっくり摘みに手を近づける。いや、正しくは摘みに引きつけられていた。まるで、機会の様に決まった動きを身体がしてくれている。何かにみちびきられるかのように其れを回す。
静かにルーレットが回り出した。
確実に回り出した。
俺は無我の境地に達していた。この時俺は何も感じてなかった。
ついさっきとは大違いだ。静かに其れを見守る。
これから先の結果を心が身体が何処か理解しているみたいだった
ルーレットが止まる
「………っえ?」
ルーレットに表示された数字は『0』だった。
おかしい、さっきの説明だと『0』という数字はルーレットには存在しないはずだ。
「…………ッククク、グァハハハハハ。流石だぜ兄弟。まさか、本当に当てるとはな‼︎
大当たりだぜ、その数字は‼︎」
へ?
「ほら、コレをやるぜ!持ってけ泥棒‼︎」
親父から無造作に渡されたソレを確認する
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《巨星の指輪》
大いなる可能性を指し示す。
この指輪を装備することでスキル経験値、スキルポイント、経験値が10倍で手に入る。
(尚、コレは装備した時間の合計1週間で自動消滅します)
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…………なっ何たるアイテムだ。初心者のためにとあるような物だが……
うむ、どうしようこれ?
「ハハハハハ、まさかコレを当てるとは本当に思ってなかったぜ。
それとコレは選別だ。持ってけ」
親父が俺に回復ポーションを20個ほどくれた。
「サンキュー、まあ、取り敢えず頑張って見るわ」
武器屋から出た。
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「若き、巨星か………。このゲームも面白くなってきたな………」
タイヘは今少年が出て行っいったドアを見ながらいった。その目は何処か悲しそうな光と覚悟の炎が映っていた。彼は一人のロリコンで在ると同時に一人の親だった。よくある、保護意識からロリコンに堕ちて仕舞った彼だが、やはり自分の中での一番の幼女は娘なのだ。娘の笑顔、娘の涙、娘怒り、全て彼にとって宝だった………
「全てがもう、始まっている。後戻りは出来ない………。俺はさらに堕ちて行かなきゃならない………」
「あ・な・た。良い雰囲気出している所悪いんだけど、チョット、ハナシヲシヨウネ☆」
タイヘは武器屋だ。彼、自身レアな武器を求めにハイレベルのダンジョンに入った事は数え切れない。そして、死に近づいた事も何度もあった。死と恐怖と義兄弟の盃を交わしているといっても別に大げさではないだろう………そんな彼が今たった一人の中年女性に恐怖していた。顔が真っ青だった
「バイトの子に店番頼んだからしばらく店を開けられるわね〜」
その後一週間、武器屋の親父を見たものは誰もいなかった。彼は彼の妻とダンジョンに素材集めをしに行ったと、周りの店員は聞いていた。ただ、そのたびから帰ってきた後の彼の顔は酷く歪んで見えた。周りの店員はさぞ不思議に思っただろう
すいません遅れました
今日、19日の21時に投稿します
次の投稿は20日21時を目指します
正直、作品に自信がありません。何か感想や誤字脱字、意見などあったら宜しくお願いします