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城郭の調香師 第1部 赤い月の呪いと調香師と紫の炎  作者: 悠 聖藍


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第1部 第28話 弁護士

 師匠は、完成したリップスティックの調香データをカトリーヌさんのメールアドレスに送り、さらに調香試作品を特殊な箱に収め、フランスのメゾン・ド・リュミエレル社へ国際便で発送した。


「ふう、これでなんとか落ち着いたね」


 僕達四人は、完成祝に城郭都市から離れた、アウラ国際空港で郵便物を送るのと同時に、気分転換がてら食事に来た。


「それにしても、久しぶりですなぁ。若の車に乗るのは」


「師匠の車って、なんていう種類の車なんですか?」


「あれは、SUVとういう種類の車だよ」


「ご主人様の車、大きくて乗り心地の良い車ですよね」


「ありがとうアイナ」


 う~ん、あれはきっと高い車なんだろうなぁ。

もっとも、僕は車の免許を持ってないから運転出来ないけど…。


 僕達はまったりしながらレストランで食事をしながら談笑をしていた。

食事が終える頃、師匠のスマートフォンが鳴った。


「……弁護士からだ」


「!!」


 師匠は、スマートフォンの電話に対応した。


「はい、わかりました。これから屋敷に帰ります。ええ…今からだと40分くらいで戻れるかと…はい、わかりました」


「若…」


「兄さんに紹介してもらった弁護士さんが、事情説明に屋敷に来るそうだ」


「…楽しい食事会はお開きですね」


 そう言って、僕達は急いで城郭都市アウラの東三番街のクロウ家の屋敷へと戻った。

そして、間もなく弁護士の人が訪れ、シェーンさんは応接室に案内した。


「やあスチュワートくん☆ 久しぶりだね☆ スカッとしてるかい?」


 …なんか、変わった弁護士さんだなぁ…。

年齢は40代くらいだろうか。


 褐色の肌に、派手な緑色のスーツ、そして逆三角形の筋肉ムキムキの弁護士にはまったく見えない…。


「いえ、いつも私の兄がお世話になっております。今回は、協力して頂きありがとうございます。それであの事件はどうなりましたか?」


「ジュリアン・レイの発言により、ボラン・パウナは容疑を認め逮捕されたそうだよ☆」


「…そうですか」


 師匠は静かに説明を聞いていた。


「彼は、ローデリア社の契約調香師だったが、なかなか成果が出ず苦労していたようだね☆ まあ、元々傲慢な性格だったし、酒とギャンブルにおぼれていた奴だった。ローデリア社は、彼の勝手な行動として、契約を打ち切り、莫大な違約金を彼に請求したみたいだよ☆」


「…つまり、ローデリア社は、あっさり彼を切り捨てた…という事ですね」


 …やっぱ、そうなるんだ…ローデリア社は、いっさいの責任を負わないって事か…


「う~ん☆ あっさり切り捨てたと言うより、切り捨てるために彼を利用したのかもしれないね☆ そして、ローデリア社は君への謝罪として、示談金を用意していると言っている☆」


「…やはり、示談金だけになるのですね」


 師匠の心は、きっと複雑に違いない。


「スチュワートくん☆ 国家情報調査局の人と会ったそうだね☆」


 NIA のリチャードさんの事か?


「ええ、彼がどうかしましたか?」

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