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城郭の調香師 第1部 赤い月の呪いと調香師と紫の炎  作者: 悠 聖藍


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第1部 第13話 紫の炎

 僕達は、アイナが淹れてくれたお茶と、ジュリアンが差し入れてくれたケーキを食べながら、談笑をしていた。


「ジュリアン、このチーズケーキは本当に美味しいね」


「きゃぁ〜♡ うれぴぃ〜♡スチュワート様のために愛を込めて作りましたぁ〜♡」


…あ〜…はいはい…愛ね、愛…

僕は、冷めきった感情でジュリアンの言葉を聞いていた。


「ははは。ありがとうジュリアン。とても美味しいよ」


「ええ、ほんと、チーズの酸味と甘味が調和して味しいわ」


 師匠とアイナが、笑顔でそう答えた。すると、なにやら外が騒がしい。


「きゃーーー!」


「なんだ、この紫の炎は!」


「ママ〜!怖いよ〜!」


 僕達は、急いで窓の外を見る。すると、謎の紫色の炎が燃え上がっていた。


「え?え?紫色の炎?」


 僕は、自分の呪いと関係あるのかと混乱した。

師匠と僕は、急いで1階へ行くと


「な!?ここも紫の炎?」


「1階のあっちこっちに紫の炎が燃え上がってますわ!」


「全然気づかなかった!みんな急いで避難するんだ!」


「はい!」


「若〜!ご無事ですか!?」


シェーンさんが外から師匠を呼んでいる。


「爺や!」


「若!今、消防隊を呼びました!急いで避難を!」


「ああ、だが、この屋敷の中も紫の炎が!」


 すると、ジュリアンが何かを見つけたように言った。


「みんな!こっちには炎が無いわ!ここから出ましょう!!」


「わかった!」


 僕達は、ジュリアンの後を付いて行き、なんとか屋敷の裏口から外に出ることができた。


「おじいちゃん!」


「アイナ!若!、ジョンもジュリアンも無事で良かった!」


「ああ、みんな本当に無事で良かった!」


 謎の紫の炎は、あっという間に屋敷全体を包むように燃えていた。


「…なんで…まさか…僕の…僕のせい…?」


「え?」


ジュリアンは怪訝そうな顔をしていた。


「…なんで、あんたのせいになるの?」


「…それは…」


 呪いのことをジュリアンに言えるわけがない。

ましてや、こんな紫色の炎なんて見たこともないし…。

もしかして、僕の呪いが無意識のうちに関係してるのでは…。


 僕は自分自身の中にある呪いの存在が激しく怖くなった。僕が…僕が迷惑をかけてるのか?


「ジョン…!ねえ、ジョン顔色がすごく悪いけど大丈夫?」


 アイナが心配そうに僕に声をかけてきた。すると、消防隊が駆けつけてきた。

僕は、紫色の炎に包まれている屋敷を大きな不安感に苛まれながら見上げた。

しかし、紫の炎は消防隊が駆けつけた途端、なぜか徐々に消えていった。


「え?燃えてない?」


紫の炎は、完全に消え、屋敷はまったく燃えてはいなかった。

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